今月の表紙

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2015年6月号 No.644

行事予定

戦後70年、ハバロフスクへの旅の意義
6/21「旅行説明会」 7/26「事前交流会」

大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅  横浜平和と労働会館5階・当協会教室において、6月21日(日)14:00より第17回大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅」旅行説明会を、7月26日(日)13:30より、同・事前交流会を開催します。

 今年の旅は戦後70年という大きな区切りの年です。日本国民が70年という間、海外へ出て戦闘をすることなく平和な時代を過ごしてきたのです。今、日本では海外へ自衛隊を派遣する法案が国民的な議論になっています。

 今こそ、70年前の悲劇を見つめなおさなければいけません。その意味で今回の旅では「アンゼラスの鐘」上映会と原爆展を企画しました。世界で唯一、戦争において核兵器の被害を受けた日本と世界最大最多の核保有国ロシア。

 私たちの旅は小さいながらも、確実な平和への道しるべになります。

 ぜひ、多くの方々の参加を望みます。

大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅
アムール河の遊覧船

● 旅行説明会

2015年6月21日(日)14:00~
横浜平和と労働会館5階 当協会教室
参加費:無料
内容:旅行についての詳細な案内、これまでの旅行のDVD鑑賞
※旅行への参加を考えている方、検討中の方、どなたでも参加できます。

● 事前交流会

2015年7月26日(日)13:30~
横浜平和と労働会館5階 当協会教室
参加費:無料
内容:旅行参加者のための具体的説明、打ち合わせ、親睦と交流

※説明会・交流会参加のお申し込みは、前日までに当協会事務局へ。
参加お申し込み先:NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax 045-201-3714
eurask2@hotmail.co.jp


第17回大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅

第17回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅 日程:2015年8月5日(水)~10日(月) 5泊6日
ホテル・ホームステイコース/ダーチャ生活体験コース 各コース総額230,000円(燃油サーチャージ込、オプション除く)
ルート:アシアナ航空便にて羽田空港~仁川(韓国)経由~ハバロフスク空港
コース:ホームステイ(民家に1泊)、ダーチャ(ダーチャに2泊)
詳細は同封のチラシをごらんください。

詳しくはチラシ画像をクリックしてPDFファイルでごらんください。

大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅
サマーキャンプ「オケアン」

大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅
花が咲き乱れるダーチャ(郊外の菜園付セカンドハウス)の庭

平和への思いをこめて ~『激動の昭和史 軍閥』DVD上映会~

激動の昭和史 軍閥  70年前の7月26日、何があったかご存知ですか? この日「ポツダム宣言」が全世界に向かって放送されました。もちろん、日本政府もこの放送を受信しました。「カイロ宣言」よりもゆるくなったその内容に外務省は和平交渉への期待を持ちました。

 ところが、当時日本国内では、この放送は民間レベルでは受信できなかったのです。神奈川県連の柴田会長の家では短波ラジオを持っていましたが、一般の家庭には短波ラジオの所持は禁止されていたのです。理由は、本当のことを国民が知ったら戦争の継続が不可能だからです。本当のことを知れば、国民が戦争をやめさせたでしょう。

 短波ラジオがないから、一般の国民は「ポツダム宣言」を知りませんでした。この「ポツダム宣言」を受信したのは日本政府のほかにもう一つありました。それは海外に展開している270万人の軍隊だったのです。軍隊は作戦遂行のために命令を迅速に伝えなければなりません。そのために、優秀な通信機器を通信隊に設置していたのです。何と、前線の軍隊から「ポツダム宣言」の問い合わせがあり、やむなく新聞に発表したのです。

 つまり、国民は全く無視された状態だったのです。国民に真実を知らせるマスコミは何をしていたのでしょうか。その実情を描いた「軍閥」をその7月26日に上映します。旅の「事前交流会」後、同じ場所で15:15から行います。真実を知ること知らせること、このことをしっかり考えましょう。

***
日時:2015年7月26日(日)15:15~
会場:横浜平和と労働会館5階 当協会教室
参加費:300円(黒パン・紅茶代)
お申し込み:神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax 045-201-3714
eurask2@hotmail.co.jp

【映画情報】
1970年/日本映画(東宝)/133分/カラー シネマスコープ/監督:堀川弘通/製作:藤本真澄、針生宏/脚本:笠原良三/音楽:真鍋理一郎/撮影:山田一夫/出演:中村又五郎、小林桂樹、中谷一郎ほか

活動報告

明るく元気なハーモニー「ロシアロマンスと民謡を歌う会」

 5月17日、夏を思わせるような午後の日曜日。3回目のロシアロマンスを歌う会が開催されました。

 川北ナターリヤ講師が用意した二曲、「白きアカシアのかぐわしき房よ」と「ああ、愛しき君よ」を原語で1フレーズずつ歌いこんでいきました。参加者の中にはロシア語は全く知らないという方もいたようですが、歌のすばらしさは言葉ができなくても口ずさめるところです。ロシア民謡愛好家や歌の好きな方には言葉の障害はなく、難しいロシア語の壁を乗り越えて、先生と一緒に明るく元気なハーモニーとなりました。先生は覚えたばかりの歌を参加者に「1フレーズでもいいからどうぞ」とソロのリクエスト。先生にそう言われては、歌わないわけにはいきません。中には、一曲全てを美しく歌い上げる方もいました。

 語学の勉強もこのようにやれば、苦にならないかもしれません。今後もこのような企画を続けたいものです。

(関戸)

ロシア語が結びつけた30年後の再会「初夏の親睦会」

初夏の親睦会  「歌う会」に続いて、新入会員やロシア語教室新入生を交えての親睦会。「歌う会」の参加者も引き続いての参加。テーブルの上には、野口事務局次長兼ロシア語講師が前日から仕込んでくれた数々の料理。それらを熱々の「ブリヌイ」で包んでほおばる「ブリヌイパーティ」となりました。「歌う会」の途中から調理を手伝ってくださった織田ロシア語講師、滝沢理事のがんばりで、すばらしい親睦会となりました。

初夏の親睦会  関戸は司会を担当したのですが、おなかが満ち足りたところで、参加者の皆様の一言挨拶。今回は多彩な顔ぶれとなりました。ロシア生まれで日本育ち、そして中国籍を持つ孫さん。日中協会事務局専従の滝沢さんとは中国語の会話も。

 その孫さんの大学の後輩も新入会員で、この親睦会に来られていました。何と大学三年生。若い方がいるのは本当にいいものです。

初夏の親睦会  また、驚いたことに関戸の父が卒業した中野高等無線学校の先輩に当たる方がお父様だという参加者も。ロシア語を学ぶきっかけや、入会した理由をお聞きしたときにわかったことです。関戸の父は陸軍の通信隊、その方のお父様は海軍とのこと。およそ70 年ぶりの先輩後輩の子供たちが顔を合わせたのです。

 そして、何よりも驚いたのは30年ぶりに高校時代の師弟の再会があったことです。お互いに自己紹介をしてから、思い出したとのこと。今、教師をしている関戸も今後、何十年か後にこんなことがあるのでしょうか。おいしい料理に満足し、様々な縁やめぐり合わせにびっくりの親睦会となりました。そして、このすばらしい行事の企画・準備にテンテコマイだった野口さんに感謝します。また、今後もお願いします。

(関戸)


教室案内

横浜ロシア語教室 第122期 4月開講

 4月に開講した今期の教室も2ヶ月が経ちました。初めて学ぶ方のための「入門」クラスでは火曜に5名、土曜に3名が学んでいます。先生方は一部の教材を手作りするなど、生徒の皆さんが楽しく学べるよう工夫して授業を行っているようです。

 現在、クラスの授業は火・木・土曜に集中していますが、教室は月曜~土曜まで営業中です。個人レッスンや中途入学をご希望の方はお問い合わせください。見学は3クラス・各30分以内は無料です。受講お申し込み・お問い合わせは教室事務局まで。


寺子屋便り(2015年6月)

 前期に引き続き、第122期も皆様のロシア語学習を応援している寺子屋では、4月、5月には自習のお手伝いだけではなく、初級Ⅰクラスの皆様と一緒にロシア民話『マーシャと熊』を読みました。

 2、3歳の子どもを対象にした音節ごとに区切られた絵本で、発音の練習に良い教材でした。また参加者の皆様は覚えたての言葉や文法が使われている箇所の理解ができたので自分の学習の進歩を確認でき、喜びを味わうことができました。これからも絵本の購読を続ける予定でいます。

 寺子屋は今期も皆さんのロシア語学習を応援してまいります。

 楽しくロシア語を学び続けるためにどうぞ気楽にご利用ください。

第122期(2015年)後半の予定
7月11日(土)13:30~15:00
7月25日(土)15:00~16:30
8月22日(土)13:30~15:00
9月12日(土)13:30~15:00
9月26日(土)15:00~16:30

日本語教室

月曜~金曜、10:00~17:00の間で応相談。1コマ90分。
入学金5,400円、受講料(1回)3,200円(税込)。
個人レッスンのため、受講日時や学習内容は応相談。
お申し込み・お問い合わせは協会事務局まで。


ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

 毎月2回、土曜日に開講します。魅力的なロシアのメロディーを、ご自分の手で体感してみませんか?初めての方でも歓迎、楽器レンタルもご相談に応じます。

2015年度前期(後半)予定:7/4, 7/18, 8/1, 8/22, 9/12, 9/26

生徒募集クラス
17:00~17:45 ドムラ初級
18:00~18:45 バラライカ初級

講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円


みなとみらいマトリョミン教室

 マトリョミンは他のどんな楽器とも違う、触らないで弾くという不思議な奏法がとても面白い楽器です。
 ワンフレーズ弾くぐらいなら触れたその日からでもOK。
 可愛さ、不思議さ、ロシアっぽさなどもさることながら、楽器としてのポテンシャルも非常に高く、弾く人の内面を如実に映し出します。
 会社や友人同士の集まりに持って行くと、話題性もパフォーマンス性も抜群で、注目の的です。
 一度、教室に遊びにいらっしゃいませんか。見学、体験も大歓迎です。

日程:毎月1回、土曜日開講

2015年度前期予定:4/11, 5/16, 6/20, 7/18, 8/22, 9/19

※レッスン日に見学随時可能です。発表会、協会行事等で演奏の機会もあります。是非お気軽にご参加ください!

◆アンサンブルクラス(90分)  13:00~14:30 (満席)
◆グループレッスン
 Aクラス 14:45~15:45 (空席2)
 Bクラス 15:55~16:55 (空席1)

入学金:3,000円(継続の方、休学1年以内の方、当協会会員は免除)
受講料:アンサンブル3,600円×6回=21,600円、グループレッスン3,085円×6回=18,510円
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センター 音楽ホール
講師:平野 麻里(マトリョミン演奏家、指導者)

組織・財政

組織状況

(2015年5月31日現在)

 今年度年初会員数219名、入会者累計14名、退会者累計22名、5月末会員数(211名)。

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2015/5/31
単位:円
摘 要本年度収入前年同期収入対前年同期増減
一般会計705,889767,854-61,965
教育事業4,060,6504,137,964-77,314
一般事業1,065,2901,526,646-461,356
合 計5,824,4296,432,464-608,035
前年同期(単位:円)2014/5/31
摘 要本年度支出前年度支出対前年同期増減
一般会計3,003,9093,686,481-682,572
教育事業1,336,7261,488,101-151,375
一般事業674,4931,045,393-370,900
支出合計5,015,1286,219,975-1,204,847
当期剰余金809,301212,489596,812
合 計5,824,4296,432,464-608,035

貸借対照表 (2015/5/31)
科 目本年5月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産6,482,6495,741,706740,943
固定資産9,604,7759,604,7750
資産合計16,087,42415,346,481740,943
流動負債12230,354-30,232
固定負債000
負債合計12230,354-30,232
純資産16,087,42415,346,481740,943

会費納入のお願い

 今月は会費請求月に当たりますので、2015年9月までの請求書を該当の方に送付させていただきました。ご納入方法は請求書記載の通りです。郵便振替の場合は同封の振替用紙をご利用ください。納め忘れ防止に便利な自動振替のお申し込みも受付中です。事務局までお申し出ください。

 会員の種類が変更になった場合は、会費の額も変わるため、こちらのページの一覧表をご覧の上、新しく当てはまる会員の種類を事務局にお申し出ください。改めて金額をお知らせします。

 また、協会を退会される場合はその旨を事務局にご連絡の上、会費未納分がある方は速やかにご納入ください。

 会員がロシア語教室を退学する場合、協会も自動退会にはなりません。ご連絡のない場合は会員のみ継続の扱いになりますので、協会を退会される場合は必ずお申し出ください。

 会費のご納入や退会のお申し出と請求書送付が入れ違いになりました場合は何卒ご容赦ください。

 皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

お勧め商品

書籍『久遠の闘い サンボの創始者V・オシェプコフと心の師聖ニコライ』 3,024円(税込)

久遠の闘い アナトリー・フロペツキー 著
水野典子・織田桂子 共訳
四六判上製288頁 2,800円(税別)
出版:未知谷

キリシタン弾圧下の幕末に来日したロシア正教会の聖ニコライ
武士の柔術を「柔道」へと収斂させた講道館の嘉納治五郎
二人の教えを受けたワシリー・オシェプコフ
三人の求道者の人生が格闘技サンボへと結実する……

当協会講師の織田桂子先生と元講師の水野典子先生(両名共ロシア語通訳案内士)が共訳された最新刊です。ぜひご一読ください!
協会事務所でも取扱中。

グルジアワインあります

グルジアワイン 現在計4種類を協会事務所1階で販売中。
銘柄と価格は次の通りです。
● ツィナンダリ(白・辛口 1,400円)
● アラザニ(白・甘口 1,200円)
● アラヴェルジ(赤・やや辛口 1,200円)
● アラザニ(赤・甘口 1,200円)
※取り扱う銘柄は随時変更される場合があります。売り切れの際はご容赦ください。
※現在発送は承っておりません。当面は店頭販売のみとさせていただきます。

ユーラシア通信

神奈川県版機関紙「日本とユーラシア」別冊
「ユーラシアスポーツ」第5号、刊行!

「ユーラシアスポーツ」第5号  日本とユーラシア諸国のスポーツを美麗写真で紹介する同冊子の第5号が刊行されました。今回初めて取り上げたエアロビックやシンクロにもご注目を。

 会員の皆様には1部無料で贈呈します。2冊目からは、1部300円(税別)でお譲りします。購入は協会事務所またはオンラインショップ「うにべるま~ぐ」で(※6/13現在準備中です)。

 内容:エアロビック・スズキワールドカップ/全日本体操個人総合選手権/シンクロ ジャパン・オープン/フィギュアスケート国別対抗戦&メダル・ウィナーズ・オープン


投稿歓迎!

 ユーラシア関連記事、写真、本紙に関するご意見・ご感想など歓迎します。記事は1記事800字以内を目安にお願いします。紙面の都合により若干編集する場合、分割して掲載する場合がありますがご了承ください。ペンネームでの掲載・肩書をご希望の場合はお書き添えください。特に記載のない場合はフルネーム(WEB版では苗字のみ)で掲載させていただきます。締切は毎月末になります。投稿はEメール・郵便・FAXのいずれかで。宛先は下記の通りです。

(機関紙編集部)

文化・芸能

ユーラシア音楽芸能情報

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10  各地で夏を迎えたロシアから、5月第4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中5曲が新曲の嵐!

 10位に元ヴィアグラの売れっ子タレント、ヴェーラの新曲 «Мамочка»(お母さん)。9位に露オーディション番組「ゴーロス」で準優勝したナルギスの2ndシングル«Ты-моя нежность»がランクイン。«Мама»が大ヒットしたベラルーシ出身の人気バンド、アイオワの新譜«Маршрутка»が8位に。2位に、いまロシアで超人気。甘いフェイスのHIPHOPシンガー、KreeD(Егор Крид)の新曲«Невеста»が入りました。

 ヨールカとのコラボ«Ты знаеш»がヒットしたグループ、ブリトー。彼らのレゲエ調新曲«Мама»が首位奪取です!PVでは、無機質なマスクをしたバレリーナたちのダンスをバックに、正装したレゲエなイーゴリ(Vo)が歌っています。なんともミスマッチなPV?でも、おめでとうございまーす!:-)

(チャート詳細と全文はこちらから。準備中の場合は数日お待ちください)

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart 2015年5月16~22日/MOPA)

ユーロヴィジョン2015 ロシア 逆境の中の準優勝

ユーロヴィジョン2015  1961年4月全ソ連の夢と希望を抱き、バイコヌール基地から宇宙飛行士ユーリー・ガガーリン少佐がボストーク1号で飛び立った。«Поехали!»(レッツゴー!)。あれから54年。全ロシアの夢と希望を抱き、女性歌手ポリーナ・ガガーリナが欧州へ旅立った。人類最初の宇宙飛行士をコラージュした絵や、twitterではハッシュタグ付で«#ГагаринаПоехали»まで登場し、ロシアは大きく沸いた。

 ガガーリナはギリシャ生まれで、プロダンサーの母の元で育った。ロシアへ移住し、音楽学校2年生のとき、1TVのオーデション番組「ファーブリカ・ズビョーズド2」出場を先生に勧められた。音楽プロデューサーM・ファデーエフの楽曲を歌い優勝したが、不和により突如プロジェクトを打ち切られた。「歌をやめることはできないの。」その4年後の2007年、売れっ子音楽プロデューサー、K・メラーゼに実力を認められ、«Спектакль окончен» «Нет»などの名曲を次々にスーパーヒットさせた。私生活の方では2007年に俳優との間に息子を設けるも、3年後に離婚し、その後カメラマンと再婚。波乱万丈な半生だ。

 5月下旬、欧州恒例の音楽祭典ユーロヴィジョン2015がオーストリアのウィーンで開催され、ロシアから出場したガガーリナが準優勝を果たした。

…続きを読む(準備中の場合は数日お待ちください)

(MOPA)

~催し物情報~ 第3回 北川翔 バラライカリサイタル

 当協会講師でもあるバラライカ奏者北川翔氏の、日本では7年ぶりとなる渾身のリサイタルが10月に開催されます。ぜひ足をお運びください。

日時:2015年10月18日(日)13:30開場 14:00開演
会場:トッパンホール(地下鉄有楽町線江戸川橋駅(4番出口)より徒歩約8分
料金:全席指定5,000円(税込)
出演:北川翔(バラライカ)、浜野与志男(ピアノ)
曲目:ソナタNo.1(クシャコフ)、スペイン舞曲(ファリャ)、せわしき流れの河(ロシア民謡)、ルーマニアの歌とチャルダッシュ(アンドレーエフ) ほか

チケットご予約・お問い合わせ:
● 北川翔オフィシャルファンクラブ(主催)
TEL: 080-8742-6530
shokitagawafanclub@gmail.com

● トッパンホールチケットセンター
TEL: 03-5840-2222
http://www.toppanhall.com

演劇・映画

映画紹介「コングレス未来学会議」

(2013 アリ・フォルマン監督作品)

「コングレス未来学会議」  映画「惑星ソラリス」の原作者、スタニスワフ・レムの「泰平ヨンの未来学会議」をベースとした近未来SF。イスラエルのフォルマン監督は、自身の戦闘体験を描いた前作「戦場でワルツを」で実写と独特なフォルムのアニメを融合させた、新たな表現手法で世界的な注目を浴びた。今回も実写とアニメを効果的に使い分け、レムのサイケデリックな世界が具体的に表現されている。

「コングレス未来学会議」  2014年のハリウッド。ミラマウント・ナガサキ社は「絶頂期の俳優の容姿をスキャンし、そのデータを使って映画を作る」技術を開発。40歳になり旬を過ぎた女優ロビン・ライトにもオファーが来た。演技することにこだわり続けたロビンだったが、難病をもつ息子をかかえたシングルマザーであるため、やむなく20年間の契約を結ぶ。巨額のギャラとひきかえに、ロビン本人は演技が禁じられ、彼女のデータがスクリーンで活躍していた。契約切れとなった年、ミラマウント社はロビンをアニメ専用地区で開催される未来学会議に招待し、新たな契約をオファーする。今度の契約とはロビンの薬剤化。脳内化学の作用で服用すれば自分の思い通りの姿に変身できるというものだ。彼女は会議のスピーチで、バーチャルの世界で生きることが幸せと主張するミラマウント社に疑問を呈し会場は大混乱。捕えられて20年凍結させられる。母の帰りを待つ息子は病が進み、自らバーチャルの世界で生きることを選んでしまう。凍結から解放されたロビンは、惨めな実世界とバーチャル世界の間で息子を探す旅に出る。

「コングレス未来学会議」  原作の主人公ヨンは科学者だが、今作では女優に変更した理由について、監督はより身近なテーマとして取り上げたかったとインタビューで答えている。レムの描いた共産主義体制下での化学物質による独裁は、いまやエンターテイメント業界でも同様、ということなのだろう。この作品のクレジットはイスラエル・ドイツ・ポーランド・ルクセンブルク・フランス・ベルギーと超多国籍、制作においてはウクライナなどのアニメーターも多数参加している。

(文・滝沢三佐子/写真:(C) 2013 Bridgit Folman Film Gang, Pandora Film, Entre Chien et Loup, Paul Thiltges Distributions, Opus Film, ARP)

~上映予定~

★「コングレス未来学会議」
6月20日より新宿シネマカリテ、横浜ジャック&ベティ(公開未定)

★「あの日の声を探して」
品川プリンスシネマにて公開中。7月4日より横浜ジャック&ベティにて公開。

歴史・社会

(資料)ロシア人専門家アレクセイ・ポドベリョスキン氏の見解
「集団的自衛権関連法の防衛的側面:
米国は日本を犠牲にする、ウクライナをそうしたように」

インターネット通信社「スプートニク」のアンドレイ・イワノフ氏による2015年5月28日付インタビュー記事を以下にご紹介します。
***

 日本の議会が、日本が外国で軍事力を使用することを許す法修正を承認した。今後日本にとってどんなに悲惨なことが起こりかねないか、スプートニクの独占インタビューをお届けする。モスクワ国立国際関係大学軍事政治問題センターのアレクセイ・ポドベリョスキン氏は次のように語った。

「日本がここ数年、自らの軍事力を、防衛的なそれから攻撃的なそれへ変身させているということは、全く明らかだ。背景には2つの事がある。

…続きを読む

日露領土問題の歴史(24)

「ウラジオストクのニコライ2世凱旋門」  1891年、来日中のロシア皇太子ニコライが警察官に斬りつけられた大津事件の責任をとって青木周蔵外相が辞任した。当時、まだ弱小国であった日本はロシアの報復を恐れ、明治天皇自身がニコライの宿舎、常盤ホテルに自ら赴いて見舞い謝罪した。さらに熾仁・威仁・能久の三親王を引き連れて日本訪問を中断し帰国するニコライを神戸まで見送った。

 (写真はウラジオストクのニコライ2世凱旋門、柴田撮影)

 同年、露仏同盟が締結され、フランスの資金でシベリア鉄道の建設が開始された。

 日清戦争(1894年-1895年)に日本が勝利し、日清講和条約が締結された。1895年ロシアは三国干渉を主導して、遼東半島を清へ返還させると、翌1896年、清と露清密約を結んで東清鉄道の敷設権を獲得、1898年には遼東半島の旅順・大連を租借した。この一連の行動は日本側のロシアに対する激しい敵愾心を巻き起こし、1900年の義和団の乱の際にロシア軍が江東六十四屯の虐殺を起こし、その混乱に乗じて満州の全域を支配し、日本が確保したい朝鮮領内にも陣地を築いて、日本の植民地権益を脅かすに及んで日露の対立は決定的となった。

 幕末から明治時代にかけて衰退しつつあった清朝中国とその属国、韓国での利権をめぐり英、米両国と露、仏、独3国は激しく対立していた。英国はこの闘争に日本を利用することを考えていた。日露戦争の6年前、1898年1月17日、London Times北京特派員G.E.モリソンは「イギリスは日本人に激しい反露感情をたきつける事を、極東政策とすべきである。日本を扇動するためにはあらゆる手段を講じなければならない…中略…ロシアは何としても抑えるべきだ。東清鉄道の建設を妨害し、不凍港の獲得・強化を阻止しなければならない…」。 しかしボーア戦争を控えて対露戦に備える兵力が無かった英国は同じくロシアの南下に悩む日本を利用することでこの目的を果たそうとしたのだ。

 日本は、ロシアの清進出を嫌うイギリスと、1902年に日英同盟を結んでその後ろ盾を得た。その後、朝鮮の独立問題に絡み1904年に日露戦争が始まり、英国の軍事、経済援助を得て、それに辛勝する。1905年ポーツマス条約で日本は満州におけるロシアの権益を賠償として取得し、ロシアの極東進出は後退した。またこの条約で南樺太が日本領となった。

 アメリカは、ポーツマス条約の仲介により漁夫の利を得て、満洲に自らも進出し極東への影響力強化を企んでいたが、このアメリカの影響力を排除することでは日本とロシアは利害が一致し、数度にわたる日露協約を結んで満蒙における両国の権益・勢力範囲を戦争することなく分割した。ロシアとの協約成立は、ロシアの報復を恐れていた日本政府を安堵させた。なお、日露戦争の最中に日本は帝政ロシアの戦争継続を困難にせしめるため、明石元二郎らがロシア第一革命への支援工作を行っていたほか、ポーランド独立派のユゼフ・ピウスツキにも支援を行っている。

(柴田)