今月の表紙

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2020年1月号 No.699

行事予定

新年会「ヨールカ祭2020」1月19日(日)横浜市従会館で開催

ヨールカ祭2020  毎年恒例のロシア風新年会&クリスマス会「ヨールカ祭」を1月19日に横浜市従会館で開催します。2020年で第59回目となります。
 ヨールカ(もみの木)祭にはジェッドマロース(厳寒爺)と孫のスネグーロチカ(雪娘)が登場し、子どもたちにプレゼントを配ります。
 ソ連時代、宗教行事が禁じられていたため、新年にクリスマス(ロシア正教の暦では1月7日)の要素を取り入れて祝われ始めたのが由来です。
 本来は年越しの行事ですが、当協会では少し遅めの時期に行っています。詳細はリンク先の広告をごらんください。

ボランティアも募集中!

 例年100人以上が参加する盛大な行事になりますので、大勢のボランティアスタッフも必要です。
 ボルシチをはじめとする大量のロシア料理を前日から何品も作ったり、会場の準備・配膳・物販・後片付けなどをする裏方の力に支えられて初めて、開催が成り立ちます。
 こちらにもぜひご協力いただければ大変助かります。皆様のご応募をお待ちしています!お申し出は協会事務局まで。

ヨールカ祭ボランティアスケジュール(案)

◆1月18日(土)午前 横浜平和と労働会館1階協会事務所に集合、食材等買い出し/ロシア料理の調理/物品の準備など ※時間はご希望の方へ個別にお知らせします。

◆1月19日(日)朝 横浜平和と労働会館1階集合・荷物運搬/横浜市従会館4階ホールで会場設営・装飾・料理準備/13:00開会・料理提供開始/16:30~17:00撤収・運搬/17:00~協会事務所・教室での片づけ

お問い合わせ・お申し込み:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

映画『幕末のスパシーボ』DVD鑑賞会、2月23日(日)開催

『幕末のスパシーボ』  皆さんはヘダ号という船をご存知でしょうか? ヘダ号は幕末に日本とロシアが協力して建造した近代日本で最初期の西洋式船舶という稀有な船です。しかしながら、ヘダ号のエピソードは良く知られているとは言えない状況です。そこで、このエピソードを普及させるべく制作されたアニメーション映画が「幕末のスパシーボ」です。本作のあらすじは以下のとおりです。

 時は幕末、プチャーチン提督率いるディアナ号が下田へ来航し、日本との国交樹立を要求する。対応に苦慮した江戸幕府は、川路聖謨を全権代表に任じ、プチャーチン提督との交渉に当たらせる。日露交渉が始まって数日後、安政の東海地震が発生。その際にディアナ号は大きなダメージを負ってしまう。プチャーチン提督は修理のため戸田村へ向かうが、ディアナ号は悪天候に見舞われて沈没してしまう。 川路は沈没したディアナ号の代船として新しい洋式帆船を建造することに決め、戸田村の船大工に建造を依頼する。船大工達はロシア人達と共に帆船造りをすることになり、日本人とロシア人との交流が始まる。両者は次第に心を通わせるようになり、船造りをとおして交流が深まってゆく。 やがて、船が完成し、プチャーチン提督は戸田村の人々に感謝を込めて、その船をヘダ号と命名する。

 尚、本作は文部省選定・外務省推薦のお墨付きであり、1997年のクラスノヤルスク会談にて、当時の橋本総理からエリツィン大統領に日露友好の証として贈呈された経緯を持つ作品です。日露友好の代表的エピソード、ヘダ号の建造を描いた本作をお楽しみ下さい。

(坂本)

日時:2020年2月23日(日)13:00~
会場:横浜平和と労働会館5階教室
参加費:500円(黒パン・紅茶代)
お問い合わせ・お申し込み:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

活動報告

ヒロシマ通りがあるヴォルゴグラード 「ヴォルゴグラードを知る会」報告

ヴォルゴグラードを知る会  12月15日、ヴォルゴグラードを知る会が行われた。会場には30人近く集まり、ほぼ満員。

 講師はヴァレリヤ先生。街の今昔の写真や地図などを用いて歴史や人気スポット、若者達や街の現状など多岐にわたるテーマが紹介されました。

 この地は歴史の中で幾度か戦いの舞台となった場所です。なので地名や街中にそれに関係のあるものが残っています。

 その為日常的にそういう歴史に触れるので、先生はそれが自分達への戒めになっていると言い、平和への願いも語られました。

 他には広島と姉妹都市のため街中に「ヒロシマ通り」があることや、昨年のワールドカップに伴いだいぶ街中も様変わりしたことなどをお話しされました。

 最後には先生からのお土産のお菓子を頂き、お茶をしながら歓談しました。

 日本からの直航便はありませんが、先生オススメのモスクワから寝台車の旅、チャンスがある方は是非お出かけになってはいかがでしょうか。

(文・五十嵐/写真・滝沢)

ロシアの歌と料理で盛り上がった望年会

望年会  12月15日(日)は、「ヴォルゴグラード」を知る会を14時から15時半まで、「望年会」を16時から18時まで行いました。片方しか参加されなかった数名の方を含めて総勢32名の申し込みがあり、両方とも大いに盛りあがりました。

 望年会では、木佐森会長が前日から作って下さったボルシチとオリヴィエ風ポテトサラダを含めたいくつかのサラダ、黒パンに燻製オイルサーディンなどをいただきながらワインを片手に歓談し、ロシア歌謡を歌い、大いに盛り上がりました。

 また、今年の望年会の目玉料理、焼きたてスィルニキ(カッテージチーズ・パンケーキ)をブルーベリージャムとスメタナ(サワークリーム)を添えて美味しくいただきました。

望年会  前日から自宅でスィルニキ用にトゥヴォロク(カッテージチーズ)を作って下さり、当日は人数分を焼いて下さった藤田様、そして板垣様に心から感謝します。

(文、スィルニキ写真・野口/
望年会写真・滝沢)

第3回を迎えた「山之内重美とロシア歌謡を歌おう!」
2019年平労会館まつり

平労会館まつり  今年3回目を迎えた「山之内重美とロシア歌謡を歌おう!」が12月1日(日)「平労会館まつり」の大きなイベントとして、会館2階の音楽ホールで開催されました。

 今年の歌声ピアノ伴奏は、ピアニストの大山紀久さんです。山之内さんも青山の曼荼羅や横浜中華街入り口にあるデュモンでの定期リサイタルでお忙しいところ、「ロシア歌謡を愛してくれる人がいるところなら、どこでも行きます」と気軽に乗ってくれました。

 しかし、昨年は定刻前に到着したのですが、今年は、少し遅れてしまいました。その間金子隆一氏の音頭で歌集の順番に歌い始めました。最初の曲は「モスクワ郊外の夕べ」です。

 山之内さんは、早稲田大学でロシア歌謡について講義をしているとともに、ロシア歌謡の数少ない研究者なので、曲一つ一つの歴史的背景、歌われた方についてくわしい説明が入ります。「ともしび」の灯は、田舎の農家の灯ではなく、モスクワの街がナチスの砲爆撃で破壊され、灯火管制下の灯なのです。生きて戻れないかもしれない若者の想いがより切実に湧き上がってきます。

 5階教室では、「平和友好カフェ」が開店しました。メニューはロシアケクス(ロシア風カップケーキ)、ロシアハーブティーチョコレート付き、ウォッカなど。午後1時からは、ロシア映画「スペースウォーカー」(2017年制作)。1963年に世界で初めて宇宙遊泳をしたアレクセイ・レオーノフの宇宙への想いと、米国との宇宙競争に勝つことだけを考えている指導部との軋轢、最後は、サハリンのアマチュア無線家の通報で救われる、2時間16分の超大作でした。

(木佐森)

教室案内

第130期ロシア語「日本案内」クラス三渓園実習

三渓園実習  12月1日(日)、第130期で終了した日本案内クラスの受講者の皆さんが三渓園で最後の実習を行いました。

 皆さんは、日本庭園と茶道の歴史や特徴、そして抹茶のいただき方などの6課題の中から希望テーマを選び、忙しい仕事の合間に準備し、当日は同行して下さったコンドラシキナ先生、日本語を勉強中のダイアナさん、そして三渓園で偶然に出会った2名のロシア人男性にロシア語での説明を試みました。またお茶の点て方を見学し、抹茶もいただき、三渓園の紅葉を愛でることができました。

 2時間の実習の後は、皆で平和と労働会館祭りでロシア民謡を歌い、楽しい日曜日となりました。

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

 レッスン内容は奏法の基本から音楽理論や高度な内容まで。毎月土曜日に開講、実質個人レッスンとなります。初心者の方も、以前習っていて中断された方も歓迎します。

今後の予定:1月11日、1月18日
※変更の場合がありますので、見学・受講ご希望の方は事前にお問い合わせください。
時間:14:30~18:15の間、各45分
講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
レッスン料(1回、税10%込):一般11,000円、会員9,500円


みなとみらいマトリョミン教室 アンサンブル/グループレッスン

日程:毎月1回、土曜日開講
2019年度後期日程:10月19日、11月16日、12月21日、1月18日、※2月22日、3月21日
※2月のレッスン日が変更されました。
内容:個人演奏・アンサンブル各クラス
レッスン時間:Aクラス13:00~14:00、Eクラス14:10~15:40
2019年10月以降の受講料(税10%込):
アンサンブル Eクラス 3,667円×6回=22,000円
グループ・個人レッスン A/Bクラス 3,142円×6回=18,850円

講師:檜垣 紀子
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センターホール
(※2月22日のみ3階会議室)


お勧め商品

マトリョーシカバッグ

マトリョーシカバッグ 3,500円(税込)

縦30cm 横25cm マチ5cm 肩掛け紐100cm

マトリョーシカエプロン

マトリョーシカエプロン
各3,000円(税込)

マトリョーシカのアップリケが施されたエプロン各種。

マトリョーシカキーホルダー 各400円~550円(税込)

マトリョーシカキーホルダー マトリョーシカキーホルダー

写真左・各400円 写真右・左550円、中・右450円 人形の高さ 約4cm

マトリョーシカ5個組(大)

マトリョーシカ5個組(大)
3,800円(税込)

外側の人形の高さ 約15cm

マトリョーシカ3個組(中)

マトリョーシカ3個組(中)
各1,500円

外側の人形の高さ 約10cm

マトリョーシカ5個組(中)

マトリョーシカ5個組(中)
各2,000円

高さ約8cm~10cm

マトリョーシカピンブローチ

マトリョーシカピンブローチ
各500円

ピンの幅 約7.5cm 人形の高さ 約2cm~1cm

ロシア民芸ブローチ

ロシア民芸ブローチ 各800円

正円の直径約5cm 楕円の長径約6cm
職人の手作業による絵付け

ユーラシアスポーツVol.18

ユーラシアスポーツVol.18 440円(税込)

昨年後半のスポーツの大会をオールカラー写真で特集した当協会機関紙別冊「ユーラシアスポーツ」最新号が発行されました。
表紙は新体操世界チャンピオンのアヴェリナ選手(ロシア)です。
入手ご希望の方は通販サイト「うにべるま~ぐ」、または協会事務所でご購入ください。

文化・芸能

芸 能

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10  С Новым годом и Рождеством! 新年から盛り上がっているロシアから、2019年12月第5週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。今月は10曲中3曲が新曲!

 大好きな父母に贈る感謝の歌、グラードスィの久々のシングル≪МамаПапа≫(ママパパ)が10位にランクイン。PVではメンバー幼少時の秘蔵写真を公開。心温まる歌と映像です。

 エマエムと、セレブローの元メンバー・テムニコワとのデュエット曲≪Нереальная любовь≫(非現実的な愛)が9位に。

 2012年にブレイクしたウクライナ出身イケメンアーティスト、バルスキフの≪Лей, не жалей≫(惜しまず注いで)が8位に。甘く気だるい声でリスナーを魅了します。

 人気絶頂デュオ、アルティック&アスティを2位に落とし首位を獲得したのは、ズィヴェルトの新曲≪Credo≫(クレド)でした。おめでとうございまーす!:-)

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart、2019年12月23日~29日/MOPA)

舞 踊

日本舞踊の可能性Vol.2「信長~Samurai」

11月27日 於:東京・浅草公会堂

信長~Samurai  日本舞踊をメインに、他ジャンルとのさまざまなコラボレーションによってさらなる可能性を探るプロジェクト。Vol.2となる今回はバレエとのコラボで、日本舞踊家のサラブレッド藤間蘭黄、ロシア・バレエ界のレジェンドであるファルフ・ルジマトフ、ボリショイ・バレエで外国人として初めてソリストとなった岩田守弘が出演した。

 第一部は、それぞれの個性や特徴を生かしたソロパート。岩田は和太鼓演奏をバックに峻厳な自然を表現した「遊山」、藤間はリストのピアノ曲に合わせゲーテの「ファウスト」をモチーフとした「メフィスト・ワルツ」を演じた。ルジマトフは「モーツァルトとサリエリ」のサリエリにフォーカスした「レクイエム」を情感たっぷりに踊った。

 第二部がタイトルにある「信長」。藤間が斎藤道三と明智光秀の二役、ルジマトフが織田信長、岩田が豊臣秀吉を演じ、信長の天下取りから本能寺の変までを描いた作品だ。コミカルな跳躍で魅せる躍動的な岩田と対照的に、ルジマトフの信長は苦悩する英雄を威厳に満ちた振付で踊り、圧倒的な存在感を放った。

 ただし、こうした複雑な物語を演じるにあたり、ステップが主流のバレエより、パントマイムに近い日本舞踊の方が向いているような気がした。藤間のストーリーテラーとしての日本舞踊は、派手なアクションはないものの、2人のバレエダンサーより雄弁だった。かくして、日本舞踊にとってバレエとのコラボレーションは題材によって成功が左右されるのではないかとの感想をもった。

 アンコールはルジマトフと岩田が、今回の舞台ではなかったフェッテを何度も披露し、大喝采を受けていた。

(文・滝沢 三佐子 撮影・丸山 英樹/エムズ フォト)

※この公演には、ロシア文化フェスティバル事務局のご厚意により、神奈川県協会から11名が参加しました。

音 楽

ウクライナ・クラシック演奏会

ウクライナ・クラシック演奏会  11月27日、高輪区民ホールでウクライナ大使館主催のコンサートが開かれました。

 出演者は4人、ピアノ・ソプラノ・ヴァイオリンそして初めて聴くウクライナの縦笛ソピルカの演奏家がウクライナの作曲家の作品を披露してくれました。

 オープニングはボルトニャンシキーの「フルートとピアノのためのソナタ」でピアノとソピルカで演奏されました。ウクライナ独自の縦笛であるソピルカ、フルートよりも柔らかな音色で、基音がしっかりしている印象です。奏者のコンチンスカは、低音部を受け持つアルト、ソプラノ、ピッコロの三種のソピルカを曲によって使い分けていました。個人的にはアルトの音が気に入りもっと聞きたかった。

 全体で10人の作曲家の14の作品を、休憩なしに聞かせてもらい満足満足です。

 ピアノのイヴァニュシェンコもヴァイオリンの澤田智恵も素晴らしい演奏を聴かせてくれましたが、ソピルカのコンチンスカとソプラノのオクサーナ・ステパニュックが心に残りました。

 演奏家だけでなく、作曲家もウクライナという土地柄かゆったりとした中に現代曲らしい切れの良さを聴き取れました。

 ウクライナといえば、私にとってはキエフバレエが頭に浮かび、ボリショイ・キーロフよりもゆったりしたステージを思い出し、今回のコンサートに共通のものがあると感じました。

(文・金子/写真・木佐森)

演 劇

ヨルノハテの劇場「外套」

11月29日 於:横浜・WAKABACHO WHARF

外套  ゴーゴリの短編小説「外套」をモチーフとした一人芝居。演じるのは、関西出身のパントマイマー、SATOCO。

 一人の貧しい下級官吏アカーキー・アカーキエヴィッチは、持っていた外套が修繕不可能と告げられ、一大決心をして外套を新調する。倹約に次ぐ倹約、仕事に次ぐ仕事でようやく代金を貯め、新しい外套を手にした彼は幸せに浸りながら出勤。これを見た同僚たちも外套新調を祝して宴を開いてくれたが、アカーキー・アカーキエヴィッチは帰路の夜道で追いはぎに遭い外套を奪われる。外套を取り戻すべく警察署長や有力者に協力を依頼するものの、貧しい官僚なので相手にされない。失望したアカーキーは、病に倒れて死んでしまい、ペテルブルグには彼の幽霊が出るようになる…。

 これは「外套」のプロットだが、SATOCOはこれに自分自身の体験を絡めた。東京でのオーディションに合格し打ち合わせをした帰り、うっかり電車を乗り過ごして金沢八景駅に降り立つ。不運なことに終電も終わっていた。見知らぬ土地で一晩を過ごすことになった彼女だが、外套がその晩をやさしく包んでくれるのだった。

 パントマイムでアカーキー・アカーキエヴィッチの日常を表現しながら、セリフは第三者の目でアカーキーのことを語っていくところが新鮮。ときおり挟まれる自身のことも、外套を人生の伴侶のように感じさせ、心温まるストーリーとなっていた。

 また、照明がすばらしかった。舞台の壁にうつる影がもう一人の出演者となり、SATOCOとシンクロしたマイムを演じているようだった。

(文・滝沢 三佐子/写真・劇団提供)

ユーラシア通信

「世界の国々を知ろう!~ロシア連邦編~」異文化理解ワークショップ開催

世界の国々を知ろう!~ロシア連邦編~  私たち、東海大学チャレンジセンターTokai International Communication Clubの一企画である異文化理解ワークショップは、神奈川県秦野市に住む小学生とその保護者を対象にした体験型のワークショップを行っています。


世界の国々を知ろう!~ロシア連邦編~  今回12月7日(土)に行われた「世界の国々を知ろう!~ロシア連邦編~」では、ロシアの観光地・習慣・食の3つのブースで展示を行い、穴埋め形式にしたパンフレットを埋めてもらいながら子どもたちにまわっていただき、ロシアについて幅広く学んでもらいました。そして、ロシアの遊びである『食べられるもの・食べられないもの』や『ガラツキー』を行い、どちらも実際に体を動かしながら体験していただきました。さらに、東海大学に在学中のロシア人留学生による言語学習も行い、実際にロシア語の発音や書き取りを通して子どもたちに、ロシアをより身近に感じていただきました。

世界の国々を知ろう!~ロシア連邦編~  このイベントを通して、幼いうちから異文化体験をすることにより、価値観が広がり、すべての参加者にメディアの情報のみに流されず、自分自身でその国を判断することができる人になっていただきたいと願っています。

(槌田)


語劇もコンサートも素晴らしい、でも学生数激減… 東京ロシア語学院祭

 12月8日(日)、恒例の東京ロシア語学院祭に参加しました。今回は創立70周年という区切りの開催。

 コンサートは河崎美智子さんが指揮するユーラシアコーラス。何と、今回は河崎さんは指揮を執らず、コーラス会員が歌うというコンサートでした。河崎さんは教え子である会員の歌声に聞き入っておられました。おなじみの「百万本のバラ」。そして、ロシアの自然や美しさを語るように歌う「ひばり」と「ロシアの野」。文字では表すことができないほどの歌声でした。

 お待ちかねの語劇は、1年生が宮沢賢治の「注文の多い料理店」のロシア語訳。出演者はたった2人でしたが、その一生懸命のロシア語と演技には感心しました。実は、関戸は演劇部顧問なのです。その目で見ても、演技は上手に思えました。3年生は、さすがにロシア語学習歴を感じさせるものでした。チェーホフの「子犬を連れた貴婦人」を上演しました。

東京ロシア語学院祭  ここで、食事がよければ大満足なところなのですが、ロシア語学院は学生数が激減。今まで、1~3年生、各学年で営業していたレストラン・カフェは一つしかありませんでした。1年生が2人というのは寂しいものです。そのため、全学生を集めて一つのレストランしか営業できなかったのです。メニューも、ボルシチとペリメニ、コンポートだけ。教職員のカフェがもう一つあるだけの寂しいものでした。

 来年は、学生数が増えて以前のような豊富なメニューのあるレストラン・カフェを期待したいものです。

 神奈川からは他に中垣内さんも一緒でした。また、バラホルカの中村さんも元気よく店を出していました。

(文・関戸/写真・中垣内)

広島での旅行報告会 日本ユーラシア協会広島県連より

 12月1日(日) 、広島市留学生会館で旅行の報告会が開催されました。ちなみに、この広島市留学生会館は、2020年3月28日・3月29日 に開催される全国総会の会場です。

 この日は、三つの旅行の報告会でした。コーカサス・カザフスタン、そしてサハリンでした。広島からの参加者が3人おられ、主催は神奈川でしたが、ここ広島での報告となりました。

 ところが、田中理事長苦心の作であるDVDが機械の不調で上映できませんでした。しかたなく、関戸が口頭のみの報告となりました。でも、一緒に参加した上野原さんも、発言してくれたので何とか旅行の雰囲気は伝えられたと思います。後日、送られてきた広島版機関紙では、「スクリーンに上映できない中での関戸さんのサハリン旅行のお話が好評であったのはありがたい」との記述。参加者の感想にも「サハリン旅行では映像が見られなかったのは残念であったが、関戸さんのお話は、熱意がありとてもよかった」とのことでした。

 内容は、主に宮沢賢治の足跡・真岡郵便局女子局員の悲劇がテーマであったことを話しました。また、祖父の家を確認するために参加された姉妹がいたことなどは驚いておられました。

 その場で「次は私も行きたい」という声もあり、次回の旅行の成功を思わせる報告会となりました。

(関戸)

モスクワ支部との交流とボリショイ、マリインスキー三昧

 ロ日協会モスクワ支部との交流とボリショイ劇場、マリインスキー劇場でのバレエ観劇を主眼にしたモスクワ・サンクトペテルブルグの旅が、ユーラシア協会主催で12月4日~10日にかけて行われました。総勢4名の内、当神奈川県協会から3名が参加しました。寒い雪のモスクワを想定(期待?)していたのですが、気温は+2度、夜、雪になっても、昼間(薄暗い昼間ですが…)には融けてしまいます。

モスクワ・赤の広場 クリスマスマーケット モスクワ・ジェーツキーミール
(左)モスクワ・赤の広場クリスマスマーケット (右)モスクワ・ジェーツキーミール

 モスクワ支部との交流ということで、同支部理事長で文学者のガリーナ・ドゥートキナさんに、現代ロシア文学界の状況について話してもらい、懇談をしようと、メールで事前にお願いしたところ、ドゥートキナさんからA4判28ページの長文のロシア語の論文「21世紀のロシア文学:人気作家と文学賞」が送られてきたのです。とても、それを読みこなすことはできないので、ロシア演劇研究家の安達紀子さんに、旅立ち5日前の11月29日に、急遽、ドゥートキナ論文の要点を解説してもらいました。

モスクワ・作家同盟会館で  5日のモスクワ作家同盟会館のレストランで行われた、ドゥートキナさんのポストソビエトの文学についての日本語でのレクチャーは、安達さんとの事前学習のおかげで、理解することができました。ドゥートキナさんは、現在、流行っているポストソビエト文学については批判的で、今後それを乗り越える作品が出てくるとの期待を述べました。

 作家同盟会館での昼食の後は、モスクワ文学散歩です。レールモントフの家、トルストイの家、プーシキンの家を巡りました。ドゥートキナさんにもお付き合いいただき、雑談を含め日本語で交流を深めることができました。

モスクワ文学散歩・トルストイの家 レストランにて
(左)モスクワ文学散歩・トルストイの家 (右)レストランにて

 その夜は、ボリショイ劇場(本劇場かと期待していたが、全く別のニコリスカヤウーリツァにある200席ばかりのボリショイ小劇場だった)で、ソルジェニーツィンの「イワン・デニーソヴィッチの一日」のオペラを聞きました。小さいながらもオケ付きで、出演者も30人以上で、若い観客が多く、なかなかの熱気がありました。

モスクワ・ニコリスカヤ通り サンクトペテルブルク・ネフスキー大通り (左)モスクワ・ニコリスカヤ通り (右)サンクトペテルブルク・ネフスキー大通り

 翌日は、ガイドなしの自由行動。夜はボリショイ本劇場での「バヤデルカ」。席はパルテールの前から10列目、現地ガイドに買ってもらったチケットを見ると16,000ルーブル、ギョッとしました。

バレエ「バヤデルカ」 バレエ「くるみ割り人形」
(左)ボリショイ劇場でのバレエ「バヤデルカ(ラ・バヤデール)」
(右)マリインスキー劇場でのバレエ「くるみ割り人形」

 7日からは、サンクトペテルブルク。初日はマリインスキー劇場で年末恒例の「くるみ割り人形」。8日は、隣の運河を渡ったところにあるニューマリインスキー劇場で「ロミオとジュリエット」です。4日連続のバレエ、オペラ観劇で充実した旅行となりました。

サンクトペテルブルクの朝景・中央は聖イサク寺院 サンクトペテルブルク・エルミタージュ美術館
(左)サンクトペテルブルクの朝景・中央は聖イサク寺院
(右)サンクトペテルブルク・エルミタージュ美術館

(文・木佐森/写真・木佐森、合田)

投稿歓迎!

 「日本とユーラシア」神奈川県版は会員みんなで作る機関紙です。ユーラシア(旧ソ連地域)関連の投稿をお待ちしています。
 催し物の感想、旅行記、講評、写真、絵などさまざまなジャンルの投稿を歓迎します。
 ただし、作品は自分のオリジナルか著作権者の許可を得たものに限ります。
 デジタル画像はテキストファイルに貼りつけず、別ファイルでお送りください。
 また、ペンネームや注意事項があればお書き添えください。
 毎月末締切、翌月15日頃に発行される見込みです。

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 機関紙編集部
〒231-0062 横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館1階
Fax 045‐201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp
(機関紙編集部)

歴史・社会