スパイスとオレンジが香り高く、甘くサクサクしてとても美味しい、ロシアのクッキー・プリャーニク。
生姜や蜂蜜、胡桃、ジャムなどを加えて作るこの焼き菓子は、ロシアでは馴染み深いもの。表面に美しい模様がつけられ、誕生日や結婚式などのお祝いの席で出される他、スーパーなどでも販売されています。トゥーラ市で作られるプリャーニクは、ユーラシア文化ファンの間では有名です。
NPO法人「ムルマンスクの中の日本」創立10周年を記念して、共催イベント第3弾オンライン料理教室「伝統的型押しプリャーニク」を開催します。講師は2月の手芸教室で指導して戴きましたブラゴワ・オリガさんです。
日時:6月9日(日)16:00~18:00
場所:横浜平和と労働会館5階 神奈川県日本ユーラシア協会教室
参加費:一般2,000円 会員1,700円
定員:15名(先着順、要予約)
お申し込み締切:6月7日(金)
春夏は草木が青々と生い茂り、数週間は太陽が全く沈まない完全白夜が続く。秋には燃えるように紅く美しい七竈の木に実が成り、森にはブルーベリー、クランベリー、クラウドベリー、キノコなど秋の味覚が顔を出す。冬は10月から雪が降り始め、数週間は太陽が全く上がらず昼も薄暗い極夜が続き、時折オーロラが乱舞する―。
現地NPO法人「ムルマンスクの中の日本」創立10周年を記念して、「ムルマンスクを知る会」を開催します。
講師は、その団体の会長であり、当協会理事の福島留美さん。日本では想像し難い北極圏の町の様子などを、現地在住18年目を迎えた定住者の視点で語って頂きます。
日時:6月9日(日)13:00~(途中コーヒーブレイクと現地ムルマンスク市からの生中継もあり)
場所:横浜平和と労働会館4階会議室(※変更されました)
講師:福島留美さん(現地NPO法人「ムルマンスクの中の日本」会長)
参加費:一般700円 会員500円
定員:30名(先着順、要予約)
6月23日は沖縄慰霊の日です。1945年のこの日、日本軍の組織的抵抗が終了したのです。毎年、慰霊が行われます。
今年は日曜日。戦争と平和を考える緊急企画として、『激動の昭和史 沖縄決戦』(岡本喜八監督作品、1971年)を鑑賞します。現在のロシア・ウクライナ、イスラエル・ハマスの戦闘と同じように多くの一般市民が命を失った悲劇です。私たち日本ユーラシア協会はその戦争の悲劇を繰り返すまいとして、友好運動を行っています。是非、ご参加ください。
なお、当日は神奈川合唱団による、沖縄戦の悲劇を切々と歌い上げる「さとうきび畑」の歌唱も予定しています。
日時:6月23日(日)13:00~
会場:横浜平和と労働会館5階 当協会教室
参加費:500円(黒パン・紅茶付)
2024年8月11日~15日、ロシア極東の都市・ウラジオストクへの旅行を企画しています。直行便がないため上海経由でウラジオストクへ。現地では市内観光のほか、当協会元講師で現在ウラジオストク在住、ロシア語日本語交流会でもおなじみのルザエヴァ・マリーナさん宅訪問も予定しています。
詳細は実行委員会作成のチラシにて。今回は個人旅行の扱いになります。
神奈川県日本ユーラシア協会の2024年定期総会は4月7日(日)午後1時30分から、横浜平和と労働会館5階の当協会教室で開催されました。委任状及びリモート出席者を含めて、会員200名のところ、会場への出席者9名、リモート出席者5名、委任状出席者104名です。
総会は、塚本宗一郎さんの司会で、議長に中垣内隆彦さんを選出して始まりました。
各議案は、各項目別に、決算、24年度予算案も含めて、それぞれの担当者によって経過報告及び24年度方針が提案されました。
質疑では、リモート参加の浜田氏が「横浜ロシア語センターで使われているテキストがТРКИに準拠したものであるが、ロシア語学習者の中ではロシア語能力検定を目指す人もいると思うが、そうした人たちへの対応はどうしているか」という質問がありました。それに対して、大山先生から「ロシア語検定受験者には無料対策講座を設けて、責任をもって受験対策をしていること、それとともに、世界標準となっているТРКИへの対応もしていきたい」と回答がありました。
また、会計監査報告について、会計監査委員の金子氏と小新氏から「3月15日に当該教室において、23年度の会計監査を行い、会計処理が適切であった」ことが報告されました。そして、中垣内議長により、裁決が行われ、出席者全員の拍手で確認されました。
24年度役員の選出について、田中理事長より次の方の推薦があり、出席者全員の拍手で承認されました。
【2024年度役員】
会長:木佐森雅道、副会長:大山麻稀子(講師会議長兼務)、理事長:田中豊造、副理事長:関戸真哉、井村真也、中垣内隆彦、内藤祐太、滝沢三佐子、事務局長:吉原れい、事務局次長:森美和、理事:梅津千里、五十嵐ヴァレリヤ、五十嵐大貴、福島留美(ムルマンスク/再任)、塚本宗一郎(新任)、会計監査:金子隆一、小新幸康
総会出欠の返信に添えて、会員の皆様からコメントをいただきました。以下にご紹介いたします。
〇神奈川県協会のとても熱心な多くの活動がなされていることを理解しました。また、普通にロシアへの渡航ができる日を待っています。中央アジア諸国との友好関係が協会を通じて深まることを希望しております。
〇ロシア語教室を運営してくださり、有難い限りです。ロシア以外のロシア語圏の諸国への短期留学を斡旋されたりすると、若い方にとって有益ではないかと思います。バルト三国とかは、特に人気が高いのではないかと…。
〇協会活動について考えていることですが…、文化交流面での理念には賛同していますが「平和・人権・民主主義」というお題目はあまりにも現実とかけ離れていて、机上の空論、絵に描いた餅みたいになってはいないかという疑問を感じます。あと「ユーラシア」という名称ですが、あちらの人たちのどのくらいが、自分たちはユーラシアの国だと思っているのか、旧ソ連という括りが、もうあまり意味をなさなくなっている上に、旧ソ連諸国との交流というのが協会活動の名目なのに、あまりにもロシアに偏っているのではないか、など、いろいろ矛盾を感じてもいます。ロシア語の置かれた現実(近隣諸国でのロシア語離れ、ロシア国内の人口減少)、周りの国々や国際社会がロシアをどう見ているか、という事にも、ウクライナ戦争を抜きにしても、目を向けないといけないと思います。
〇平和への願いは、心に思うだけでなく、ことばや行動で表に出していかなくては。
〇交戦国の国民同志は、斗うべきではありません。仲間であり、友人だと思います。
〇ナワリヌイ氏の死、プーチンの再選と、すべてが最悪のシナリオへと突き進んでいくように感じている現在。「白旗をあげるべき」などと言うヒマがあったら、今すぐ行動しなくては間に合わないよ!
〇世界の各地でジェノサイド反対のデモが繰り広げられています。全ての戦争は悪です!武器供与でなく、話し合い外交で、一刻も早く停戦を促すべきです。
〇祖先が歯舞諸島に三代にわたり居住していました。日本がロシア・ウクライナ両国の停戦のためにパイプ役を担うことを期待しています。一日も早い停戦を!
テレビゲームの紹介
猫用「ちゅ~る」
「シンビルサイト」の紹介
ムルマンスクの参加者
「春のロシア語・日本語交流会」は4月21日(日)、いつもの日本時間18時に始まりました。今回は横浜のラスカス(お話)からです。最初は田中豊造さんの「京都の八つ橋」についてで、名前の由来は二つあることなどを紹介。続く田中恵子さんは、現在91才になるお母さんが小学校の遠足のときにお弁当に入れてくれた手紙のお話です。塚本さんは、面白いけど安いテレビゲームを紹介、秋葉原で、まだ、購入できるとのこと。滝沢さんは、熊本の名物、春雨を使った「太平燕」がおいしいと絶賛。猫好きの板垣さんは「ちゅ~る」を紹介しました。この「ちゅ~る」はロシアでも売っているそうで、ムルマンスクでは300ルーブルとのこと。続いて東京の柴田さんはモスクワに行くたびに「グジェリ」を買っていることを報告しました。
ウラジオのマリーナさんは、日本の「おすしやさん」(お菓子)を使って、遊んでいることを報告しました。同じウラジオのヤラスラーフさんはモスクワから木製のおもちゃの紹介です。
ウリヤノフスクのリューバさんは、ウリヤノフスクが一大産地のアンモナイトの化石、ボルガの琥珀と言われる「シンビルサイト」で作ったアクセサリーなどを紹介しました。オクサーナさんは、自分で撮影したウリヤノフスクなどの風景を絵葉書にして、友達に送っているそうで、日本にも送りたいとのことです。
ムルマンスクのエレーナさんは、プスコフ州ミハイロフスキー市のプーシキンのお土産について。ナースチャさんは、セイウチのマグネット。ヴァロージャさんは、襟の柄に意味(お守りのようなもの)がある男性用シャツ「カサバロートカ」を試着して紹介しました。
(木佐森)
2024年4月より入門、初級、中級、準上級、上級、演劇、会話等各クラスが順次開講。初めて学ぶ方のための「入門」クラスは、ここ数年では珍しくロシア語が2クラス成立し、火曜夜に5名、土曜昼に4名が入学と受講者数にも恵まれました。しかしウクライナ語入門は受講者が集まらず開講できませんでした。
定員に空きがあり、レベルが合えばどのクラスでも随時編入可能です。中断していた学習を再開したい方もぜひどうぞ。無料見学は合計3クラスまでOK。
各コースの詳細は横浜ロシア語センターのホームページをご参照ください。
Всех желающих изучать японский язык мы приглашаем на индивидуальные курсы японского языка при обществе ≪Япония-Евразия≫ префектуры Канагава.
Наши курсы ориентированы в первую очередь на русскоговорящих, проживающих в Японии, поэтому большинство наших преподавателей владеют русским языком на высоком уровне. Возможны аудиторные и онлайн-уроки. Мы внимательно выслушаем Ваши пожелания и подберём оптимальную учебную программу.
За справкой обращайтесь по электронному адресу eurask2@hotmail.co.jp или в офис общества ≪Япония-Евразия≫ префектуры Канагава (просьба заранее сообщить о своём визите по электронной почте).
ロシア語を母語とする方を対象に、日常会話や日本語能力検定試験対策など、受講生の目的やレベルに合わせて個人レッスンで丁寧にお教えします。
講師はロシア語を交えて、または日本語のみの直接法で授業を行います。
ロシア語版のホームページもあります。学習希望者にぜひご紹介ください。
毎月原則2回、第2・第4土曜日に開講中。基本奏法、譜読みから音楽理論、デュオから基本的なアンサンブルまで学べます。情緒あふれるロシアの民族楽器の正統派の奏法を学んでみませんか?
5月のレッスンは11日、25日の予定です。お問い合わせは神奈川県日本ユーラシア協会事務局まで。
時間:14:00~17:45の間、各45分
講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館6階会議室
スヴェトラーナ・ラティシェヴァ&野口福美著/アーバンプロ出版センター/2024年4月20日発売
教育・通訳現場で長い間ロシア語に携わってきた当センター講師の野口先生と上智大学准教授ラティシェヴァ先生の共著。
これからロシア語を学ぶ人、もっと上手に話したい人と願う人が、上級文法まで総合的に学べるよう、「文字と発音を本格的に学び、人称代名詞を二つ格変化させるだけで多様な場面で使える易しい会話表現を習得できるようにした」。旅行やその他のコミュニケーション場面で大いに役立つ易しいフレーズもたくさんとりあげている。
音声はQRコードから無料でダウンロード可能。神奈川県日本ユーラシア協会・横浜ロシア語センター事務所でも先行発売中。
竪山洋子&オリガ・タラリキナ著/語研/192ページ/2024年3月29日発売
当センター講師でもあり、通訳・翻訳者として活躍中の竪山先生と、外国人向けロシア語教授法を専攻したオリガ先生のお二方による共著。
ロシア語の学習を進めるのに必須の重要語彙を厳選。「見たことのある単語の意味が思い出せない」、「何度も繰り返して覚え直しているのにまた忘れてる」、「別の意味があったはずなのに出てこない」。意味を思い出すための「手がかり」を増やして、単語と文法・語法をつなぎ、語学力の基礎を固めるための一冊。音声は語研サイトより無料ダウンロード。
神奈川県日本ユーラシア協会・横浜ロシア語センター事務所でも販売中。
今年も5月9日に戦勝記念行事はするが、ウクライナ情勢と今年3月に起きたテロの影響で「不死身の連隊行進」と銘を打たれた市民の祝賀パレードはオンライン形式になる予定のロシアから、2024年4月第3-4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。もうすぐ夏なのに、10曲中2曲だけが新曲という大人しい動きです。
オムスク州出身のデュオ5утраのファーストシングル≪Давай сбежим ≪Искорки≫ ≫(逃げよう・火花)は7位をキープして好調ですが、更に今が旬のアーティスト・ドミトリエンコとコラボした新曲≪Не представляешь≫(君には想像出来ないだろう)が4位にランクイン。MVでは、ロシア人と東洋人との紆余曲折の愛が描かれています。
3位に、2001年生まれのモスクワ出身、ティックトッカーのダリヤナの新曲≪Juice≫ (ジュース)がランクイン。これまでTOP10入りしたことがないのでご存じないと思いますが、本名ダリア・ガロヴィチ。実はdaybeとデュエットし子供のような声に加工した卑猥曲≪Заставлял≫(強制した、という意味。2023年リリース)が大ヒット&大スキャンダルで有名人になりました。まだこのスキャンダルは収束の兆しがないのに、新曲もその気配ありです。コワーイ露政府に取り締まられないか、老婆心ながら心配しております。
アルティク&アスティの≪Качели≫(シーソー)が先月3位から首位に!昨年リリースしたMVに少々風刺が入った楽曲≪Кукла≫(人形)が人気を博し、「ゴールドレコード大賞」と「ソング・オブ・サ・イヤー」を受賞しました。2月上旬にリリースされ、現在のYouTube再生回数は714万回です。おめでとうございまーす!:-)
(Tophit.ru, Russia Airplay Chart 2024年4月18日~25日/MOPA)
画像は https://vk.com より
※全文、チャート、PV視聴はユーラシア芸能ブログでどうぞ。
ロシア文化フェスティバルのオープニングコンサートが4月22日(月)四ツ谷の紀尾井ホールで行われました。
コンサートの冒頭、ロシア側と日本側の開催挨拶があり、ロシア側代表として駐日ロシア大使のニコライ・ノズドレフ氏は「現在の乱気流を乗り越えよう」と呼びかけ、日本側代表の栗原小巻氏は「この長い夜が明けるとき、真実と愛を見つけたい」と挨拶しました。
コンサートは最初にソプラノの中村初恵さんのいくつかのプーシキンの詩に、ラフマニノフ、グリンカ、リムスキーコルサコフが曲を付けたアリアを5曲歌いました。
つづいて松田華音さんのピアノでラフマニノフの「リラの花」など4曲。
サンクトペテルブルグから来日したチャイコフスキーコンクール三位のクラリネット奏者レフ・ジュラフスキーさんによる「金鶏」(リムスキー・コルサコフ)。
同じくサンクト音楽会館から派遣されたアンドレイ・タラヌハさんによるスネアドラム(小太鼓)及び珍しい民族楽器のトンバク(ペルシャ)の演奏。
そして、同じくサンクトのエリザヴェータ・クリュチェリョーヴァさんのピアノで「くるみ割り人形よりアンダンテ・マエストーソ」です。
最後に、日本のバイオリン界の大御所前橋汀子さんはプロコフィエフのヴァイオリンソナタNo.2、チャイコフスキーの「感傷的なワルツ」、ヴィエニャフスキの「モスクワの思い出」を演奏しました。「さすが前橋だ」と感嘆する演奏でした。
この後、サンクトからの新星3人のコンサートは、横浜、市川、埼玉で演奏されます。
(木佐森)
3月22日 於:ザムザ阿佐ヶ谷
原作はストルガツキイ兄弟のSF小説(原題は≪Пикник на обочине≫)。タルコフスキー監督によって「ストーカー」として映画化されたが、実はストルガツキイ兄弟がシナリオ化したものは、タルコフスキーによってボツにされていたという。本公演は、このボツになった幻のシナリオ「願望機」(原題≪Машина желаний≫)を舞台化したもの、ということで翻案に近いようなオリジナリティあふれるものだった。
どことも知れない地球上のある場所。隕石落下後に「ゾーン」と呼ばれるエリアが誕生し、そこには地球には存在しえなかった物質や不可解な磁場で満たされ、立ち入ることが禁止されていた。しかし、侵入禁止の場所に「案内人」と呼ばれる人間は命を賭けて侵入し、不思議な物質を盗み出して売りさばいていた。人々はこうした密猟者たちを「ストーカー」と呼び、犯罪者として軽蔑したり畏怖したりした。
ある時、願いが何でもかなえてくれる「願望機」を盗み出そうと、作家・教授・案内人のグループと研究所の研究員・桐井と彼の助手たち赤目・天田のグループが時を同じくして忍び込む。実は赤目はかつて腕のいい「ストーカー」で、案内人のマリアは彼の娘だった。彼らはおのれの出自を隠し客人たちをゾーンに導く。ある者はゾーンに不用意に踏み込み命を落とし、ある者はストーカー行為から足を洗う。一度は足を洗った赤目が再び危険なゾーンへ入っていき、彼の妻と障害を持って生まれた娘マリアの物語が交錯していく。
元ストーカーの息子であるトンビは父の脚を治すための金欲しさにゾーンへ踏み込んだが、マリアの父が消息を絶ったと思われるゾーンで、消えていったストーカーたちからの無言のメッセージを受け取る。それは「全人類に幸福を、みんなほしいだけ幸福を」というメッセージだ。そして、長じて案内人となったマリアも、いなくなった父からの心のメッセージをゾーンで受け取る。「願望機」は見つからなかったが、かなえてくれたものは家族や友人としての絆だった。
時系列が少し複雑だが、登場人物はどれもキャラ立ちしていてわかりやすい。「ゾーン」という言葉に、放射線汚染区域のゾーンを連想させるような、ガイガーカウンターの効果音もかぶさり、恐怖心をかきたてる。ロシア・アバンギャルドの斜め線を意識したような強烈なライティングが面白かったが、登場人物が集まるバーがウエスタンな感じで少し違和感あった。
なお、劇団G.comはこれまでもストルガツキイ兄弟インスパイアシリーズとして、「神様はつらい」などの作品を舞台化している。あまり上演機会のない作品だけに、今後のシリーズも気になる。
(文:滝沢 三佐子/写真:劇団提供)
4月2日 下北沢・小劇場B1
現代社会でも古びることのない問題を提起するチェーホフの戯曲「三人姉妹」。今回上演された「三人姉妹」は、現代の「自分らしく生きようとする」わたしたちの感じている苦難と、100年以上前のロシアで「自分らしく生きようとする」三姉妹たちの感じている苦難の類似性を探る。
軍人であった父の仕事のため、片田舎に越してきて生活する三姉妹と兄。彼らはモスクワへ帰ることを夢見ているが、個々の事情により置かれた場所で生きていくしかなくなっていくのだが、全1幕休憩なしの約2時間でまとめた舞台なので、物語の進行と直接関係のない仔細なエピソードは省かれており、登場人物たちが理想とかけ離れた状況へ追い込まれていく過程が粗削りになり、逆に謝肉祭のシーンで歌を唄うところが長かったのは残念。
三人の姉妹たちはそれぞれ、モスクワが「自分らしく生きられる」場所を考えているが、結局モスクワからはどんどん遠ざけられていく。その中で、彼女たちは観客に提起していくのだ。オーリガは女性のキャリア形成について、マーシャは家庭における女性の在り方について、そしてイリーナは若い世代の新しい女性の生き方について。兄嫁ナターシャは「自分らしく生きている」唯一のモデルといえるが、この舞台ではそれほど強烈ではない。
今回の「三人姉妹」は、敵に決闘を申し込む“男性性”を含め、多分にジェンダーの在り方を意識させられるものだった。さて、彼女らのような100年先の展望がない我々は、果たして戯曲発表から100年の間に何か進歩したところがあるのかどうか、大いに疑問である。
(文:滝沢 三佐子/写真:劇団提供)
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻。さまざまなメディアによって伝えられることになったこの事件で、我々がよく目にしたAP通信(Associated Press)による映像や写真の数々。ニュースや新聞で見たことがある凄惨な場面の、撮影現場が垣間見れる貴重な映像である。あの光景の前後にはこんな出来事が起こっていたのか、と深く考えさせられる。
本作は第96回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門賞をはじめ、さまざまな賞に輝いているが、それは危険を顧みずに記録し続けたプロ根性、冷静に事実を記し続けた勇気が賛辞されたことによるだろう。
これまでもウクライナに関するドキュメンタリーは、侵攻の是非をめぐって賛否を呼んだ問題作「ウクライナ・オン・ファイアー」や監督が殺害された「マリウポリ 7日間の記録」、山形国際ドキュメンタリー映画祭で注目された「東部戦線」などあまた発表されているし、似たような映像をたくさん見過ぎてきて、日本人は食傷気味になっているかもしれない。しかし、本作「マリウポリの20日間」はそれらを凌駕する。圧倒的な迫力をもって悲惨な場面も目をそらすことを許してくれない。それほど信念を感じる映像だ。
なかでもロシアの指導部がこの映像を「フェイク」と切って捨てるシーン、混乱に乗じて略奪を行うマリウポリ市民など、人間の善悪が問われる事象もきちんと入れている場面は、一方的な立場からの記録報道とは一線を引くものといえる。
Kino cinema横浜みなとみらい、TOHOシネマズららぽーと横浜ほか、全国で公開。
(文:滝沢 三佐子/写真(C) 2023 The Associated Press and WGBH Educational Foundation)
(ユホ・クオスマネン監督作品、フィンランド・ロシア・エストニア・ドイツ、2021年)
ムルマンスクを舞台に、最北への旅に向かう列車の中で起こった奇跡のラブストーリーが再上映!
見逃した人も、もう一度観たい人もぜひ。
シネマ・ジャック&ベティ 5月18日(土)~5月24日(金)限定上映
日本の桜を見るために、ロシアからも多くの人が来日したようです。
ウラジオストクのマリーナさんと、マリーナさんの自宅前に住んでいるスベトラーナさんも、4月4日木曜日に、お花見をした後、当協会事務所を表敬訪問されました。
マリーナさんは、コーカサスのアゼルバイジャンからの旅行団を案内していて、4日は横浜の三渓園を案内した後、スベトラーナさんは、中古のフィルムカメラを求めて新宿のヨドバシカメラなどを一日中回った後とのことでした。
マリーナさんによると、4日の三渓園はお花見の人であふれており、アゼルバイジャン旅行団もあちこち写真を撮りまくり、なかなか前に進めなかったとのこと。
歓迎の協会側は、田中理事長と木佐森の二人での応対です。横浜平和と労働会館5階教室で歓談した後、桜木町の「野毛地下」の居酒屋に繰り出しました。マリーナさんはパスハ前の「肉断ち」のため、お店の自慢の水餃子が食べられず、野菜餃子とアジフライになりました。
そして、マリーナさんが「今日は戸塚の友達の家に泊まる」というので、終バスに間に合うように野毛地下を後にしました。
(木佐森)
創立60周年記念事業の一つである機関紙「日本とユーラシア」神奈川県連版のDVD-ROM化がようやく完了しました。
これは50周年時に制作したDVD-ROMの内容を引き継ぎ、2012年から2021年までの機関紙を追加したものです。このDVD-ROMのなかには創立以来の機関紙が収められています。
特に1999年以降は、本をめくるように見れるブック形式になっています。
また機関紙をもとに作成した2012年から2022年までの協会の動きやイベントなどの年表も収められています。
このDVD-ROMは5階教室の本棚に置きます。これを欲しい方には当面500円程度で販売する予定です。
(田中)
「日本とユーラシア」神奈川県版は会員みんなで作る機関紙です。ユーラシア(旧ソ連地域)関連の投稿をお待ちしています。
催し物の感想、旅行記、講評、写真、絵などさまざまなジャンルの投稿を歓迎します。
作品は自分のオリジナルか著作権者の許可を得たものに限ります。
デジタル画像はテキストファイルに貼りつけず、別ファイルでお送りください。
また、ペンネームや注意事項があればお書き添えください。毎月末締切、翌月15日頃に発行見込み。
※投稿記事は誹謗中傷や公序良俗に反するもの以外ほぼ原文のまま掲載していますが、必ずしも協会としての見解を反映するものではありません。
本文は協会サイト内 中世ロシア興亡史のページ をごらん下さい。