ロシアの菜園付きセカンドハウス「ダーチャ」

日本にダーチャ運動を!


クラインガルテン

 ドイツでは集合住宅の2階以上の部屋に住む国民には移民でも誰でもクラインガルテン(国家の賃貸する農地「小さな庭」の意)を持つ権利があり、30年間、月3,000円位の費用で300平米位の土地が借りられ、人々はそこに畑や庭をつくり、手造りの小屋を建てています。

ダーチャ

 ロシアにはダーチャ村(住宅付き集団農園)が有り、国民には一世帯当たり最低600平米の農地用益権があります。

 ロシア人もドイツ人も、日本にそうした制度が無いと話すと不思議がっています。反面、日本人はドイツやロシアにそんな制度があることは殆ど知りません。

日本の高層住宅  日本では今多くの人が都市でコンクリート集合住宅に住み、持ち家も一片の土地も持たない人が圧倒的です。

 2012年度国土交通白書では、40歳未満の人の持ち家比率は過去25年間で42.2%から28.4%にまで落ち込んだという結果が出ています。大企業の内部留保増大とは対照的です。

 クラインガルテンもダーチャも天から与えられたものではありません。200年の歴史を持つクラインガルテンはこの運動を広めたシュレーバー博士に因んで『シュレーバーガルテン』とも呼ばれます。古い歴史を持つダーチャも現在のように大衆化したのは第二次大戦中、大戦後、食糧不足を克服するため国民が粘り強い運動を展開、1960年に法制化されたものです。

 ダーチャには様々な効用があります。国民の大部分が週末を郊外の豊かな自然の中で健康に暮らせます。都市の大きな天災、人災の時安全な避難場所になります。無農薬の安全な食料を自給・自足出来るので、労働者、年金生活者などの生活も安定します。国家の食糧自給率も大きく上がります。

 日本の都市近郊には多くの荒廃した耕作放棄地、里山が有りダーチャ用地に活用できます。

 私たちの協会がロシアのダーチャを日本国民に広く紹介し、日本的ダーチャ村づくりを支援することは日本社会の発展に大きな意味を持っています。

(柴田 記)