NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会

『8・15』戦争と平和を考えるDVD鑑賞会 8月20日開催

 今年も『8・15』がやってきます。毎年、この時期には戦争と平和を考える作品を取り上げています。

 今回は『氷雪の門』を鑑賞します。「北のひめゆり」と言われた樺太(現サハリン)の真岡郵便局の悲劇を描写した作品です。1945年8月20日、昭和天皇の玉音放送により戦争が終結した後の戦闘で起きたことでした。降伏や投稿を認めない日本軍の影響で、逃げ場を失い、郵便局の女性交換手9名が自決したのです。これだけでなく、病院の看護婦の集団自決や逃げる一般市民への爆撃など、沖縄の地上戦と同じか、それ以上の悲惨な出来事が樺太の戦闘でした。

 神奈川県日本ユーラシア協会では、2018年・2019年とサハリンツアーを企画・実施しました。また、今年は4月に北方領土問題と日ロ関係・平和を考える旅を実施し、5月には「サハリン(旧:南樺太)残留日本人を知る会」学習会を開催しました。その流れに続く鑑賞会です。是非、ご参加を。

日時:2023年8月20日(日)14時~※奇しくも78年前のこの日に悲劇が起きました。
会場:横浜平和と労働会館5階 当協会教室
参加費:500円(黒パン・紅茶付)

 
「ククーシュカ~ラップランドの妖精」

現代ロシア映画鑑賞会「ククーシュカ~ラップランドの妖精」

とき:6月25日 14時~
ところ:横浜平和と労働会館5階当協会教室
鑑賞作品:「ククーシュカ~ラップランドの妖精」(原題:Кукушка、アレクサンドル・ロゴシュキン監督作品、2002年、ロシア)
資料代:500円

 フィンランド北部のラップランドで、ロシアとフィンランドが戦っていた頃のこと。
 命を落としかけたロシアとフィンランドの兵士2人を現地に住むサーミ人の未亡人アンニが偶然助ける。
 フィンランド語、ロシア語、サーミ語とお互いの言葉を理解できない3人のユーモラスで不思議な暮らしが始まった…。

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ロシア語・日本語交流会 ロシア語・日本語交流会 ロシア語・日本語交流会

今回のテーマは「私の好きな民話」ロシア語・日本語交流会報告

 2023年4月30日日曜日に、第7回目の標題の交流会が開催されました。今回は「私の好きな民話」でした。日本からは神奈川県協会の方々、城東支部が、ロシア側からはウリヤノフスクの方々、そして今回初めてムルマンスクの方々が、本交流会に参加しました。皆さんからは以下の大変興味深いお話が紹介されました。

 多くの方々からスピーチがあったのですが、紙面の関係上、一部だけを紹介します。神奈川からは神門久子さんから「白山と富士山の背比べ」の講談の実演がありました。楽しい絵と、見事な語り口でストーリーが展開し、皆が大いに楽しみました。田中豊造さんからは「花咲か爺さん」のお話が、楽しい歌とともに紹介されました。柴田からは「蜘蛛の糸」のお話と、ロシアで類似の民話があることが紹介されました。

 ムルマンスクからは、エレナさんから山形の民話「あこや姫の物語」のお話しがありました。日本の参加者のほとんどが知らなかったこの悲しいラブストーリーを、彼女は大変ロマンチックに紹介し、一同とても感動しました。

 ウリヤノフスクからは、オクサナさんがロシアのおとぎ話で登場する有名な魔女バーバ・ヤガーのお話、リューバさんはロシアにはダルマと似た起き上がりこぼし人形があり、有名なチェブラーシュカはその人形にヒントを得たというお話、ディナさんはロシアでは夏の林間学校などで、子供たち同士で話されるホラーストーリーについてビデオを使ってのお話、などがありました。

 質疑口頭で、日本側からロシアには「お化け屋敷」はあるか?との質問に対し、ロシアからは「ない」との回答でしたが、日本では、お化けをキャラクター化して、どこか楽しもうとしているのに対して、ロシアではお化けはとことん恐いものと考えているのかも知れません。ムルマンスクの人たちへの、極北の町の生活についての質問に対しては、彼らからは白夜、極夜、オーロラなどについて、リアルでとても興味深い回答がありました。

 参加者は、日本、ロシアの双方の方々からの楽しい話を聞いて、一同大変盛り上がりました。そして互いの文化について理解を深める大変有意義な時を過ごすことが出来ました。

(東京城東支部 柴田)

 

「森は生きている」DVD鑑賞会報告

 ゴールデンウィークの最終日、5月7日(日)5人の参加者で開催しました。

 今回は『おはなしは国境を越えて―ロシア絵本の世界 』(ユーラシア・ブックレット)に収録されている「森は生きている」の章を、参加者全員で読み合わせながらの学習会も兼ねての鑑賞会となりました。原作のテーマは世界の民話に共通する「継子いじめ」です。日本の古典にも「落窪物語」があり、「シンデレラ」は誰しもが知っています。

 アニメでは、我が儘で無知な女王の描写が際立っていました。その女王が森に行き、12の月の精たち・付き従っていた側近・主人公の少女に懇々と説かれ、変わっていく場面がありました。また、アニメならではの美しい季節の自然や、森の動物たちの生き生きとした描写は、とても半世紀以上前の作品とは思えないものでした。

 当日は、いつもの黒パンだけでなく、ブリヌイもテーブルに並びました。田中さんお手製のブリヌイは好評。田中さん曰く「バターがあればもっと美味しかった」とのこと。次回はバターも用意しますね。

 舌とお腹も満足の充実した鑑賞会でした。

(関戸)

 
日本サハリン協会・斎藤弘美会長 日本サハリン協会・斎藤弘美会長

雨の中の学習会「サハリン(旧:南樺太)残留日本人を知る会」

 5月14日(日)は生憎の雨。客足が鈍るかなと心配でした。その心配が的中し、折角の学習会に参加者は8名と寂しいものでした。

 講師の斎藤弘美さんは日本サハリン協会の会長。その講演の中での印象的な言葉をいくつか挙げると……。

 (1)軍人は名簿が存在したので、捕虜になりシベリヤ抑留もしくは運よく日本に送還されたが、「民間人はそのまま捨て置き」にされたこと。そのため、中国残留孤児やシベリヤ抑留とは違った「残留者」がいたこと。即ちサハリン残留日本人となったこと。その数はおよそ500人。

 (2)その残留日本人の中で、「技術者はシベリヤ抑留」となったこと。

 (3)残留日本人の子や孫たちは「二つの祖国(日本・ロシア)」を持つようになったこと。

 (4)日本人のみならず、約4万人の朝鮮人残留者もいたこと。当時、朝鮮は日本領土だったため、朝鮮人残留者の子や孫は「朝鮮・日本・ロシア」という「三つの祖国」を持つようになったこと。

 (5)沖縄と同じように、一般市民が戦闘に巻き込まれ、多くの命が失われたが「樺太戦の悲劇」は軽視されてきたこと。

 これらのことは、初めて知ることでした。講演後、参加者から「日本ユーラシア協会はシベリヤ抑留のことは、いろいろな催し物をしているが、サハリンはどうなのか」という質問が出されました。司会である関戸が「前身の日ソ協会は、シベリヤ抑留者が『二度とこんな悲劇は繰り返してはいけない』という思いで始めた運動組織です。そのため、サハリン出身の方々は数も少なく、その声を広めることが難しかったと思います」と答えました。質問者は「事情は分かりましたが、今後はサハリンも重要だと思います」と強い口調で仰っていました。

 神奈川では、2018年・2019年にサハリンツアーを企画実施しました。特に、2019年には樺太の落合(現ドーリンスク)にあった王子製紙に勤務されていた祖父の住居の跡を一目見たいという希望を持って参加された姉妹がおられました。身近にサハリンに深い関わりを持っておられる方がいたのです。その方々の思いや願いを受け止めて、友好運動を進めていきたいという思いを強くしました。

 一週間後、サハリン協会総会が札幌で開催された際、斎藤弘美会長は「まだまだ話したりない」と言われました。改めて、サハリンについてもっともっと知る機会を作りたいと思います。

(関戸)

 
観て聴いて、ソ連の映画音楽
質疑応答中の会場

観て聴いて、ソ連の映画音楽
開始前の蒲生昌明さん
(持参のソフィア・ロタールのポスターとともに)

観て聴いて、ソ連の映画音楽 Back in the USSR again!

 ソ連時代の歌番組を特集した昨年のイベントから1年、アンケートで要望が多かった映画音楽にフォーカスを絞った特集を企画しました。詳しい内容は全国版「日本とユーラシア」をご覧いただくとして、神奈川県版では案内役の蒲生昌明さんに感想を交えたご寄稿をお願いしました。

***

 5月21日、横浜で「観て聴いて、ソ連の映画音楽」が開催され、講師を勤めさせて頂きました。

 この日、皆さまに観て頂いた映画は11本。ほとんどは日本で上映履歴のない作品です。

 初めてネット環境が整った20年前、試しにロシア語で歌の題名を検索すると次々にソ連時代の歌番組の映像がアップされ、既にラジオ放送を通して音声で親しんでいたソ連の歌手の顔を初めて見ました。この人はこんな顔だったのか、と微笑んだりガックリ来たり。そして、映画にもアクセスしました。

 私は映画の研究者ではありませんが、拙著『ソ連歌謡』には映画音楽の項目もあります。執筆のための調査の過程で、あらためて更にいろんな作品を知ることができました。ソ連にはこんなに面白い映画があったのか、と驚きの連続です。その多くが日本で未公開のままなのが、あまりに惜しい。

 今回観て頂いた作品は、それらの中のほんのわずか。「発掘」作業は今も継続中。その「発掘」の成果を皆さまと分かち合う機会を与えて下さったユーラシア協会の方々、そして参加された皆さま、ありがとうございました。

(蒲生 昌明)

写真「質疑応答中の会場」撮影:五十嵐/「開始前の蒲生昌明さん」撮影:滝沢

 

 2022年9月にNPO法人神奈川県日本ユーラシア協会創立60周年記念イベントの一つとして行われたトークショー「モスクワからの日本語放送 祝80周年!元アナウンサー大放談」の動画をYouTubeに公開しました。

 同年4月に80周年を迎えた「モスクワ放送」(ソ連崩壊後は「ロシアの声」)は、BCL(短波放送をメインとした、ラジオの国際放送を受信して楽しむ趣味)愛好者の間で絶大な人気を誇りました。

 この歴史ある放送局にスタッフ(アナウンサー)として飛び込んだ西野肇氏と日向寺康雄氏、長年のリスナー代表として蒲生昌明氏を迎え、ソ連とロシアの情勢や往年のスタッフについての思い出も含めて、モスクワ放送の意義や裏話など大いに語っていただきました。終盤にはサプライズゲストも登場!

 
第81回ロシア語能力検定試験

テレビ・ラジオ講座でロシア語を学習している人がゼロに 第81回ロシア語能力検定試験

 5月28日(日)、第81回ロシア語能力検定試験4級及び3級が北は札幌から南は福岡まで、11会場で行われました。そのうち、横浜会場は、東京会場(東京ロシア語学院)239人の次に多い3級、4級合わせて57人が受験申込しました。

 しかし、当日試験会場(横浜市従会館)で準備して待っていると、4級は30人のところ11人が欠席(欠席率37%)、3級は27人のところ8人が欠席(欠席率30%)となってしまいました。いつもは、4級は、一番欠席者が少なかったのですが、どうして欠席してしまったのか、理由が知りたいです。

 恒例の「アンケート」のまとめです。4級で特徴的なことは、当「横浜ロシア語センター」を知らないとした人が68%(「知っていた」とする人は21%)に上り、「ロシア語を何処で学習しているか」の項目で、「ラジオ・テレビ講座」がゼロになったことです。NHKテレビのロシア語講座がなくなったことが大きな理由なのでしょう。3級になると「横浜ロシア語センター」を知っていた人が36%に上がります。また、「何処で学習しているか」では、独習が47%と一番多くなっています。ちなみに4級では、「個人レッスン」が一番多く32%になっています。Zoomの普及により、リモート個人レッスンが多くなってきたからでしょうか。

 「どうしてロシア語を始めたか」との記述には、「ロシア武術システムを学んでいる」「ロシア語ができると、その他のスラブ語系の言語を学ぶのに非常に便利であるので、ぜひ多くの人に学習してもらいたい」「バレエ講師をしているので、レッスンでロシア語を取り入れたい」「母がロシア人なので勉強している」

 3級では、「ロシア語への思い」を書いてもらいました。「戦争は罪だけど、いかなる言語そのものに罪は一切ない」「厳しい情勢が続いていますが、いつか、ロシアに行って、現地の人々と会話できることを夢見て、今後も、ロシア語の学習に励んでいきたい」「ロシア語はむずかしいが、楽しいです」「使う機会が無いのが悲しい」

(木佐森)

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ロシア語文学講読クラス「初恋」全訳掲載

 横浜ロシア語センターホームページに、2022年4月~9月に開講された第136期文学講読クラスの受講生によるトゥルゲーネフ「初恋」全訳を掲載しました。上記リンクからPDFファイルで全文お読みいただけます。55ページにわたる力作をぜひご一読ください!

 横浜ロシア語センターでは見学や学期途中での入学も随時受付中です。講座の詳細はホームページをごらんの上、お気軽にお問い合わせください。

 

Курсы японского языка

Всех желающих изучать японский язык мы приглашаем на индивидуальные курсы японского языка при обществе ≪Япония-Евразия≫ префектуры Канагава.

Наши курсы ориентированы в первую очередь на русскоговорящих, проживающих в Японии, поэтому большинство наших преподавателей владеют русским языком на высоком уровне. Возможны аудиторные и онлайн-уроки. Мы внимательно выслушаем Ваши пожелания и подберём оптимальную учебную программу.

За справкой обращайтесь по электронному адресу eurask2@hotmail.co.jp или в офис общества ≪Япония-Евразия≫ префектуры Канагава (просьба заранее сообщить о своём визите по электронной почте).

日本語教室のご案内

 ロシア語を母語とする方を対象に、日常会話や日本語能力検定試験対策など、受講生の目的やレベルに合わせて個人レッスンで丁寧にお教えします。
 講師はロシア語を交えて、または日本語のみの直接法で授業を行います。
 詳しくはホームページ(日本語版・ロシア語版完備)をごらんください。

 

ロシア民族楽器 バラライカ&ドムラ教室

 ロシア民族楽器を本格的に習える当教室は毎月2回土曜日にレッスンを行っています。6月のレッスンは10日、17日の予定です。

 レッスンでは基本奏法、譜読みから音楽理論、デュオから基本的なアンサンブルまで学べます。日本ではまだまだ希少なロシアの民族楽器を奏でてみませんか?

時間:14:00~17:45の間、各45分
講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館6階会議室

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組織状況

(2023年5月31日現在)

 2023年度1月末の会員数は225名でした。その後横浜ロシア語センター137期から138期への学期更新などがあり、新しく8名の方が入会されましたが、ロシア語・ウクライナ語講座非継続や、会費の1年以上滞納による処置など20名の方が退会となっています。

 退会された方の中の山本一久さんは、5月に御家族から逝去された旨のご連絡がありました。改めてご冥福をお祈りいたします。

 そのため、5月末現在の会員数は213名となりました。何とか2022年末の227名になるように、みなさまのお力添えをお願いいたします。

(木佐森)

 

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2023/5/31
単位:円
摘 要本年度当該月収入前年度当該月収入対前年度増減
一般会計51,800151,100-99,300
教育事業500,900339,830161,070
一般事業117,481121,016-3,535
合 計670,181611,94658,235
摘 要本年度当該月支出前年度当該月支出対前年度増減
一般会計600,942629,600-28,658
教育事業457,324335,468121,856
一般事業151,82888,31563,513
支出合計1,210,0941,053,383156,711
当該月収支-539,913-441,437-98,476
累計収支計420,882433,538-12,656

 今年2023年5月の財政状況は、昨年2022年5月と同じような経過をたどっています。会費収入は、昨年に比べ約10万円の減少となっていますが、教育事業収入が16万円多くなっています。

 支出では、教育事業支出は、ウクライナ語講座の開設などにより、収入が増えた分講師料などの支出も増加しています。

 一般事業支出が昨年に比べ6万円多いのは、会員の馬場タチヤーナさんからマトリョーシカや髪飾りなどを仕入れたためです。このマトリョーシカや髪飾りは「手が良い」ので、お買い得だと思います。事務所にお立ち寄りのときにご覧ください。

(木佐森)

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ロシアのアクセサリー各種入荷しました!

本紙財政記事でご紹介した民芸品です。協会事務所入口の商品ワゴンに積んであります。来所された際にいかがでしょうか?
どれも造りが丁寧で、ちょっとしたプレゼントにもよさそうです。
一つ一つ手作りのため、同じ種類の商品でも微妙な違いがあります。お求めの際はぜひ見比べてお選びください。
※紙面の都合でご紹介できませんでしたが、マトリョーシカ各種も入荷しています。桜木町にお越しの際にはぜひ事務所にお立ち寄りください。

花柄ヘアクリップ 花柄ヘアクリップ 各700円
ベレスタ(白樺の樹皮)髪飾り ベレスタ(白樺の樹皮)髪飾り
ピン1,000円 クリップ700円
白樺の櫛 白樺の櫛 各400円

 上記商品は協会事務所でのみ取扱中。通販サイト「うにべるま~ぐ」で販売している商品もありますので、ぜひごらんください。

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ロシア・トップ10

【芸能】Русская Десятка ロシア・トップ10

 ウクライナの反転攻勢が始まり国民が困惑しているロシアから、2023年5月第3-4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中4曲が新曲&1曲がカムバック!

 初登場9位にランクインしたのは、RAAVAレーベルから期待の4人のアーティスト、アンドロ、エルマン、トニとマナのコラボしたポップバラード≪Зари≫(夜明け)です。

 ドミトリエンコの新曲≪Пицца≫(ピッツァ)が8位に登場しました。2年半前に≪Венера-Юпитер≫の一部をTiktok上に公開後、僅か2日間で1万人を超えるユーザーによるカヴァーがUPされたとか。

 7位にファデーエフの≪Обязательно вернусь≫(必ず戻る)が入りました。訳あって家族をおいて遠方へ向かうことを余儀なくされている主人公が、帰還を誓う切ないストーリー。限定脚色がされないようにMVでは配慮されてますが、時節柄ロシア・ウクライナ戦争で戦地へ行くことを余儀なくされる家庭持ちの男を描いているようにも感じ取れ、リスナーの反響は賛否両論。現在YouTube再生回数は239万回。

 バフ・ティーとトゥルケンのコラボ新曲≪Путь к тебе≫(君への道)が、初登場6位にランクインしました。バフ・ティーはモスクワ出身で、2005年から音楽活動開始。現在はプロデューサー業もこなし、ロシアで人気のカリヤンラップと言われる独特な音楽ジャンルを確立しました。

 今若きロシア女性の憧れそしてファッションリーダー、クライムブレリの新曲≪Иначе всё это зря≫(さもなくば全て無駄に)が3ヶ月連続首位でした。おめでとうございまーす!:-)

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart 2023年5月19日~25日/MOPA)
画像は https://vk.com より

※全文、チャート、PV視聴はユーラシア芸能ブログでどうぞ。

 
ユーロヴィジョン2023

【芸能】ユーロヴィジョン2023 スウェーデンが優勝

 欧州で毎年開催される歴史的な音楽の祭典ユーロヴィジョンが、今年も5月中旬に開催された。前年の優勝国はウクライナであったが、戦時中で開催不能のため、準優勝のイギリスが開催場所となり、首都のロンドンではなくビートルズの町として有名な町リバプールでの開催と相成った。大会スローガンは「United By Music(音楽による団結)」、昨今の政治的情勢に対する欧州のスタンスが、大会スローガンにも表現された格好だ。37カ国が参加した。

 ウクライナとイギリスの共同開催ということもあって、オープニングには前年優勝したウクライナ代表Kalush Orchestraの「Stefania」と準優勝だったイギリス代表Sam Ryderの「SPACE MAN」を公平にアレンジし融合した楽曲が使用され、場内は歓喜で盛り上がった。

 決勝戦では、世界的に知られる女性歌手Loreenが優勝したため、次回の開催はスウェーデンに決定。スウェーデンはこれで7度目の優勝で、アイルランドと並ぶ過去最高記録となる。また、同一アーティストの複数回優勝はジョニー・ローガン(Johnny Logan)の2回(1980年、1987年)と並んで二人目で、女性シンガーとしては史上初。

 ユーラシア勢はウクライナ、エストニア、リトアニア、アルメニア、モルドバは決勝戦進出を決めた。ラトビア、アゼルバイジャン、ジョージアが予選敗退。

 なお、ロシアはウクライナに侵攻し、ベラルーシはそれに加担しているという理由で、2022年から出場を禁じられている。

順 位得 点国 名歌手名楽曲名
1583 ptスウェーデンLoreenTattoo
6243 ptウクライナTvorchiHeart of Steel
8168 ptエストニアAlikaBridges
11127 ptリトアニアMonika LinkyteStay
14122 ptアルメニアBrunetteFuture Lover
1896 ptモルドバPasha ParfeniSoarele si luna

ユーロヴィジョン公式サイト

(MOPA)

 
「キャロル・オブ・ザ・ベル~家族の絆を奏でる詩」 「キャロル・オブ・ザ・ベル~家族の絆を奏でる詩」
(C) MINISTRY OF CULTURE AND INFORMATION POLICY OF UKRAINE, 2020 - STEWOPOL SP.Z.O.O., 2020

【映画】「キャロル・オブ・ザ・ベル~家族の絆を奏でる詩」

(原題:Carol of the Bells、オレシア・モルグレッツ=イサイェンコ監督作品、2021年、ウクライナ=ポーランド)

 「シェドリック」(またの名を「キャロル・オブ・ザ・ベル」)という歌をご存じだろうか。アメリカ映画「ホームアローン」(1990)で使われた曲だが、実は20世紀初頭のウクライナの歌。キリストの誕生を歌った合唱曲でウクライナの新年を祝い、平和や希望をこめた歌として本作の随所に使われている。ロシアのウクライナ侵攻以後、この歌はウクライナの文化や民族アイデンティティを主張する歌として注目を浴びた。

 物語は3つの異なる民族の家族の運命を描く。1939年冬、スタニスワヴフ(現ウクライナのイヴァノフランコフスク)。ユダヤ人一家の住むアパートに、ウクライナ人一家、ポーランド人一家が引っ越してきた。3つの家族にはそれぞれ同じ年ごろの娘がおり、あっというまに友達になる。特にウクライナ人のヤロスラワは、ピアノ教師の母ソフィア、ギター奏者の父ミハイロをもち歌唱の才能豊かな少女。ポーランド一家のティナ、ユダヤ一家のディナとタリアはヤロスラワの歌声に魅了される。

 戦争がはじまり、ポーランド人一家の夫妻はソ連軍に連行される。その後、ドイツが侵攻、ユダヤ人一家の夫妻も連れ去られる。異なる民族の娘たちをかくまい、必死に守るソフィアとミハイロ。自由を制限される生活のなか、ユダヤの習慣も尊重しながら、彼らは本当の家族のような絆を持ち始める。しかしウクライナ民族主義組織の一員であったミハイロも逮捕され処刑され、一家の生活は過酷なものへ。

 ソ連による解放後、両親を殺されたドイツ人少年ハインリヒもかくまうことになったソフィア。「子どもには罪はない」と危険を顧みずに子どもたちを守ってきた彼女もまた、嫌疑をかけられ逮捕、子どもたちは現ルハンスクの収容所へ収監されてしまうが…。

 物語のエピソードは、脚本家の祖母の実話が多く活かされているという。ドイツやソ連によって支配された地域の理不尽な運命が描かれる一方、楽しいときも悲しいときも、歌を歌うことで気持ちを交流させ、言語や習慣を守り困難に立ち向かってきた人々の民族の矜持を感じさせる作品。

 参考ながら、本作に出演した子役の多くは、ウクライナ周辺国へ避難しているという。

(文:滝沢 三佐子)

 

【映画】再発見!フドイナザーロフ ゆかいで切ない夢の味

 タジキスタン独立後の1991年に20歳で映画監督デビューし、49歳の若さで急逝したバフティヤル・フドイナザーロフ監督。日本公開当時、内戦のさなか撮られたとは思えないほどユーモアとファンタジーにあふれた世界観で観客を魅了した。

 昨今、再評価が高まり、このほど代表作となる長編作品「少年、機関車に乗る」「コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って」「ルナ・パパ」「海を待ちながら」の4本を特集上映。

 6月3日より渋谷ユーロスペース、7月横浜シネマリンにて公開。

「再発見!フドイナザーロフ」 公式サイト

(文:滝沢 三佐子)

「少年、機関車に乗る」 「少年、機関車に乗る」
「コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って」 「コシュ・バ・コシュ
恋はロープウェイに乗って」
「ルナ・パパ」 「ルナ・パパ」
「海を待ちながら」 「海を待ちながら」
 
「独裁者たちのとき」

【映画】特集上映 歴史をみつめるソクーロフ

 6月19日~23日、横浜シネマリンにて。

 新作「独裁者たちのとき」公開に合わせ、これまでアレクサンドル・ソクーロフが発表してきた歴史をテーマとした作品14本を特集上映。

「孤独な声」「ヒトラーのためのソナタ」「ペテルブルク・エレジー」「セカンド・サークル」「ストーン~クリミアの亡霊」「ロシアン・エレジー」「静かなる一頁」「マザー、サン」「モレク神」「牡牛座~レーニンの肖像」「エルミタージュ幻想※」「ファザー、サン」「太陽※」 「チェチェンへ アレクサンドラの旅」(※はデジタル・リマスター版)

横浜シネマリン 特集ページ

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日本人講師の大切さ

 今回は、前回の私の話の補足説明をいたします。

 前回は私、「外国語が話せるようになる方法」といたしまして、外国人講師を徹底的に真似ること…をご紹介しました。ただ、それは、方法のひとつとして…です。他にもいろいろな方法、また、人によってやり易い方法…があります。

 ですから、それが全て、あるいは最善…というわけではありません。人によって違います。

 それと、日本人の外国語講師の大切さを忘れているわけでもありません。

 私たち日本人学習者にとって、日本人の外国語講師の存在は心強く、なくてはならない大切な存在です。日本人講師は、学習者にとって先輩でもあるからです。

 講師といえども、当然ながら最初から講師でいらっしゃったのではありません。誰もが最初は「何も知らない」「全然わからない」ところから始められ、努力の末に講師になられるまで勉強されたのです。そこには、日本人ならではのご苦労を多くされています。これは同じ日本人でないと理解できません。ネイティヴは生まれながらに、その言語に囲まれて、自然と話せる環境にいます。ですから、外国人の苦労を実感することができない。これは、どの言語の場合でもあてはまりますし、また、仕方のないことです。

 私たち日本人が普通に話している日本語でも、外国人が学ぶとなれば、それはとても困難な言語なのですから。その苦労は実感できませんし、また外国人は日本人には思いもよらない疑問や、悩みを持っていたりします。

 さて、その逆も、しかり。もし、現在、学習上の悩みや不安、疑問がおありでしたら、日本人講師に何でも相談してみましょう。きっとすぐに解決できて、一歩前に進む実感がわいてきますよ。

 結論、要は、私たち日本人学習者は、外国人講師も日本人講師も共に大切な存在で、ありがたい…と思います。

(とくなが なつみ)

 

★ お譲りします ★

 横浜ロシア語センター講師で元ロシア語通訳者の野口福美先生が、昔仕事で使われた技術辞書類などを整理・放出することになりました。

 神奈川県日本ユーラシア協会事務所へ取りに来られる方、または横浜市西区からの送料を着払いで負担してくださる方に、お申し込み先着順にお譲りします。

 ご希望の方は、下記のリスト中の品名と氏名を(送付希望の場合は宛先の住所と電話番号も)当協会事務局までメールまたはFAXでお知らせください。

 ※先着順のため、既に譲渡先が決まっていた場合はご容赦ください。

1.ソ連製ミンクのコート 譲渡済

 冬季に寒い所に仕事で行った時に1、2度着たものです。寒い時期、寒い所ではまだまだ立派に役に立つと思います。毛皮の手触りは滑らかです(^-^*) ※サイズや外観はお問い合わせください

2. 技術辞書類

1) Энциклопедический словарь юного физика / Москва ≪ПЕДАГОГИКА≫ 1984 г. 譲渡済

2) 多言語専門用語集
1. English-German-French-Russian-Japanese Glossary of Technical Terms for Preparation, Processing and Utilization of Coal / Tokyo - 1990 The Mining and Materials Processing Institute of Japan 譲渡済

2. 4か国語対照(ロ・英・独・日)科学技術軍事図説事典 現代ロシア語社 1980年 譲渡済

3) 英露用語集
1. 露英技術語辞典 チェルヌーヒン編 8万語収録 日本総発売元 ナウカ モスクワ 1971年 譲渡済

2. Англо-русский словарь по химии ипереработке нефти / Москва ≪Русский язык≫ 1979 г. 英露化学・製油辞典 譲渡済
3. Русско-английский словарь нефтяных и газовых терминов / Price Waterhouse 露英石油ガス用語集 譲渡済

4) 日本語・ロシア語
1. 金属・鉄鋼ロシア語表現辞典 上田正雄編 川鉄テクノリサーチ株式会社 1993年 譲渡済
2. 和露科学技術辞典 3万5千語 漢字索引付き ザビヤロフ監修 モスクワ ロシア語出版所 1976年 譲渡済

 

モスクワ便り (5) リンゴの花見

 毎度毎度のコローメンスコエですがリンゴの木が満開なので自転車で行ってきました。また、イズマイロヴォにも行ってきました。若干の湿気と森の香りが少し日本を思い出させます。

 コローメンスコエには公園内にリンゴの林(畑?)があり、リンゴの白い花が公園内のあちこちで満開でした。地面ではタンポポが満開となっていてコントラストが何とも美しかったです。散歩をする人やピクニックをする人で多くの人が訪れていました。人が多いとはいえ敷地も広いのでうるさくないです。私も公園を一周してからお花見ということでリンゴの木下でランチをしつつ、写真をとりつつ、お昼寝をしつつで過ごしました。どこを見ても満開の風景で映画の世界に迷い込んだのかというくらいでした。とても綺麗なのですが気が付いたらスマホも眼鏡も何もかもが花粉だらけになっていました(笑)

 リンゴとタンポポの花が散り始めるころに今度はライラックが満開となり、公園だけではなくて街中のあちこちでよい香りがしています。

 写真はありませんが白ズッキーニもお店に並ぶようになっています。初めて食べましたがみずみずしく甘味があって焼いて塩で食べるとなんとも美味でした。

(H. H/モスクワ在住)

コローメンスコエ
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中世ロシア興亡史講義 ~歴代君主の素顔とその真実~ 862-1598
第204回 イヴァン三世、ノヴゴロドの君主となる

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