今月の表紙

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2020年2月号 No.700

行事予定

映画『幕末のスパシーボ』DVD鑑賞会、2月23日(日)開催

『幕末のスパシーボ』  皆さんはヘダ号という船をご存知でしょうか? ヘダ号は幕末に日本とロシアが協力して建造した近代日本で最初期の西洋式船舶という稀有な船です。しかしながら、ヘダ号のエピソードは良く知られているとは言えない状況です。そこで、このエピソードを普及させるべく制作されたアニメーション映画が「幕末のスパシーボ」です。本作のあらすじは以下のとおりです。

 時は幕末、プチャーチン提督率いるディアナ号が下田へ来航し、日本との国交樹立を要求する。対応に苦慮した江戸幕府は、川路聖謨を全権代表に任じ、プチャーチン提督との交渉に当たらせる。日露交渉が始まって数日後、安政の東海地震が発生。その際にディアナ号は大きなダメージを負ってしまう。プチャーチン提督は修理のため戸田村へ向かうが、ディアナ号は悪天候に見舞われて沈没してしまう。 川路は沈没したディアナ号の代船として新しい洋式帆船を建造することに決め、戸田村の船大工に建造を依頼する。船大工達はロシア人達と共に帆船造りをすることになり、日本人とロシア人との交流が始まる。両者は次第に心を通わせるようになり、船造りをとおして交流が深まってゆく。 やがて、船が完成し、プチャーチン提督は戸田村の人々に感謝を込めて、その船をヘダ号と命名する。

 尚、本作は文部省選定・外務省推薦のお墨付きであり、1997年のクラスノヤルスク会談にて、当時の橋本総理からエリツィン大統領に日露友好の証として贈呈された経緯を持つ作品です。日露友好の代表的エピソード、ヘダ号の建造を描いた本作をお楽しみ下さい。

(坂本)

日時:2020年2月23日(日)13:00~
会場:横浜平和と労働会館5階教室
参加費:500円(黒パン・紅茶代)
お問い合わせ・お申し込み:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

活動報告

今年は子どもバレエ教室「チャイカ」で大盛り上がり ヨールカ祭2020

ヨールカ祭2020  今年の横浜のヨールカ祭は、初めて参加した子どもバレエ教室「チャイカ」の子どもたち(10人)のダンスに会場は大盛り上がりです。

 1月19日(日)午後1時に、スラブ民族ダンスグループ“スラヴャーニェ”の「モスクワのカドリール」から始まり、続いてチャイカの子どもたちによる「ハッピーニューイヤーダンス」など大人のダンスと子どもたちのダンスが交互に続きます。その後、ジェットマロースとスネグーロチカが登場。チャイカや会場の子どもたちと手お繋ぎ、会場をぐるっと巡る旅に出ます。最後は、ジェットマロースから子どもたちにお菓子がプレゼントされました。

ヨールカ祭2020 ヨールカ祭2020
 第2部は神奈川県協会が主宰する各教室からの出演です。始まりは、マトリョミン教室のアンサンブルクラスの演奏。続いて、ロシア語教室火曜初級1クラスによる歌「ポーリュシカ・ポーレ」。続く歌は、土曜中級2クラスの映画「モスクワは涙を信じない」の主題歌「アレクサンドラ」。ロシア語劇は3クラス、土曜初級1クラスの「モスクワの街角で」、木曜初級4クラスの「三匹のくま」、木曜会話クラスの「ドラえもん」と続きます。各クラスとも衣装や小道具に工夫を凝らした熱演となりました。

ヨールカ祭2020 ヨールカ祭2020

 第3部は、内村稜さんのチェロ演奏と在日キルギス人によるキルギスの民族舞踊です。最後は、佐野真澄さんのピアノ伴奏で「ロシア歌謡をみんなで歌おう!」。会場全員で「モスクワ郊外の夕べ」「ともしび」「カチューシャ」を歌い終宴しました。

 食事メニューは、評判の外套を着たニシン、恒例のボルシチ、新入りのヨージキ(お米入り肉団子)ソバのカーシャ添え、いつもある黒パンのブテルブロート。この大量の食事は、前日、18日の朝から10人以上の人が作り上げたのものです。今年のヨールカ祭の参加者は、受付通過数で130人以上となりました。

(文・写真/木佐森、写真提供/ドラえもん=田中、キルギス舞踊=Hiromi)

★参加者の声★

スラブ民族舞踊アンサンブル「スラヴャーニェ」

ヨールカ祭2020  今年は「チャイカ」という子どもたちのバレエダンサー10人と一緒に参加させていただきました。

 前半のダンスステージでは、ロシア・ウクライナ・グルジア・カフカスのダンスを紹介させていただきました。観客の皆さんも珍しいダンスでとても喜んでいただけたことと思っています。チャイカの子供たちによるクリスマスダンス・正月のダンスは、とてもかわいらしくヨールカ祭の会場にピッタシで、会場に笑顔があふれ温かい雰囲気に囲まれた楽しいものとなりました。

 後半の子供のステージでは、会場老若男女の皆さんと一緒に楽しいステップで会場内を一体となって声高らかに回りました。ステージでは子供たちがプレゼントをもらい喜びあふれる声を上げているのがとても印象に残りました。子どもたち一緒のダンスを一生懸命練習し、会場で多くの拍手を頂いたことはとても嬉しかったです。楽しく、思い出深い、心和らぐひと時を過ごせメンバー一同感謝しております。

(Slavyane 加藤)

バレエスタジオ「チャイカ」

 ヨールカ祭2020にご招待いただき感謝申し上げます。スラブ民族アンサンブルスラヴャーニェと共同プログラムで出演できたことはとても嬉しかったです。

 楽しいコンサートとおいしいロシア料理のおかげで本当のお祭りの雰囲気を味わうことができました。横浜のヨールカ祭でロシアの雰囲気を感じることができましたし、ロシアとロシア語を愛する人々のために出演できることは喜びです。来年のヨールカ祭を楽しみにしています。 ※原文はロシア語

(バレエスタジオ「ザ・カモメ」ヘッド ムラタエレナ)

ロシア語火曜初級1 歌「ポーリュシカ・ポーレ」

ヨールカ祭2020  私たちのクラスは合唱を行いましたが、大勢の人の前で歌を披露するのは学生以来でとても緊張しました。

 大山先生曰く、喝采だったとのことで車通勤での車内練習の甲斐があったのかなと思います。

 また、ロシアだけでなくユーラシア諸国のダンス等もあり普段では触れることのできない文化に触れることができとても楽しかったです。次回もぜひ参加したいです。

(高橋)

ロシア語土曜中級2 歌「アレクサンドラ」

ヨールカ祭2020  「次のヨールカ祭は何をしましょうか?」という相談が、我々中級2のクラスで始まったのは昨年10月末。

 「劇より歌が良い」と意見がまとまり、我らがオリガ先生オススメの映画挿入歌「アレクサンドラ」に挑戦することになりました。11月頃から練習を始め、リズミカルに歌う難しさを味わいつつも、自宅で、クラスで。練習を重ね本番。

 気になる出来栄えは…うまくハーモニーを奏でられたようで。先生からの "Хорошо!" という声にホッと一息。ロシア語とロシア音楽の響きに触れられた、貴重な体験になりました。

(川北)

ロシア語土曜初級1 劇「モスクワの街角で」

ヨールカ祭2020  モスクワでの一場面という寸劇を通して、親切なмосквичに実際に会ってみたいと思うようになりました。いつか出たい旅行に向けて、さらに学習に励もうと思います。

(神崎)

 今回、私のクラスでは「ロシアの街並み」紹介と、ロシアの街中で道を尋ねる寸劇を行いました。難しい文法を学んでいなくてもここまで会話が成立し、話せるのだと自信を得られました。寸劇にも慣れていませんし、大きな声で単独で発話する機会が初めてで緊張しましたが、舞台ではそれ以上に楽しい時間を過ごすことができました。また次回のヨールカ祭が楽しみです。

(松下)

ロシア語木曜初級4 劇「3匹のくま」

ヨールカ祭2020  木曜初級4クラスは前年に続き2回目の出演でした。大山先生は前にも増して熱心に劇に取組まれました。正確なロシア語は勿論のこと、役の個性にあった動作の演出をなさいました。

 少年役の生徒は、小道具相手の独り舞台でセリフを覚えるのに苦労しましたが、本番ではコミカルな動作とはっきりした発音で、いたずらっ子を演じることができました。子熊役の生徒は、泣き虫な子熊になりきって演技をされていたのでとても感心しました。

(蔵本)

教室案内

冬の読書会・チェーホフの「悪人」を読む 報告

2019年12月21日、22日

チェーホフの肖像  読書会1日目はロシア語でチェーホフのユーモアを感じようと音声と一緒に読み上げるシンクロリーディングを試みました。そして、要所要所を拾って読み主人公の人物像を把握し、物語の流れを把握しました。

 2日目は、それぞれが分担して訳しました。より深く物語を掘り下げました。最後に、登場人物の気持ちになって朗読劇をしました。皆さん上手でした。

 参加者の読後感は、いろいろでした。
「深読みすれば、社会体制への批判ともとれる」
「単純にこの主人公の悪党ぶりを忠実に写実している」
「噛み合わない会話に爆笑する物語」
「本当に悪なのは何なのかと考えさせられる」

 短い物語の中に、たくさんの示唆がある、何より、お腹を抱えて笑いたくなるチェーホフのユーモアをたっぷりと楽しんだ読書会でした。

(竪山)

★読書会参加者による訳

 予審判事の前に、ひどくやせっぽちの百姓男がたっている。男は裸足だった。
「デニス・グリゴーリエフ!」
「もっと近くにきて私の質問に答えなさい!レールを枕木に止めるナットを抜いていたのがお前だ。ほら、これだ。このナットだ。相違ないか?」
「何だってぇ?」
「すべて、この通りか?」
「分かり切ったことさ」
「よろしい。ではお前は何のためにナットを外したのだ?」
「何だってぇ?」
「その “何だってぇ”をやめて、質問に答えろ!何のためにナットを外したのだ?」
「必要なかったら抜いたりなんかしねえ」
 天井を横目で見ながら、デニスは嗄れ声を出す。

 ―――続きは、参加者訳の小冊子でお楽しみください。
 ご希望の方には教室事務局で配布していますのでお申し出ください。

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

 レッスン内容は奏法の基本から音楽理論や高度な内容まで。毎月土曜日に開講、実質個人レッスンとなります。初心者の方も、以前習っていて中断された方も歓迎します。

レッスン日:2月1日、2月15日、3月7日、3月21日、4月11日、4月18日
※変更の場合がありますので、見学・受講ご希望の方は事前にお問い合わせください。
時間:14:30~18:15の間、各45分
講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
レッスン料(1回、税10%込):一般11,000円、会員9,500円


みなとみらいマトリョミン教室 アンサンブル/グループレッスン

日程:毎月1回、土曜日開講
2019年度後期日程:10月19日、11月16日、12月21日、1月18日、※2月22日、3月21日
※2月のレッスン日が変更されました。
内容:個人演奏・アンサンブル各クラス
レッスン時間:Aクラス13:00~14:00、Eクラス14:10~15:40
2019年10月以降の受講料(税10%込):
アンサンブル Eクラス 3,667円×6回=22,000円
グループ・個人レッスン A/Bクラス 3,142円×6回=18,850円

講師:檜垣 紀子
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センターホール
(※2月22日のみ3階会議室)


お勧め商品

ネミロフ ハニーペッパー

ウクライナウォッカ ネミロフ ハニーペッパー
1,500円(税込)

蜂蜜と唐辛子のフレーバーの、琥珀色をしたウォッカ。

アルコール度数40%
500ml
ウクライナ産

ロシアウォッカ ホワイトバーチ

ロシアウォッカ ホワイトバーチ
2,600円(税込)

白樺の樹液入り。
雑味がないすっきりした味わいの高級ウォッカ。

アルコール度数40%
700ml
ロシア産

ジョージア(グルジア)ワイン トゥヴィシ

ジョージア(グルジア)ワイン トゥヴィシ
1,800円(税込)

高級甘口白ワイン。
とてもさっぱりとしていて飲みやすく、クセがなく万人に受け入れられるタイプです。
毎日の食卓のお供にどうぞ。
繊細なフルーツの香りとフレッシュでフルーティな白やや甘口

アルコール度数11%
750ml
ジョージア産

ジョージア(グルジア)ワイン トゥヴィシ

ジョージア(グルジア)ワイン ピロスマニ
1,600円(税込)

ジョージアの国民的画家ニコ・ピロスマニにちなんだ銘柄。
全体としてしっかりとした内容、渋みと酸味のバランス、こくもなかなかのもの。くせのないさっぱりとした甘さが印象的です。
爽やかなフルーツの香りとしっかりとした口当たりの赤やや甘口

アルコール度数12%
750ml
ジョージア産

ウクライナ産そばはちみつ

ウクライナ産そばはちみつ 1,630円(税込)

独特の風味があるそばはちみつ。当協会の前回の販売では意外にもこちらが人気でした。
貧血予防に最適な鉄分が豊富で、高血圧に効くとされるルチンも多く含まれています。
ウクライナ産、250g

文化・芸能

芸 能

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10  冬将軍到来中のロシアから、2020年1月第3-4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。今月は10曲中新曲1曲だけで静か。でも1曲がTOP10カムバック!

 2018年に≪Уфф...деньги...≫でブレイクしたモルゲンシュテルンが、チマチー率いるHIPHOPの最王手ブラックスターレーベルの若手クラーヴァを組んでリリースした≪Мне пох≫(私にはどうでもいい)が9位に入りました。「どうでもいい 私は貴方が好きだから」。ロシアの巷の若者の多くが持つ無関心さと一途さが、軽快なラップに載り、多くのリスナーの心を掴んだようです。今の世代文化の代表的なアーティスト達です。

 昨年からブレイクし数々の賞を総なめしたズィヴェルトを2位にキープし首位を保持したのは、ニレットの≪Любимка≫(好きな娘)でした。おめでとうございまーす!:-)

※全文やPV視聴はユーラシア芸能ブログでどうぞ。更新再開しました!

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart、2020年1月17日~23日/MOPA)

プガチョワに握り潰されたディーバたち

プガチョワに握り潰されたディーバたち  露芸能界はヒエラルヒー。その頂に君臨するのは、ご存知アッラ・プガチョワだ。彼女に寵愛され旨くやる芸能人もいれば、次のように堕ちた芸能人もいる。オリガ・ザルビナ、ヴァレンチーナ・レヒコストゥポワ、マーシャ・ラスプーチナ、リカ・スターの4人だ。

 ザルビナは80年代にソ連歌謡界に彗星の如く現れ、≪На теплоходе музыка играет≫がヒット、「若きプリマドンナ」とまで称された実力派歌手。ところが元祖プリマドンナ・プガチョワには気に入らず、ライバル除去の目的であらゆる謀略やゴシップ流布を実行。ザルビナはソ連歌謡界を去った。

 レヒコストゥポワは≪Ягода-малина≫スーパーヒットしたことで有名。でもプガチョワは、ヒットの歌姫の座を奪われたくなかった。このため彼女にも手をかけ、除去した。

 ラスプーチナはスター病で我侭放題、プガチョワの誕生日会に同席を拒んだせいで、プガチョワを憤慨させた。時を経た今は既に和解し、再び芸能界に現れることができるようになった。

 リカ・スターは90年代に人気を博したアイドル。代表曲≪Одинокая луна≫はMVと共に話題を呼んだ。バービー人形風メイクとコケティッシュな振る舞いからセックスシンボルともてはやされた。初めはプガチョワのイベントにも招かれ関係は良好だったようだが、プガチョワの娘・オルバカイテの事実婚夫と不倫したいたことが発覚。それにリカ自身、プガチョワの人形になりたくないとしてプガチョワの怒りを買い、芸能界を干された。

 しかしリカはアグレッシブだ。2000年に復帰、芸能界の闇を罵詈雑言で暴露した≪Голая Правда≫、プガチョワを揶揄する問題作≪АБ≫(プガチョワのАлла Борисовнаから)を世に出した。しかし全国放送局でNG曲となった。2019年には、イラクリと共に彼女の代表作≪Одинокая луна≫をリメイクした曲≪Luna≫をリリース、当時のリスナーの心とHIPHOPリスナーのセンスに響き、エアチャート20位前後を保持している。

(敬称略/MOPA)

※本人たちの映像や個人サイトはユーラシア芸能ブログをごらんください。

演 劇

ロシア語劇団コンツェルト 第49回定期公演「世捨て男と六本指」

12月26日 於:早稲田大学学生会館

世捨て男と六本指  コンツェルトの今年の定期公演は、昨年の古典的作品と180度変わり、現代ロシア作家の最高峰のひとりヴィクトル・ペレーヴィンの中編小説「世捨て男と六本指」が取り上げられた。ペレーヴィンは、以前あるロシア人から「『ジェネレーションP』という作品が面白い」と聞かされていた。残念ながらこの作品は邦訳がないので別の本を読んだが、膨大な文化知識とIT知識が要求され読了を断念した覚えがある。

 「世捨て男と六本指」は、“ソツィウム”と呼ばれるコミュニティから村八分にされた“六本指”が、世界を旅してきた“世捨て男”と出会う。彼は「世界の壁」について豊富な知識を持ち、“六本指”は彼を師のように慕う。そして彼らは禅問答のような対話をしながら、「世界の壁」を越える脱出の旅に出る。

 大きな月が浮かぶ砂漠の一角のような舞台装置が印象的。そして登場人物たちの黒に統一されたコスチュームが周囲の闇に溶け込んで、無重力の月の上を行くような錯覚を起こさせるアクション。哲学的な会話はさておき、ニワトリである“六本指”(もっとも彼は単なる指ではなく、いろいろな生命体が世界の壁を乗り越える瞬間は観客を魅了した。

(文・滝沢 三佐子/写真・劇団提供)

映画情報

未体験ゾーンの映画たち2020

於:ヒューマントラスト渋谷

★「脱走特急」

Коридор бессмертия フェドール・ポポフ監督作品、2019年、ロシア) 上映日:2月14日~20日
レニングラード攻防戦に隠された奇跡の実話。

★「ストレイ 悲しみの化身」

(Tvar オルガ・ゴルデツカヤ監督作品、2019年、ロシア)
上映日:2月7日~13日
心の隙間に恐怖を植え付けていくエモーショナルホラー。


「ダンサー そして私たちは踊った」

(レヴァン・アキン監督作品、2019年、スウェーデン、ジョージア、フランス)
ジョージアで活躍するコンテンポラリー・ダンサー、レヴァン・ゲルバヒアニのスクリーンデビュー作品。
2月21日より、シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町で公開。


「小さい逃亡者」

(衣笠貞之助、エドアルド・ポチャロフ監督作品、1966年、日ソ合作)
3月8日~14日
「映画の中の子ども」シリーズ
於:ラピュタ阿佐ヶ谷

ユーラシア通信

冬のサーカスもいいものです。ボリショイサーカス 東京ドームシティ公演

ボリショイサーカス  ボリショイサーカスと言えば、真夏のものというイメージが強かったのですが、今回は冬のサーカスとなりました。年末の12月21日から年を越した1月13日まで、水道橋の東京ドームシティホールで開催されました。プログラムは、19年夏とだいたい同じでしたが、それぞれのグレードが上がっていました。

 熊のサーカスも、1頭だけでなく、3頭の熊が、スケートに乗ったり、縄跳びをしたり、人間顔負けです。

 猫のサーカスも1匹の猫が複数の芸をするので、ちょっと見、犬のサーカスと間違う出来ばえです。

 犬のサーカスでは、大きな真っ白いプードルと小さい小型の可愛いプードルが列を組んだり、背中に乗ったりかわいらしさを振りまきます。

 今回の新作は、真ん中に3階建てのパイプやぐらを組み、その左右にそれぞれ3つづつ、計6個のトランポリンを配置し、6人の演者が、間髪入れず左右に、1人で、2人で、3人、4人で、回転を付けながら2階から3階へ、3階から2階へ入れ替わります。体操王国のロシアならではのプログラムでした。

 最後は、アルタイ自治共和国が誇るジキドです。白馬に乗った女王がリングを疾走し、男は走る馬の上で「あん馬競技」をします。

 近くの人に、何が良かったか聞いたら「いろいろなドレスに瞬時に着替える早変わりが良かった」と言っていました。

 各プログラムが休みなく展開するので、観る方も、結構疲れて、フィナーレが終ると安息のため息がでました。

 今回のサーカスには、ロシア文化フェスティバル事務局のご厚意により、神奈川県協会から2名が参加しました。

(木佐森)

3月8日 国際婦人デー

国際婦人デー  皆さん、こんにちは。ここでは、最近ロシア語の勉強を始めたばかりの方や、これからロシア語を習ってみようかな?と思っている方に、少しでも、ロシア文化に興味を持っていただけたら…と少々ご案内いたします。

 国際婦人デーは、ロシア人が大好きな春の祝日、ロシアでは休日です。男性は老いも若きも、この日のために準備。父と息子は、母や姉妹の為に。男子学生はお金を貯めて。職場では、祝日の前日までにプレゼントを手渡ししておきます。学校では、女の先生から少女まで、お花が贈られます。花束であったり、一輪の花であったり、しかし、ロシアで3月8日に花を贈られない女性はいません。花は、チューリップや水仙などの春の花。また、ミモザは国際婦人デーの花として、よく贈られますが、ミモザ以外の黄色い花は贈っていけないと、されています。黄色は裏切り、心変わりのシンボル。(キリストを裏切ったユダの衣服が黄色で描かれる事が多いから、と聞きました。)

 それから、ロシアでプレゼントに最上の花はバラで、最もよく贈られ花はカーネーション。また、本数は、奇数で送るのがマナーです。偶数本の花は、お葬式やお墓に持って行くときの花です。

 ロシアでは、3月8日に、女性同士でも、お祝いの言葉をかけ合うことも多いそうです。そして、幸せ、美、健康を祈る言葉も。マルガリータ冨田先生の著書によりますと「この祝日をロシア人が好むのは、これを境に、長く厳しい冬が終わり、ロシアに春がやってくるからです」と。私は、日本でも国際婦人デーが、お祝いされることを願っています。

 ところで、最後に、日本では、バレンタインデーにチョコレート…ですが、それは、日本でチョコレート店を営むロシア人が出した広告がきっかけだったのは、ご存知でしたか?

(徳永 なつみ)

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 毎月末締切、翌月15日頃に発行される見込みです。

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 機関紙編集部
〒231-0062 横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館1階
Fax 045‐201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp
(機関紙編集部)

歴史・社会