ハバロフスク対外友好団体連合会(事務局長ゾーヤ・ロイトマンさん)と神奈川県日本ユーラシア協会の骨折りにより、ハバロフスク国立太平洋大学芸術・デザイン学部と横浜市青葉区にある横浜美術大学とが姉妹校関係樹立に向けた最初のワークショップが11月9日(金)に行われました。
横浜美術大学の岡本信明学長はあいさつの中で「いままではロシアとの関係はなかったが、これからはハバロフスクとの関係を深めていきたい。太平洋大学と姉妹校関係に発展していきたい」とあいさつ。また、太平洋大学ナターリヤ・マルトゥイノヴァ芸術・デザイン学部長は「この場を借りて、神奈川県日本ユーラシア協会とハバロフスク対外友好団体連合会に感謝したい。これこそ草の根外交だ」と両団体の仲介に感謝を述べました。
神奈川県協会のハバロフスクとの交流は、1999年に最初に訪問団を送って以来、20年に渡り毎年、訪問団を送り続け、同市対外友好団体連合会との交流を深めてきました。2013年には、ゾーヤさんを団長とする6名が、横浜の春を楽しむために来日し、15年には、ロシアで初めての原爆展をハバロフスク市で、両団体共催で開催。その後も、相互にハバロフスク、神奈川県の児童画展に出展するなどしてきました。
今回の国立太平洋大学の訪日のきっかけは、学部長のナターリヤさんがゾーヤさんに「横浜と長年交流しているなら、横浜美術大との繋がりを模索してほしい」との依頼があり、ゾーヤさんから神奈川県協会に斡旋の依頼がきました。依頼があり、横浜美術大に話をしたところ、当初は何のことか理解されなかったが、何回か話をするうちに、交流の意図を理解し、両大学の学生及び教授の交流及びワークショップをすることになったもの。
11月4日に同大学芸術・デザイン学部の教授など12名、学生8名、そしてゾーヤさんの計21名が来日。7日は、三渓園。8日は鎌倉と、日本の秋も楽しみ、8日夜の歓迎会には会員30名も集まり、手作りの秋の料理、寿司、刺身に舌鼓を打ち、草の根の交流を楽しみました。
(木佐森)
ハバロフスク代表団歓迎 参加者の声
◆ 成田空港への出迎え
突然依頼された成田空港へのお迎えは楽しめました。エレーナ・アブドゥラザーコヴァさんと彼女の学生マリアさんを雨の中迎えに行ったのです。
浅草のホテルからすぐに行けば十分間に合ったのですが、ちょうどホテル移動日で赤坂のホテルへ移動したので、そこまで一緒に行ってから空港へ行きました。急いで行ったのですが、空港の入国口に着いたら、13時50分から14時位でした。
会えると思い待っていましたが、出てこないのです。30分ほど待って呼び出しをかけてもらいましたが、会えません。そこで入管へ電話確認したところ、もうすでに出て誰も残っていませんとのこと。仕方なくエスカレーターに歩いていくと何と本人が。エレーナさんも私ももう嬉しくて泣かんばかりでした。が、本人は初めての日本に写真を撮っていたとあっけらかんとしたものでした。まあまあ会えてよかったです。
往復の車中でエレーナさんの日本とその文化への深い知識に触れることが出来、ロシア語をずっと続けて学んでいこうと心新たにしました。
(清永)
◆ 三渓園見学
11月7日、ハバロフスクにある太平洋大学、美術・デザイン学科の教授、大学院生・学生が横浜三渓園に秋を楽しみに来ました。
一行は日本の庭園、古建築を見学したほか、折から開かれていた菊花展も鑑賞し喜んでいました。三渓園側では吉川事業課長さんが案内してくださり、一行の到着が定刻より遅れ、見学後半は閉園時間になってしまったにもかかわらず、特別に開園を延長してくださるなど丁重な対応をしてくださりました。感謝!!!
(柴田)
私たちは11月7日の午後にハバロフスクの旅行団と一緒に三渓園に行きました。私は10年ぶりの2度目の三渓園でした。
ハバロフスク旅行団が投宿しているホテルの近くの中華街入口バス停からバスで三渓園に行きました。
三渓園の中は少し紅葉していてきれいでした。ハバロフスクの方は紅葉や昔の日本家屋等に興味を持って、喜んで写真を撮っていました。中にある池の前で、たまたま出会った和装の日本人の新郎新婦に非常に関心を持ち、プロのカメラマンが撮影する前に、自分たちでうれしそうに写真を撮っていたのは興味深かったです。
三渓園の中を散策できたのは、2時間足らずでしたが、充分に楽しむことができました。
(井村)
◆ 歓迎の宴
今回私は司会を務めました。非常に緊張しましたが、人前で話す時に使えるロシア語のフレーズを実地で学べ、いい経験になりました。温かく見守ってくださった日露の参加者に感謝いたします。
一点、残念だったのは歌のコーナーで日本側の声が小さかったことです。歌詞カードはありましたが、歌い慣れていなかったためと考えます。これを機に、皆で歌える曲を2-3曲準備しませんか。こうした会で日露の大合唱が実現すれば、友好関係は更に深まると思います。
(川北)
野口先生・梅津さんと準備段階から参加しました。
最初は3人で完了できるかと心配でしたが、何とか間に合いまして安堵しました。今回は和食メインの献立と北海道名物ちゃんちゃん焼き・手巻き寿司の実演もありましたので、皆さまが喜んでくださっていたら嬉しい限りです。宴席ではスマホを頼りに、拙いロシア語が通じた事も嬉しかったです。また、いつもは異なるクラスで学んでいる皆さんとも楽しいお喋りが出来ました。
今後も機会が有りましたら、是非宜しくお願いいたします。
(板垣)
11月8日の歓迎交流会は、木佐森会長や野口先生はじめ、多くのロシア語教室の生徒さんがお料理したり準備された御馳走がテーブルに並び、温かい歓迎の雰囲気が溢れる中で行われました。
お茶を点てる係を仰せつかった私は、「着物を着て点ててもらったら最高なんだけど」というお言葉を真に受け、豚も木に登った感じでした(!)。
でも、おもてなしの気持ちは伝わり、前日に三渓園でご一緒した先生方や学生さんたちなど代表団の十数人の方々はじめ20人ほどの方がお抹茶を楽しんで下さいました。
「ユニークな味」、「この味はミルクにも合うね」とか、「もう一杯お代わりしてもいいですか?」という方まで色々。お点前は超省略で点てるだけでしたが、お茶の頂き方はお伝えしたので、「ちゃんとした飲み方を教えて下さって有難う」と言って下さる方もおられ、少しは日本文化の紹介になったかも…。
何より素晴らしかったのは、生徒さんたちが積極的にロシア語でお話しされていたことと、代表団の方々も日本側参加者も、本当に楽しんでおられるご様子だったこと。皆々様、本当にご苦労様でした。
(織田)
再度の企画、『草原の実験』DVD鑑賞会
三連休の最終日、11月25日(日)に『草原の実験』の再度の鑑賞会が行われました。参加者は4人と少なかったのですが、おなじみの海軍マカロニを頬張りながらの鑑賞会となりました。1949年、セミパラチンスクでのソ連最初の核実験がモチーフとなった作品です。
未見の方のために、詳述は避けますが、映像のすばらしさと美しさに目を見張ります。また、出演者にセリフが一言もなく、感性で理解していく映画でした。そのため、参加者が疑問を声に出したり、その疑問に答えたりといういつもとは違ったシチュエーションの鑑賞会となりました。そして、ラストシーンには言葉がありませんでした。今、その時まで生きていた人や動物、美しい緑が一瞬にして失われてしまったのです。本当に「消えてしまった」という表現がピッタリです。核の恐ろしさを淡々と訴えていました。
日本でも、広島の被爆遺跡の中に似たようなものがあります。「死の影」と言われている、旧住友銀行の階段です。1945年8月6日の朝、この階段に腰かけていた人がいました。その時、原爆が落ち、その人は消滅してしまったのです。階段は石造りでしたが、その石の表面が溶けてしまいました。ところが、腰かけていたところだけは石が溶けずに残ったのです。原爆ドームよりも、この死の影の方がよほど核兵器の悲惨さを語っていると思います。
そのようなことを語り合いながらの鑑賞会、大変有意義でした。日本もロシアも核兵器の悲惨さを肌身で知っています。このことを共有していくことも友好運動の大事な一つと感じる鑑賞会でした。
なお、本来11月25日に行う予定の『ドクトルジバゴ』は2019年2月24日(日)に延期しました。詳細は次号にて。
(関戸)