3月31日午後1時より、横浜平和と労働会館4階でNPO神奈川県日本ユーラシア協会2019年度定期総会が開催されました。井村真也理事が議長に選出され、資格審査委員より、会員229名のうち、12名の出席、115名の委任状を確認し、総会の成立が確認されました。
木佐森雅道会長のあいさつの後、2018年度の活動報告と19年度の活動案を分野別に担当者が報告し、承認されました。新旧年度の予算決算・監査報告ならびに役員選出案についても承認され、満場の拍手をもって閉会しました。
総会終了後、第一部マトリョミンアンサンブルMMM+のコンサート、第二部ロシア歌謡をみんなで歌おうと銘打ったアトラクションを行い、盛会のうちに終了しました。
(滝沢)
総会記念コンサート マトリョミンアンサンブル&ロシア歌謡を歌う会
毎年総会記念コンサートで演奏しているマトリョミンアンサンブルMMM+の今年の演奏は、檜垣先生を始めとする4人の合奏となりました。
最初は、檜垣先生の独奏で「ユー・レイズ・ミー・アップ」。それから合奏と続きます。「小さなぐみの木」「ロシア民謡メドレー(カチューシャ、一週間)「モスクワ郊外の夕べ」「ジュピター」、最後は「花」で盛り上げます。
ロシア歌謡の曲でロシアに浸り、その中に壮大な曲想のジュピターが入ってくるプログラムでした。
(木佐森)
第二部は電子ピアノの伴奏による“ロシア歌謡を歌う会”です。
伴奏者である佐野さんのご尽力により、会員の皆さんによく知られ、歌われてきた10曲を選び編集し、第一集が完成しました。約1時間という限られた時間内で会員の皆さんが歌いきることを目標に、歌集を作成しました。
なお、この中には私が是非入れて欲しいとわがままを言った曲や、K会長がやはりこの曲は入れなくては!と力説した曲もあったことを告白します。
会場を見回すと、何と!総会の参加者をはるかに上回る会員の皆さんが集まってくださいました。もちろんマトリョミンの演奏者4人にも残っていただけました。
日本語の歌詞に続きロシア語の歌詞を歌いましたが、皆さん青春を思い出したように本当に楽しそうに歌っていただけたことを報告いたします。
10曲目が歌い終わると時計は4時少し前、アンコールの一曲を歌い終えたところでちょうど時間となりました。
来年も曲を変えて開催しますので、会員の皆様の今年以上の参加をお待ちしております。
(金子)
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4月15日(月)より順次開講いたします。「入門」(火曜夜=大山麻稀子先生、土曜午前=野口福美先生)「会話II」(土曜昼=タラルイキナ・オリガ先生)を新規開講予定です。奮ってお申し込みください。
初級~上級、会話、日本案内、個人レッスンも生徒募集中。
料金や時間割などの詳細は教室ホームページをごらんください。見学は3クラス・各30分まで無料です。受講お申し込み・お問い合わせは教室事務局まで。
お申し込み・お問い合わせ:
TEL/FAX 045-201-3714
メール yokohama-rosiago@hotmail.co.jp
教室ホームページ
5月のロシア語能力検定3級試験に向けて、文法、和文露訳、露文和訳、朗読・聴取の演習を行います。平成最後にして令和最初のゴールデンウィークをロシア語漬けで過ごしてみませんか?
講座についての詳しい内容はリンク先のページをごらんください。
3月23日(土)、第130期ロシア語公開講座が行われました。
初学者対象の「入門」は130期土曜クラス講師の野口福美先生と、火曜クラス講師の大山麻稀子先生が担当し、ロシア語初歩の案内やキャッチボールでの簡単なやりとりなどを行いました。
中級修了者対象の「会話」は土曜クラス担当のタラルイキナ・オリガ先生が、教科書"Послушайте" の一部やビデオ教材を使って、130期からの新しいクラスの授業をデモンストレーション。
初級~中級者対象の「詩の鑑賞」はフョードロヴァ・スヴェトラーナ先生が、不条理の詩人ダニイル・ハルムスの詩の絵本からいくつかの作品を選んで紹介しました。
参加者は入門9名、会話4名、詩の鑑賞6名。入門を担当した講師2名も後の2講座を見学されていました。天気のせいか欠席者も出ましたが、受講後に早速新学期の受講申し込みをされた方も。
クラスは空席がありレベルが合えばどなたでも受講できますので、まだ申し込まれていない方もぜひご検討いただければと思います。
火曜入門クラスはほぼ満席ですが、土曜入門、会話はまだ余裕があります。
ウクライナへ渡航する方、言語や文化に関心のある方にお勧めです。
今期から当教室に復帰された担当のピスクノーワ・オクサーナ先生はNHKのロシア語講座でもおなじみですが、ウクライナ語も教えられます!これまでにロシア語を学んだことのある方も、お互いの言語の似ているところや違うところを発見しながら、楽しく習うことができるでしょう。
月・水・木・金曜日10:30~17:00の間、1コマ90分で個人・ペアレッスンのご相談に応じます。初心者から上級者まで、どなたでも歓迎します。
詳細は教室ホームページをごらんください。受講お申し込み・お問い合わせは教室事務局まで。
お申し込み・お問い合わせ:
TEL/FAX 045-201-3714
メール yokohama-rosiago@hotmail.co.jp
教室ホームページ
レッスン内容は奏法の基本から音楽理論や高度な内容まで。毎月土曜日に開講しています。初心者の方も、以前習っていて中断された方も歓迎します。
今期の予定:4月13日、4月27日、5月4日、5月18日、6月1日、6月15日、7月6日、7月20日、8月3日、8月24日、9月7日、9月21日
(変更の場合がありますので、見学・受講ご希望の方は事前にお問い合わせください。)
生徒募集クラス:
16:00~16:45ドムラ中級
17:00~17:45バラライカ初級
講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円
お申し込み・お問い合わせ:
eurask2@hotmail.co.jp
Tel/Fax 045-201-3714
日程:毎月1回、土曜日開講
2019年度前期日程:4月20日、5月18日、6月15日、7月20日、8月17日、9月21日
◆グループレッスン:Aクラス(現在休止中、受講生3名で開講可能)
◆アンサンブルクラス(90分)13:00~14:30
講師:檜垣 紀子
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センターホール
(5月のみ3階会議室)
お申し込み・お問い合わせ:
eurask2@hotmail.co.jp
Tel/Fax 045-201-3714
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芸 能
各所で雪解けが進むロシアから、2019年3月第4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中5曲が新曲、春らしく賑やかになってきました。
10位にラッパー、ビッグベイビーテープの≪Gimme The Loot≫ (盗品をよこせ)。7位にベラルーシ出身の新人チーマ・ベラルースキフの≪Витаминка≫ (ビタミン)がランクイン。大ヒット≪Малиновый свет≫ に続くスヴィクの新曲≪Стерва≫ (スキャンダラスな女)が5位に。2位は人気絶頂のアルティク&アスティが、カチェールをフィーチャーした新曲≪Грустный дэнс≫ (哀しみのダンス)になりました。
そして今月は、8位にもランクインしているピロシコフの新曲≪Зацепила≫ (君に僕は首っ丈)が初登場&首位奪取。大人気コメディアン・レッヴァがピロシコフに扮して音楽活動しています。今回はシンデレラをオマージュしたもの。ピロシコフ王子と舞踏会を楽しみ、12時を過ぎてしまい急いだシンデレラはどうなってしまったか?!PVをご覧ください。
(Tophit.ru, Russia Airplay Chart、2018年3月18~24日/MOPA)
【画像引用元】
Big Baby Tape →https://the-flow.ru/
Тима Белорусских →https://nashizvyozdy.ru/
Леша Свик →https://vk.com
Artik & Asti→https://promoter.by/
Artem Kacher →https://24smi.org/
Артур Пирожков →http://www.peoples.ru/
ロシアHIPHOPの先駆け デツル 35歳で急逝
2月初めに、思いがけない訃報がロシア中を駆け巡った。デツル(ДеЦл )がイジェフスク市のカフェでのライブ直後倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまったのだ。死因は急性心筋梗塞、僅か35歳、まだまだ働き盛りの若さでである。
2月3日、イジェフスク市にあるカフェ「ポシュ」で、パーティーライブに参加した直後のことだった。楽屋で急に具合が悪くなり、手首に痛みと痙攣を起こした。救急車が駆けつけ、アドレナリン注入を含む30分の蘇生措置が続けられたが、甲斐なく他界した。その翌日に行われた病理解剖で、心臓、脳他内臓器官に異変がないこと、違法薬物による異変がないこと確認され、2月6日に葬儀が行われた。
彼は亡くなる数年前からメディアのインタビューで、自身の今後について次のような意味深な発言を繰り返していた。
「多分、35歳で死を装って、何処かの島へジョイント(葉巻大麻)を吸いに旅立ち、バビロンで何かが起きていることになんか詮索しないんだ。」(2007年、イジェフスク市Fanlife誌インタビューで)
「世界は多岐に亘っている。全人生生きただけじゃ足りないくらい、面白いことがいっぱい起きている。だから僕は、450年は生きる。いつか僕は35歳で死を装って、島へ移住するんだ。もう数年しか残ってないけど、このことを考えなきゃならない。」(2015年、ボロネジ市ガレレア・チジョワ誌インタビューで)
デツルについて知らない読者のために、おさらいしよう。本名はトルマツキー・キリル(Толмацкий Кирилл )。1983年モスクワ市生まれ。90年代末に彼が通っていたブレイクダンススクールで、彼のファーストトラック「金曜日(Пятница )」が収録された。そして、彼の最高代表作「手紙(Письмо )」で2001年レコード大賞を獲った。同曲はある少女の訴えを悲哀と狂気を感じさせる独特な旋律に載せ、作品にしたもの。PV中自分の頭を丸刈りにしていくマルーシャとのデュエットだが、そのマルーシャはその翌年2002年春に頭部の癌で亡くなった。
実はデツルは子供の頃、同じHIPHOP界を目指すチムール・ユヌソフと仲がよく、自身のBackMCもチムールが勤めた。これが後のチマチーである。チマチーはHIPHOPアーティストをプロデュースするBlackStar社を立ち上げ、政界にも交友ある、今や露HIPHOP界の帝王だ。一方でデツルは、思慮深くデリケートで、哲学的で、権力には背く性質。昨年の年金改悪では、政府の政策とメディアの客観性の無さを批判していたくらいだ。二人はやがて不仲になり、デツルはチマチーのそんなやり方を批判していた。
彼の死後母は、彼の死因は「過労」だと公表した。デツルは自分のやり方に、皆の偶像としての自分に、全てに疲れていたのではないか。合掌。
(MOPA)
【画像引用元】
(上) http://www.songslyrics.ru/
(中)https://hodor.lol/
(下)https://novosti-moskva.ru/
演 劇
劇団キンダースペース トライアルシアターVol.4「平和の礎」より
「生き地獄から戻った私!」「運命の奇跡」―引揚げと抑留の物語―
3月17日 於:西川口・劇団キンダースペースアトリエ
2013年から続いている一人芝居シリーズ。演目は、東京の平和祈念展示資料館に所蔵されている「平和の礎」から、一般の戦争体験者の手記を拾い上げて一人芝居に脚色したもの。モノローグが主体ながら、時として相手役が存在しているような、立体的な作品となっていた。
今回は、満蒙開拓移民団の花嫁募集で満州(現・中国東北部)に渡った女性が、ソ連軍侵攻によって始まる命がけの逃避行を描いた「生き地獄から戻った私!」(苗村富子作)と、過酷な状況下にあっても、人間としての誇りや信念を捨てず、強く正しく生き抜いた元兵士のシベリア抑留生活の記録「運命の奇跡」(若月太郎兵衛作)の2本立て。
前者は二人の子どもを連れての壮絶な逃避行が語られる。地元の中国人に子どもを譲ってくれと持ちかけられるシーンがあるが、富子はそれを拒む。だが、子どもたちは病と飢餓で死んでしまう。子どもを危険にさらして日本をめざすのか、少しでも助かるあてがあれば中国人に子どもを託すのか、当時の母親たちは極限の選択を迫られていたはずだが、その苦悩があっさり描かれたことが少し物足りない。小道具は椅子とリュックだけ。特にモンペなど着用してもいないのに、当時の服装をしているような錯覚に陥る。
2本目はシベリア抑留中、仲間うち言われなき告発で過酷な現場へやらされた元兵士が、誠実な仕事ぶりと仲間からの信望を得てシベリア生活を耐え抜く。まっすぐな性格でエネルギッシュな元日本兵は、一縷の希望と絶望にもまれながらシベリアの地を転々とする。こちらも別の意味で極限状態だが、どことなく人間らしさを保つユーモアも感じられる。
いずれの作品も、戦争の悲惨さを伝えるものだが、なぜこのような事態が生まれたのか、日本が戦争の火種をまいたことを念頭に演じてほしいと思う。
(文:滝沢 三佐子/写真:劇団提供)
映 画
「ソローキンの見た桜」舞台挨拶
3月23日 於:角川シネマ有楽町
松山で1週前に先行上映が行われたあと、いよいよ全国公開となった『ソローキンの見た桜』。封切された東京で、監督・出演者が揃って舞台挨拶が行われた。
この日に登壇したのは、ゆいと桜子という2人のヒロインを演じた阿部純子、ソローキン役のロデオン・ガリュチェンコ、ボイスマン大佐役のアレクサンドル・ドモガロフ、倉田役の斎藤工、捕虜収容所所長を演じたイッセー尾形、井上雅貴監督、今回女優としても登場している井上イリーナ・プロデューサー。
檀上で、阿部は「役者は芸術家として扱われ、意見を求められることが新鮮で緊張した」と述べ、ガリュチェンコも「日露戦争のことは知っていたが、松山での収容所についてはオファーが来て知った。当時のロシア人捕虜の扱いに感謝したい」とあいさつ。
上官のイッセー尾形とドモガロフは、演技メソッドについて日ロの違いを意識しながらお互いに敬意を表した。斎藤は、「日ロカップルである井上夫妻でしか作れない映画だ」と語り会場を沸かせた。
ロシアでも撮影時から映画に対して関心が高まっており、ロシア国内での公開に期待が寄せられた。
(文・写真:滝沢 三佐子)
★映画情報★
とき:3月30日(土)~4月19日(金)
ところ:渋谷・シネマヴェーラ
料金:1本立て入れ替え制 一般1,200円、シニア1,000円、会員800円、大学・高校生600円
とき:4/27(土)~5/17(金)
ところ:ユジク阿佐ヶ谷
料金:一般1,500円、学生1,300円、シニア1,100円、会員1,000円、中学生以下800円、未就学児500円
音 楽
ロシア声楽研究部発表会
ロシア声楽の発表会があるとの情報を聞きつけ、3月9日、桐朋学園大学調布校舎に行ってきました。
出演した友人に話を聞くと、同校大学院にて半年間ロシア声楽の講座が行われた後、「半年で終わるのはもったいない。より深くロシア声楽を学びたい」との意を同じくするメンバーが集まり、研究部が発足したとのこと。
歌手10名、伴奏者2名による発表会は、ロシア語の響き、ロシア人作曲家が作り出したメロディーが混ざり合い、とても感動的でした。
中でも、オペラ「エフゲニー・オネーギン」のレンスキーのアリアが私の印象に残りました。恋人をめぐる決闘を前に、恋人への愛を語る歌。その思いが歌手の表情と歌声から強く伝わりました。
研究会は次回、7月13日に立川で行われるロシア関係のイベントに出演するとのこと。
未来の音楽家がロシア文化に魅せられていることを知り、嬉しくなったひとときでした。
(川北)
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地震災害やプーチン政権崩壊時の混乱時の全面支援に期待
中村筑波大教授「北方領土2島返還はなるか」講演会
筑波大教授の中村逸郎氏の「北方領土2島返還はなるか」の講演会が新橋の国際善隣協会で、3月28日(木)に開催されました。
中村教授は、昨年18年に「北方領土」を目の前にした根室や「ビザなし交流」で国後、択捉を訪ねた時の写真の説明や、それぞれの地域に住む人たちとの話を披露しました。
根室では、漁船をチャーターして、貝殻島との中間線の日ロの境界線ギリギリまで行き、そこが昆布、カニの豊かな海であるものの、狭い領域に押し込められている現状を報告。
国後島では、ロシア正教の教会が2010年以降多くなっていること。キルギスなどからの外国人労働者が多く働いていること。スーパーの食料品は、ウラジオから2週間ごとに船で運ばれてくること。また、ロシア本土経由やウラジオからのツアーで年に10人以上の日本人が「ビザあり」で来ていると報告。
択捉島では、ギドロフストロイ社がすべてを握っており、道路等のインフラも国から予算をもらって建設しているなど、同社が島を支配している様子や、同社は、現在、ナマコ(中国・韓国向け)の養殖事業とツアー船受入れなどの観光事業に力を入れていると説明しました。
結論の「北方領土2島返還はなるか」については、現状では困難であるが、2006年11月の北海道東方沖地震(M6.0)では、日本が真っ先に援助を行い、今でも住民に感謝されているので、今度地震等の災害が起きた時には、日本が国をあげて支援の人材を送り、そこに留まり、ロシア人と共存して行く道があること。さもなくば、プーチン政権の崩壊(10年以内にあると断言)による、ソ連解体時と同じような経済の混乱時に経済支援として北方領土を含む千島全島に支援を行い、その地に留まることによって、千島全島の返還も可能になると期待を込めて断言しました。
合わせて、中村教授は、6月の大阪G20での、安倍、プーチンによる日ロ平和条約の締結は望み薄ではあるが、北朝鮮の非核化について、「イラン合意」と同様の合意を、ロシア、中国、北朝鮮で行い、G20で、各国の同意を求めていくだろうと予想しました。
(木佐森)
書評「HHhHプラハ、1942年」
ローラン・ビネ 作
高橋 啓 訳
東京創元社 刊
本体価格2,600円+税
ラインハルト・ハイドリヒ。第二次世界大戦中チェコを飴と鞭で統治し、「ヒムラーの頭脳、すなわちハイドリヒ」と憎まれた男である。
彼には、ひとつ道楽があった。メルセデス・ベンツをオープン・カーのまま走らせること。それがやがて彼の命とりとなった。繰り返される逮捕と処刑にチェコ人民は、危機を感じていた。この状況に英国のW・チャーチルや在英チェコ政府は、密かにハイドリヒの暗殺を決定した。これが世に言うエンスラポイド作戦である。彼らは、英軍機からパイロットとしてチェコに降り、オープン・カーをあげたままのハイドリヒに、銃弾を浴びせた。ハイドリヒは、うたれた後、感染症で命を落とす。しかし、代償は大きかった。それまでチェコは工業地区として大事にされたがハイドリヒ事件のあった翌日から、戒厳令がひかれ、暗殺に協力的であったリディツ村の男性は全員銃殺された。女・子供も収容所へ送られ、教会ではかくまった司祭が殺された。別の村も虐殺され、今は誰も住んでいない。本書は当時のチェコを細密に描いている。20世紀、ナチスの狂気はこうして生まれ、やがて滅びの道を歩くのだった。
(中出)
ちょっと気になる!
世界フィギュアスケート選手権で見つけたロシア語の広告
3月20日~24日にさいたま市で行われた世界フィギュアスケート選手権では、女子シングル優勝のアリーナ・ザギトワ選手をはじめとするロシア選手が複数のメダルを獲得するなど活躍しました。
観戦中、華麗な演技の背景にキリル文字で≪Кагоцел≫ と書かれた広告が見え隠れすることに気付いた方も多いのではないでしょうか。
最近は海外の大会でもリンクに日本の広告が沢山掲示されていますが、日本の大会でロシアの広告が出るのは大変珍しいことだと思います。
ロシア語を学んでいる当協会の会員やスタッフの間でも「日本の試合でロシアの広告なんて初めて見た」「あれは何の会社か、何の広告か、気になる!」と話題になっていました。
そこで≪Кагоцел≫ とは何ぞやと調べてみました。世界選手権に広告を出すほどですから、インターネットで検索するとすぐに公式サイトがヒットします。
https://www.kagocel.ru/
≪Кагоцел≫ はロシアの抗ウイルス薬の商品名でした。インフルエンザや風邪などの呼吸器感染症の治療薬で、近年ロシアなどで多くの賞を受けているそうです。ロシアのカルーガ州オブニンスク市にある≪НИАРМЕДИК ФАРМА≫ (NEARMEDIC PHARMA)という会社から発売されています。
ちなみにロゴマークは真ん中のoが赤で強調されていますが、アクセントの位置はеです。そしてCM動画では「カガツェール」と、語頭の「カ」を高く発音していました。
以上、ご参考まで。
【参考】世界選手権・男子シングルのショートプログラムで会心の演技を終えたジェイソン・ブラウン選手(アメリカ)。≪Кагоцел≫ のо の位置にちょうど頭が入っている。
(吉原)
紙面でのご報告が遅くなりましたが、2019年2月、神奈川県日本ユーラシア協会のホームページ がリニューアルされました。
近頃はパソコンからだけでなく、スマートフォンやタブレットからもウェブサイトを閲覧することが多くなったためそれに対応し、また当協会の状況も時代に応じて変わりつつあることから、掲載する項目を現在稼働中の事業内容に絞り、欲しい情報を視覚的に探しやすいようにレイアウトしました。
まだまだ改善すべき点も多いかと存じますが、スタッフの無理のない範囲で更新していければと思います。
ご意見やご感想などがあれば、ぜひお寄せください。
尚、当協会ではホームページだけでなく、FacebookやTwitterでも折に触れて活動を紹介しています。こちらも検索または協会サイトのトップページから閲覧できます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
桜木町近辺で買えるウクライナのお菓子
只今大統領選挙が行われているウクライナ。4月21日に決戦投票が行われ、コメディアンのゼレンスキー氏と現職のポロシェンコ氏の争いとなる。
そのポロシェンコ氏がオーナーを務めるチョコレート会社「ロシェン」の製品は、数年前は日本でも扱われていたが、この辺りではいつの間にか見かけなくなってしまった。
しかし昨年頃から日本各地で別のウクライナ菓子目撃情報が出始めており、しかも手頃な価格で大規模に展開している模様。そこで協会事務所のある桜木町近辺での販売状況(2019年3月時点)と商品についてまとめてみた。
■ Fit Care Expressシァル桜木町店(横浜市中区桜木町1-1)
ドラッグストア。チョコは菓子売り場の駅側から1列目入口そばと2列目中ほどの棚2箇所に陳列。クラッカーは2列目中ほどの棚の上の方にある。(※追記 2019年4月中旬、チョコは入口そばの陳列がなくなり、棚2列目中ほどに移動)どちらもモール付きポップでおすすめ品に。Fit Care Express, Fit Care Depot等、系列の他店舗でも販売している様子。
● チョコレート菓子「ロイヤルチャーム」チョコ味、クリーム味
本紙2月号で紹介。サクサクした山型ウエハースの中にクリームを詰めチョコレートをかけたお菓子。上品な甘さ。個包装かつ密封されているのでしけにくいのも良い。外袋は日本向けだが中身の個包装はロシア語とウクライナ語表記のみなので、異国情緒も醸し出せる。
価格:126g(約14個)各213円(税込)
製造:АВК (アーヴェーカー)本社キエフ市、製造工場ドニプロ市
輸入:株式会社 宮田(千葉県松戸市)
● グローナクラッカー クラシック&オニオン
クラシック(水色の袋)はプレーンな薄い塩味。オニオン(緑色の袋)は玉ねぎ入りだがあっさり。1枚がやや大きめで軽い油分も感じられ食べ応えあり。袋の側面にはウクライナ語の表示もある。
価格:336g(48枚)各213円(税込)
製造:Грона (グローナ)キエフ州スクヴィーラ市
輸入:株式会社 ハッピーポケット(千葉県松戸市、所在地は株式会社宮田と同じなので関連会社か)
■ ローソンストア100 桜木町駅前店(横浜市中区花咲町2-57)
スーパー・コンビニ・100円ショップを併せた店。一番奥の菓子売り場の棚にチョコレート類をまとめて陳列。他店舗でも販売されていたという情報あり。
●Malbi Air Chocolate
泡状の激甘エアインチョコ。脳天を直撃する甘さを求めている方にはお勧め。
価格:1本30g 108円(税込)
製造:МАЛБИ ФУДС (マルビ・フーズ)ドニプロ市
※本国では同社経営のMILLENIUM Chocolate FactoryのMILLENIUMブランドで販売か
輸入:株式会社 ハッピーポケット
●Malbi TRUFFLE, TIRAMISU
細長い棒状で、約2cm間隔の折り目入り。それぞれナッツ入りチョコ、ティラミス風味のフィリングが入っている。しっかりした甘さだが食べやすい。
価格:1本38g 各108円(税込)
製造:МАЛБИ ФУДС (マルビ・フーズ)
※本国では同社経営のMILLENIUM Chocolate FactoryのЛюбимов (リュビーモフ)ブランドで販売か
輸入:株式会社 ハッピーポケット
● チョコレート菓子「バリトン」チョコクリーム、ナッツクリーム
ライスクランチ入りのチョコレートでクリーム入りのウエハースを包んだ球状のお菓子。甘めでボリューム感があり、1個でも満腹に。どの味がおいしいかは好みによる。個包装は包み紙をねじったもののためか、たまにウエハースが湿気っていることがある。
価格:5個入り 各108円(税込)
製造:АВК (アーヴェーカー)
輸入:株式会社 宮田
■ ダイソー マークイズみなとみらい店(横浜市西区みなとみらい3-5-1)
100円ショップのダイソーでも「バリトン」をおすすめ品として扱っている店舗がある。菓子売り場ではなく、レジの傍の柱や壁にかけてある場合も。マークイズみなとみらい店でもレジ近辺の柱の脇に陳列されていたが、棚の低い位置にあり、混んでいるとその前に会計を待つ人が並んでしまうため要注意。
● チョコレート菓子「バリトン」チョコクリーム、ナッツクリーム、クリーム
価格:5個入り 各108円(税込)
製造:АВК (アーヴェーカー)
輸入:株式会社 宮田
その他、菓子販売チェーン店「おかしのまちおか」でも「バリトン」10個入り3種各213円(税込)、Malbiエアチョコ、トリュフ、ティラミス各74円(税込)を扱っている場合があるが、店舗や時期により状況が異なる。
ウクライナの行方に思いを馳せると、一般的なチェーン店で驚くほど普通に売られるようになった当地のお菓子もより深く味わえるかもしれない。
(吉原)
投稿歓迎!
「日本とユーラシア」神奈川県版は会員みんなで作る機関紙です。ユーラシア(旧ソ連地域)関連の投稿をお待ちしています。
催し物の感想、旅行記、講評、写真、絵などさまざまなジャンルの投稿を歓迎します。
ただし、作品は自分のオリジナルか著作権者の許可を得たものに限ります。
デジタル画像はテキストファイルに貼りつけず、別ファイルでお送りください。
また、ペンネームや注意事項があればお書き添えください。
毎月末締切、翌月15日頃に発行される見込みです。
NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 機関紙編集部
〒231-0062 横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館1階
Fax 045‐201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp
(機関紙編集部)
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