今月の表紙

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2021年1月号 No.711

活動報告

2020年はリモート望年会でした

 12月19日(土)に恒例の協会望年会が行われました。

 2020年度は協会もコロナ禍の中で対面行事は年頭のヨールカ祭以外何もできませんでした。そのヨールカ祭60年の伝統を中断しないために、2021年はリモートでやる事になり、ならば年忘れもリモートでやりましょうと急に決まった望年会でした。

 短い準備期間にもかかわらず、当日は16名の参加者がZOOM会議室に集まりました。木佐森会長、田中理事長、滝沢さん、そして、五十嵐さん、ヴァレリヤ先生は桜木町まで駆けつけての参加でした。

 実施する側としては不慣れなリモート行事進行でしたが、パソコンやスマホの画面を見ながら全員で乾杯し、自己紹介や来年の抱負を順番に語り合いました。

 全体での話が一段落した後、2、3人ずつ小部屋に入って15分間親しく話し、その後は入れ替わり、他の人との小グループ歓談を楽しみました。ただ、小部屋への振り分け作業はスムーズだったとは言えず、「ヨールカ祭2021」では振り分け作業時は休憩時間を設ける方向で検討することになりました。参加者の皆様にはご協力をいただき、心から感謝しております。

 こうして初めてのリモート望年会も気がつけば2時間半も続いていたのでした。

(野口)

教室案内

音読の勧め

 ロシア語を教えていて、どうやったら、留学もせずに母語で暮らしている環境でロシア語を話せるようになってもらえるだろう?と試行錯誤をしていた時に、英語の神様と呼ばれた国広正雄さんが唱えた「只菅朗読」という本を読んだ。

 中学生くらいの教科書でいいから、ただひたすらに読むことで、必ず耳に英語がちゃんと聞こえてくるということを知った。

 とにかく、読んで聞くということで脳の言語野を活性化させるということを脳科学者も言っているのを講演で知るにいたり、音読することでどんな効果をもたらすのかを研究してみたいと思い、講座で教えている方、あるいは、元受講者の方にボランティアで実験に協力してもらった。

 結論:音読を繰り返すことで、発話の流麗さと内容理解を深めることができる。

 結果を分析すると、かなり文章の難易度が高いものを初見で音読する場合、まず、スラスラと読める人は少ない。しかし、かなりの慣れのある上級者には、アクセントの間違いが少ないことがわかる。一部の才能の持ち主と、経験が多い者は、知らない単語であっても、推測力が働くということもわかる。

 初見でアクセントを間違えるということが示すのは、アクティブボキャブラリーに持っていない単語であるということであり、もしかすると初出であり、パッシブボキャブラリーでさえないということも言えなくない。⇒ 多読が必要であり、リスニングに取り組むことも必要であると思われる。

 読了を繰り返した後には、例外なく、流暢さが発現し、意味が理解できて、伝わるような読み方ができるようになる。

 その度合いは、経験年数や、もともとの語学力にも関わる。ロシア語を発話することの多い人は、流暢さの度合いは相当に高くなる。語学力、経験年数の浅い人はその度合いは比較すると少し低いが、30回の繰り返しによって例外なく初見と比べ、美しい読み方ができるようになる事は証明された。

 回数に関して言うとやはり15回・20回よりは30回に効果を認める。(但し、同じくらいの語学力での比較はできていない)

 理解力と言う点においては、語学力の差が顕著に現れる。しかし、詳細までは深く理解が及ばない場合でも、20回、30回と読むことによって、知らない単語がかなりあったとしても大意を掴むことにはほとんどの人が成功している。繰り返し読むことによって、読解力の向上にも貢献するという期待が膨らむ。

 要約をしてもらうことでわかったことは、ほとんどの人が端的に纏めることが苦手であるということである。メインメッセージと枝葉末節をたてわける習慣がないということが見て取れる。話のプロットを自分自身で立てる練習によって改善を期待できる。

 要約ができるということは、私の推測では、脳内変換(映像化する)を起こせているかにかかっている。音読をくりかえし行うことでストリーが自分のものになると思われる。30回ではまだまだ足りないかもしれない。

 内容を自分の言葉で端的に伝えることができるということは、内容の把握力(読解力)に加えてロシア語へのアウトプット力が必要である。これはダイレクトに語学力の差が出る。

 言い換え(パラフレーズ)を練習することで、パッシブボキャブラリーから使えるアクティブボキャブラリーに転換していく努力が必要ではないだろうか。

提唱される学習:

 今回の音読検証は、たった1時間の間で、150ワード、約1分くらいの音読を、30回ほど繰り返しただけなので、まだまだ、正確な検証とは言えないが、短時間でも、発話の流麗さと理解を深めることができるということはわかった。

 一日では、結果は得られない。1週間、1か月、3か月、1年と積み重ねることで、必ず、語彙力の向上、リスニング力、発音の改善、読解力が向上すると確信する。

 音読をお勧めする。

***

※実験結果と検証の詳細が記された「完全版」は、横浜ロシア語センターホームページに掲載しました。興味のある方はぜひごらんください。

(竪山)

横浜ロシア語センター第133期

 各クラスの詳細は教室ホームページをごらんください。見学は3クラス・各30分まで無料。中途入学も可能な場合があります。

ロシア民族楽器「バラライカ」「ドムラ」教室

 レッスン内容は奏法の基本から音楽理論や高度な内容まで。毎月土曜日に開講、実質個人レッスンとなります。初心者の方も、以前習っていて中断された方も歓迎します。

 1月は9日に対面レッスンを行いましたが、23日はオンラインレッスンになります。詳細はお問い合わせください。

時間:14:00~17:45の間、各45分
講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館6階 または オンライン
レッスン料(1回、税10%込):一般11,000円、会員9,500円
※オンラインの場合は各1,000円引き


みなとみらいマトリョミン教室

 コロナ禍の影響により、10月以降は全クラスの開講を見送らせていただきます。
 2020年3月21日分の受講料を返金しますので、まだ受領されていない方は口座番号をお知らせください。


文化・芸能

芸 能

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10  ホワイトクリスマスの準備と新型コロナ変異種出現でてんやわんやのロシアから、2020年12月第3週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。今月は10曲中2曲だけが新曲!

 10位にバルスキフの新曲≪Армагеддон≫(アルマゲドン)が登場。同曲は2020年10月9日にリリースされた5枚目のアルバム≪1990≫の一番最初のトラックナンバーとして挿入されています。1990はバルスキフの生まれ年。特別な思いのある楽曲が封じ込められているに違いありません。新曲は今ロシアで旬なディープハウス調のメロディで、バルスキフ特有の甘く気だるい声で、ファンに陶酔感を与えています。

 普段はラッパーのナヴァイと共に活動しているハンマリが、クライムブレリと組んだデュエット曲≪Медляк≫(スローな音楽)が9位にランクイン。ハンマリは2020年ナヴァイ共にノーヴォエラジオ・アワードで最優秀グループ賞を獲得。一方、別曲で7位にランクイン中のクライムブレリ、1年の間に10曲もリリースしヒットを飛ばし続けています。先のノーヴォエ・ラジオアワード2021では最優秀女性アーティスト賞にノミネートされていて、今後の活躍が期待されます。

 ダブロの≪Юность≫(青春時代)が5ヶ月連続首位でした。YOUTUBEにリリースされた同曲は、12月中旬の時点で視聴回数8千万回を記録。常に注目の楽曲として各種チャートに登場し続けています。来年開催される各種音楽の祭典では、ダブロは最優秀賞の数々を総なめにするのではとも噂されています。おめでとうございまーす!:-)

※全文、チャート、PV視聴はユーラシア芸能ブログでどうぞ。更新再開しました!

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart、2020年12月11日~17日/MOPA)

【新連載】あのズヴェズダー*は今
1. セルゲイ・ジューコフ (Сергей Жуков)

*ロシア語でзвезда=スターの意。

 1976年5月22日露ウリヤノフスカヤ州生まれで、学校で成績優秀だったセルゲイ。次第に音楽に興味を持ち始め、音楽グループ≪Вася≫の中で初めて歌ったのが14歳。学校卒業後サマラに移り、ラジオ局≪Европа плюс Самара≫で働き始め、そこで後に共にスマッシュヒットを世に送るアレクセイ・ポテヒンと出会った。

2005年当時のルーキ・ヴェールフ!  アレクセイと共にモスクワへ移動し、ラジオ局≪Максимум≫などでDJとして勤務していた1996年末、自身のデモテープに≪Эта музыка заставит вас поднимать руки вверх≫(この音楽は貴方の両手を上げさせる)と書いたことからルーキ・ヴェールフと命名。当時の音楽プロデューサーであるアンドレイ・マリコフがこれに目をつけ、活動開始。≪Малыш≫から始め、リリースする歌全てがヒット。もし貴方が2000年代前期にRポップに夢中だったなら、≪Крошка моя≫ ≪18 мне уже≫ ≪Он тебя целует≫などの曲を耳にしたことがあるだろう。いずれも露レコード大賞を獲得したスーパーヒットソングだ。 

ルーキ・ヴェールフ!のロゴ  セルゲイらが1998年にリリースしたユーロダンス曲≪Песенка≫が、2000年に独の音楽グループATCに興味を持たれ、同年5月に≪Around the World≫としてカヴァーされた。この著作権料としてセルゲイは前金百万ドルを手に入れたとか。同曲は欧州でも大ヒットをし、独・オーストリア・スイスで首位、オーストラリア、ベルギーなどの合計8カ国で20位、英国で15位、全米ビルボードチャートHOT100で28位にランクインするなど大快挙。その後もカヴァーする世界の音楽グループ続き、その数は合計40組以上となった。露国内では最近、ワルぶりがウリのエルジェイとモルゲンシュテルンによるデュオ≪Lollipop≫の旋律が≪Песенка≫と酷似していたため、リスナー間で「またパクリかよ。しかも偉大なる世界のジューコフが作った歌じゃないか!言い逃れできんぞ悪党!」まで酷評されたが、実はコレ、ちゃんとセルゲイに著作権支払ってのリリース。現在でも世界の誰かがカヴァーしているため、セルゲイの懐には巨額の著作権料が今でも滞ることなく入ってることだろう。

現在のセルゲイ・ジューコフ  自身が創作した音楽の著作権で富を築いている他、2017年現在飲食店や音楽関係合計6つの会社の創始者、所有者、または社長を兼任しているビジネスマンの顔も持つ。プライベートは、1度目の結婚で失敗したものの、元女性音楽ユニットВИА Сливкиのバックヴォーカルであるミシェル(本名:レギナ)と2度目の結婚を果たし3人の子供をもうけ、現在も幸せに暮らしている。

(MOPA)

【参考資料】
Wikipedia. Руки Вверх!
Яндекс Дзен. ≪Революция ≪Песенки≫ от Руки Вверх до ≪Lollipop≫ от Элджея≫
Уфа Собака ру. ≪Сергей Жуков высказался о Morgenshtern и Элджее, которых обвиняют в плагиате его хита≫

演 劇

しんゆりシアター『桜の園 四幕の喜劇』

12月1日 於:川崎市アートセンターアルテリオ小劇場

『桜の園 四幕の喜劇』  頭の痛い問題や苦手なことから逃げ出したいと思うのは、人の常である。しかし、いつまでも逃げ続けることはできない。たとえ逃げおおせたとしても、どこかで苦い現実に追いつかれる。時は農奴解放令後で、長くパリに居住していたラネーフスカヤの領地は、財政難のため抵当に入れられてしまった。この領地を救おうとあれこれ世話を焼くのが、元農奴でやり手の商人ロパーヒン。彼はラネーフスカヤに、領地をリゾート地にして貸し出すように助言するが、彼女は聞く耳をもたないばかりかさらに浪費を繰り返す。

 競売の危機に瀕する「桜の園」を舞台に、娘のアーニャが万年大学生トロフィーモフに惹かれ、養女のワーリャとロパーヒンは相思相愛ながらなかなか思いを打ち明けられない。「桜の園」を競売で競り落としたのは、かつて自分の農奴だったロパーヒン。泣き崩れるラネーフスカヤだが気持ちはすでにパリにあり、ロパーヒンもワーリャにプロポーズせずに終わる。「桜の園」を手放さねばならなくなったことで、人生の重荷から解き放たれたような感覚は、ひねりにひねったチェーホフならではの「喜劇」であろう。

 山本郁子扮するラネーフスカヤの華やかさは、「かもめ」に登場する大女優アルカージナを彷彿とさせる雰囲気。アルカージナのどケチぶりを浪費癖に転換させたらラネーフスカヤになるのではないかと思われるほど、金に対する感覚の両極的な人物造型として興味深い。

 舞台美術は白い家屋の形状をした置物が並べられているだけ、というシンプルな舞台づくり。外の社会から隔絶された個人の殻を連想させる白い置物は、「桜の園」をあとにするときにガラクタのように積み上げられる。流転する持ち主と変わらぬ土地の対比のようでおもしろい舞台美術だった。

 戯曲翻訳は、当協会でも講師として活躍する安達紀子先生の新訳。演じることを念頭においた翻訳で、役者のセリフが生き生きとしていた。

(文・滝沢 三佐子/撮影:関口 淳吉)

映 画

『DAU.ナターシャ』

(イリヤ・フルジャノフスキー監督作品、独・ウクライナ・英・ロシア、2020年)

『DAU.ナターシャ』  2020年ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した問題作が、日本でも公開される。

 すでにいくつかの映画情報サイトで紹介がされているが、制作プロジェクトがすさまじい。オーディション人数約40万人のうち主要キャスト400人、エキストラ1万人、衣装4万着、撮影セット12000㎡、そして制作年数は15年だそうだ。ここまでして求めているものは「ソ連全体主義社会」の完全再現。登場人物は実際にセットに「住み」、演じるのではなく役柄を生きることになった。

 時代は1952年。秘密研究所内のカフェで働く中年のウェイトレス、ナターシャと彼女の仕事仲間である若いオーリャは、派手なケンカもするがお互いを信頼する仲。ある時、彼女らはカフェの常連である科学者たちと、フランスから来た科学者リュックを招いて大宴会を行う。言葉も通じないナターシャとリュックだが、なぜかロマンスが生まれその夜を共にする。そのことが当局に知られ、ナターシャは残酷な尋問を受けてリュックを告発する文書を書かせられる。解放されて職場に戻ったナターシャだが、彼女はある決心をしていた。

 徹底したソ連時代の再現のために、キャストは言葉遣いからリアクションに至るまで細かいルールを課せられたが、監督からの演出は1割に満たなかったそうだ。そこまでキャストがソ連市民になりきった本作、実は全部で15シリーズくらいになるらしく、まだまだ制作中なのだという。ある人にとってはノスタルジー、ある人にとっては禍々しい記憶を伴うソ連時代。とはいえ、ソ連好きな「共産趣味」な人は必見、ロシア語も聴きとりやすい。ちなみに「DAU」とは、物理学者レフ・ランダウから。

 2月27日よりシアター・イメージフォーラム、アップリンク吉祥寺ほか全国公開

(文・滝沢 三佐子)

連載「ロシア童話の世界」
『ワニのゲーナとおともだち』Крокодил Гена и его друзья (1966)

E. N. ウスペンスキー Э. Н. Успенский (1937-2018)

『ワニのゲーナとおともだち』初版本  日本でも有名なロシアのアニメキャラクター「チェブラーシカ」は、『ワニのゲーナとおともだち』に登場します。南国の森に住むチェブラーシカは、ある朝散歩にでかけ、フルーツ園のそばでオレンジがいっぱい詰められた箱を見つけます。オレンジをおなかいっぱい食べ、そのまま箱の中で眠ってしまったチェブラーシカは、オレンジの箱ごと遠くの町へと運ばれてしまいます。新しい町でワニのゲーナや少女ガーリャ、シャパクリャクおばあさん、ライオンのレフ、犬のトービク、キリンのアニュータ、サルのマリヤたちと出会い、チェブラーシカの新しい生活が始まります。

 初版本発売の二年後にR. カチャーノフ監督により人形アニメ化され、チェブラーシカたちは一躍人気者になりました。可愛らしい姿が日本でもすっかりおなじみですが、実は原作ではチェブラーシカの外見について具体的には「茶色で、大きな目とふさふさの短いしっぽをもつ」としか書かれておらず、初版本に描かれたチェブラーシカ(写真右端)はアニメーション映画の姿とはかなり異なっています。

 チェブラーシカの最大の魅力は、どことなく哀愁を感じさせるところですが、私はそれを「部外者(よそ者)の悲哀」のせいではないかと考えています。新しい町では南国生まれのチェブラーシカは「よそ者」です。最初に連れて行かれた動物園では「まったく新種の生き物で、ウサギ舎に入れるべきか、トラ舎か、はたまたウミガメの仲間なのかわからない」として受け入れを拒否されます。働くことを条件に引き取ってくれた商店でも、家庭の中には入れてもらえず「店の横の電話ボックスで寝起きするように」と言われてしまいます。ワニのゲーナと友達になったチェブラーシカは、一人ぼっちの者たちのために「ともだちの家」を建てることにします。そうして友達を探しにやってきたライオン、サルなどが仲間に加わり、いっしょに「ともだちの家」を作るうちに、皆すっかり仲良くなります。もはや一人ぼっちの者はおらず、「ともだちの家」も必要がなくなり、チェブラーシカ自身が電話ボックスから移り住むことになります。愛らしいチェブラーシカのさらなる魅力「けなげさ」がハッピーエンドをもたらします。

(小林 淳子)

ユーラシア通信

シンガポールで感じるロシア ~ロシア語と食について~

 私は仕事の都合でシンガポールに赴任することになり、20年9月からシンガポールで暮らすことになりました。本日はここシンガポールで感じる“ロシア”について、ロシア語学習環境と食の両面からご紹介したいと思います。

1. ロシア語学習環境

 私は今Russian Language Center in Singaporeというところに週1回通っています。教室の広さは横浜ロシア語センターより広いですが、講座数は同じくらいです。講座の分け方はレベルによるもので、特定のテーマ(文学鑑賞や会話)の講座はありません。

 このセンターのホームページにも書かれていますが、シンガポールでロシア語を勉強しているというと相手からすごく驚かれます。色々な問題があるとはいえ、日本とロシアは隣国でありそれなりにお互いに関心を持っているのだということに気づかされました。

 講師陣は全てネイティブスピーカー、受講生の年齢層はおおむね10~30代が中心のように見えます。

 一番の違いは、ТРКИ(ロシア語検定試験)の受検ができるということです。講師の中にもこの試験の試験官の資格を持つ人がいます。年に2回、120シンガポールドル(約1万円)で受けることができます。

2. 食

ロシア食材店の看板 1)食材

 意外にもロシア料理を作るのに必要な食材はほぼ全て手に入ります。驚いたのは、こぶし大のビーツが1個50円前後で手に入ることです(ベトナム産)。ただし牛肉や乳製品は日本と比較して高いように思います。

 また、ロシアの食材を扱う店があります(写真)。ここではクワス、塩漬けニシン、冷凍ぺリメニ、その他香辛料等が売られています。私は400円弱でベラルーシ産のクワスを購入しました。

2)レストラン

上記ロシア食材店が運営しているカフェを含め、今のところ見つけられたのは3軒のみです。うち1軒は老舗ですが非常にローカライズされているようでまだ行く気になれておりません。

 いかがでしたでしょうか?シンガポールではコロナ対策が厳しく、ほとんどイベントは開催されておりません。今後ロシア関連のイベントがあった際には、現地の人から見たロシア像を確認してご報告したいと思います。

(川北)

ソ連プロパガンダ風 COVID-19対策啓発ポスター

 世界の彼方此方でコロナ騒動ですが、こちらロシアでは、COVID-19に関する啓蒙活動の1つとして「ソ連プロパガンダポスター」のデザインが出回っています。

COVID-19対策啓発ポスター COVID-19対策啓発ポスター
(左)コロナウィルスとの戦いだ、手を頻繁に洗え!
(右)ワクチン・スプートニクで猛攻撃だ!

COVID-19対策啓発ポスター COVID-19対策啓発ポスター
(左)マスクを正しく着用して!
(右)不要な接触からお年寄りを守ろう!(宿題は)全部私がやるから!

COVID-19対策啓発ポスター COVID-19対策啓発ポスター
(左)病気になりたくなければ、握手するな!
(右)時宜に適ったワクチン接種は、COVID-19感染を予防する

COVID-19対策啓発ポスター COVID-19対策啓発ポスター
(左)顔を手で触るのは、危険だ!
(右)またマスクなくて学校に行かせなかったの?

COVID-19対策啓発ポスター COVID-19対策啓発ポスター
(左)交通機関の中でマスクを着用してる?
(右)同志よ、病気かワクチンか選べ!

(MOPA)

もう~!2021年!

 今年は、丑年ですね。牛は草(そう)をよく食べることから、昔から傷や皮膚のできもの(瘡・そう)を取り除いてくれると考えられてきました。東北の郷土玩具にも「赤べこ(赤い牛)」がありますね。赤は魔除けの意味もあります。

 京都の北野天満宮などの天神さんは、菅原道真のゆかりのある牛(像)が、たくさん見られますが、その牛は「撫で牛」と呼ばれ、自分の身体の弱い部分と同じところを撫でて、その手で自分の身体にさわると、その部分が不思議と治るという、いわれもあります。

 牛は、広く病気平癒の願いが込められてきました。それから、縁起物の話といたしましては、掛け軸などに「ひょうたん」の絵が描かれている物があります。そのひょうたんは六つです。六つのひょうたんで「むびょう」(無病)となり、無病息災を願っています。また、馬の絵が描かれている物も。こちらは、九頭の馬で「上手く(馬九)行く」という語呂合わせからです。

 暦の上では、もうすぐ春です。立春の立は「始まる」の意味があります。ちなみに月の始まりは、元々は「月立ち」言っていたそうです。月立ちがなまって「ついたち」になったとか。

 春を迎えて財布も新調してみてはいかがですか。「春は財布が張る(お札でいっぱい)」に繋がるとして、財布を買い替えるのに縁起が良いとか。(笑い)。何はともあれ、明るい気持ちで過ごしましょう。皆さんにとりまして、今年が良い年でありますように。あっ、最後になりましたが、ロシアにも日本と似たような「えと」があるそうですよ。(笑い)

(とくなが なつみ)

『カティンの森事件』展に寄せて

 どの国にも、暗黒に包まれた事象や時代というものがある。ソ連においては『カティンの森事件』が、まさにそれにあたる。

 第二次世界大戦中、ポーランド人の捕虜がソ連兵によって、大量虐殺された。その数訳22,000人超え。通称『カティンの森事件』である。ポーランドの将校を中心に、消息不明となった将官クラスが、後ろに手をくくられ、一発の弾丸を頭に浴び、土の中から発見された。戦後ポーランドで語られることはなく、1998年ソ連が犯行を認めるまでそれは続いた。

 1943年4月13日、スモレンスク付近の森で、大量の遺体が発見された。これに対してまず反応したのは、ドイツである。銃がドイツ製ではあったが、大量に独ソ不可侵条約を結んでいたソ連に供給していたのだ。ゲッペルスは、1940年に殺害されたポーランド将校と断定。周囲の若木で3才位であったこと、3年経たないと脳から出る物質を発見したこと、カティンの地質は特殊で、遺体がミイラ化していたことなどを理由とした。 この問題は、ニュルンベルク裁判で、長らくヒトラーのせいにされる。 ソ連が戦勝国であったからで長い間、タブー視された。

 赤十字が動いている間に、合衆国が議会の満場一致のもと、ドラスティックな報告書を可決。結論的かつ決定的にソ連のNKVD(スターリン下の秘密警察)の1940年のカティンでの虐殺であること。そして英国議会も、米国に呼応した。 英国は、1943年のゲッペルスの報道から暗号まですべて解読していたのだ。 チャーチルは公表しなかった。どの戦勝国も、少しつずつ加担していたのではないかと思われる動きであった。

 1990年、NKVDの犯行という文書が発見された。タス通信は、ベリヤの進言によるスターリンの犯罪と表明した。2009年、ロシア検察当局は「ロシアの機密に関する」という理由に終結させたが、2010年4月、プーチンは慰霊碑にひざまずいた。今回の展示ではこの種の経緯のパネルが約30枚以上展示されている。暗い歴史を検証することで、明るい未来を創造していくのが私達の努めである。

(中出)

展示「カティンの森事件~22,000人のポーランド人将校の行方~」

とき:11月1日(日)~2021年3月21日(日) 
ところ:神奈川県立地球市民かながわプラザ あーすぷらざ5階 国際平和展示室
料金:大人400円、高校生以上の学生200円、小中学生100円
問合せ:045-896-2121

※新型コロナウイルス感染拡大の影響により、開館予定は変更される場合があります。ご了承ください。

投稿歓迎!

 「日本とユーラシア」神奈川県版は会員みんなで作る機関紙です。ユーラシア(旧ソ連地域)関連の投稿をお待ちしています。
 催し物の感想、旅行記、講評、写真、絵などさまざまなジャンルの投稿を歓迎します。
 作品は自分のオリジナルか著作権者の許可を得たものに限ります。
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(機関紙編集部)

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