今月の表紙

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2015年3月号 No.641

行事予定

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会第11回定期総会 開催迫る!

 2015年3月22日(日)、第11回定期総会を開催いたします。
 総会出欠席の回答を同封の返信用葉書またはFAXで、3月20日(金)までに必ずご提出ください。また、出席できない方は委任状(返信用葉書・FAX用紙に記入欄あり)を必ずご提出ください。今年度総会成立のため、皆様のご協力をお願いします。

日程:2015年3月22日(日)
会場:横浜平和と労働会館4階

柴田順吉会長講演会『日ロ平和条約はなぜ結ばれないのか?』 ■13:00~14:30 定期総会
内容:活動報告、事業計画、決算、予算、2015年度役員案の承認、質疑応答他

■14:45~15:45 柴田順吉会長講演会
検証・戦後70年『日ロ平和条約はなぜ結ばれないのか?』

■16:00~16:30 マトリョミンアンサンブル「MMM」コンサート

※詳しくはこちらのページをごらんください。

猫好きにはたまらない映画「こねこ」~DVD上映会案内~

映画「こねこ」  動物をテーマにした映画はありますが、その中でも猫は少数です。家庭で飼われるペットの代表である犬と猫ですが、犬の映画は名犬ラッシー、忠犬ハチ公など内外にあります。猫はどうでしょうか?猫好きには何とも残念です。

 そんな猫好きが泣いて喜ぶ映画がロシア映画の「こねこ」です。何をかくそう、関戸は中学一年の時に野良猫を拾ってきて以来、20年近く猫を飼い続けていたのです。この映画を見て、拾ってきたときのことや飼っているときのことを懐かしく思い出しました。ペットショップで買ってこられた子猫が、ある音楽家の家で起こすドタバタ騒動。ある時、窓から落ちてトラックの屋根につかまり、遠くまで運ばれたその子猫が遭遇するあれこれ。さて、どうなることやら…。続きは見てのお楽しみ!

 登場する猫の可愛いことはこの文章では表せません。猫の目線で見たロシアの日常生活の描写も大変興味深いです。日曜の午後、明るく楽しい映画のひとときを過ごしましょう。

(関戸)

日時:2015年3月29日(日)14:00~
会場:横浜平和と労働会館5階 当協会教室
参加費:300円(黒パン・紅茶代)

【映画情報】
1996年/ロシア映画/84分/カラー
監督 イワン・ポポフ/脚本 イワン・ポポフ、アレクサンドル・マリヤモフ/撮影 ウラジミール・ファステンコ/美術 イリーナ・マルツ/出演 アンドレイ・クズネツォフ、リュドミラ・アリニナ他

横浜ハリストス正教会 パスハ(復活大祭)見学

横浜ハリストス正教会  ロシア正教最大の祝日・「パスハ」(復活大祭)の儀式は教会でどのように執り行われるのでしょうか?
 この度、当協会会員でもあるグリゴリイ水野宏神父が管轄司祭を務める横浜ハリストス正教会のパスハを見学させていただけることになりました。ロシア文化理解の一助として、どなたでもぜひご参加ください。尚、当日は混雑が予想されますので、信者の方の妨げにならないようご配慮をお願いいたします。
 見学のお申し込みは神奈川県日本ユーラシア協会事務局まで。

横浜ハリストス正教会 日時:2015年4月12日(日)9:00~13:00
集合場所・時間:横浜市営地下鉄三ッ沢下町(出口2、地上)8:30
場所:横浜ハリストス正教会(神奈川区松ヶ丘27-11)
持ち物:スカーフ(女性のみ)
※儀式は起立して行います。

第17回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅

日程案:2015年8月5日(水)~10日(月) 5泊6日
ルート:アシアナ航空便にて羽田空港~仁川(韓国)経由~ハバロフスク空港
コース:ホームステイ(民家に1泊)、ダーチャ(ダーチャに2泊)
今年はサマーキャンプ・文化交流の他、ハバロフスク現地での原爆展参加、映画DVD「アンゼラスの鐘」上映会も予定。

活動報告

満員御礼の「ウクライナの夕べ」

ウクライナの夕べ

 横浜はウクライナのオデッサと友好姉妹都市の関係にあります。ところが、日本国民はもとより地元の横浜市民でさえこのことを知っている人は多くありません。いかに意識していなかったかがわかります。昨年2月にウクライナという国名が報道に頻繁に流れるようになりました。ウクライナ現政権と親ロシア派の武力衝突が日本のみならず、世界の注目を集めました。

 こんな悲劇的なことがなければ知らなかったのでしょうか。日本ユーラシア協会はかつてのソ連邦を構成していた15ヶ国との相互理解と親善を運動の根幹にしています。今回は、その中でも現在世界注視のウクライナを知るための集いを企画しました。

ウクライナの夕べ ウクライナの夕べ

 2月22日(日)当日は時間前から参加者が集まりました。開会の際には満席という状態でした。いかに関心が高かったが分かります。柴田会長の開会挨拶の中には、横浜のホテルニューグランドのパンはウクライナ産の小麦で焼いていたという一般には知られていないことも語られていました。第一部は「ダブル・オクサーナ」さんのウクライナ紹介。ウクライナ大使館員夫人のスヴィスタークさんのウクライナ紹介を、ロシア語講師のピスクノーワさんが通訳するという形で進行しました。キエフという地名は兄弟の名前からということや、大相撲の大鵬がウクライナ人の父親を持つことや、特産の小麦のことなどが紹介されました。いずれも参加者からは「へー」という声が。関戸も初耳でした。

ウクライナの夕べ ウクライナの夕べ

 第二部については当協会理事の滝沢さんが文章を寄せているので、お読みください。ただ、初めて聞くウクライナ語の流麗さは感嘆の一語です。また、字幕の校正を担当したので場面の切り替えの際には関戸がスイッチを押しました。

ウクライナの夕べ  第三部は茶話会。第二部で一人芝居を演じたモローゾワさんのウクライナ土産のハーブティーと蜂蜜に舌鼓を打ちながらの和やかな雰囲気で行われました。スヴィスタークさんの娘さんのかわいらしい民族衣装をまとっての歌声は会場の皆を魅了しました。また、ピスクノーワさんが買ってきてくれたウクライナのお菓子が両オクサーナさんの娘さんたちから配られました。会場の参加者からも演劇についての質問や、ウクライナ出身の作家の質問などが出され、ますます関心が高まりました。

 戦争が起きる最大の原因は無知ではないでしょうか。知らないから、相手のことをいくらでも悪く言うことができるのです。「鬼畜」だの「赤鬼」だのと。知っていればそのようなことは起こりません。今年は戦後70年。70年前の悲劇は無知ゆえなのです。改めて、そのことを認識する夕べでした。

ウクライナの夕べ ウクライナの夕べ

(文・関戸/写真・桜井、小新)

ウクライナの夕べ 第二部
ナターリヤ・モローゾワさん一人芝居「公爵の娘」

一人芝居「公爵の娘」  ウクライナの国民的詩人でありウクライナ語を国語として確立させたタラス・シェフチェンコの詩「公爵」「魔女」をモチーフにした作品。

 公爵と身分違いの結婚をして女児を生んだ若い母親は、公爵である夫から奴隷扱いを受け続け、精神のバランスを崩す。出奔してジプシーと共に放浪しつつも、娘の無事な成長を夢想する母は、やがて死に至る。心美しく成長した「公爵の娘」は、人並み以上の教育も受け村人に慕われる存在となっていた。その頃、公爵は村の収穫物を外国に売り飛ばして利益を上げ、村内は大飢饉に陥る。餓死する村人をよそに酒池肉林の宴を開く公爵。そこで娘は実の父である公爵の手籠めにされ、修道院に逃げ込む。その後彼女は人々の罪からの救済を祈りながら世を去る。

一人芝居「公爵の娘」  モローゾワさんは、花冠、仮面、鞭、ショール、首飾りなどの小道具を用いて、母、娘、公爵、ジプシー、ジプシーが引き連れている熊の5役を演じ分ける。可憐な娘から残虐さを露呈させた公爵への変身は見事。役になりきるのではなく、役を生きることを要求されるスタニラフスキー・システムを体得していなければできないものだ。物語中の大飢饉に、ホロドモールを連想させられてしまうのは筆者だけか。娘の祈りがすべての紛争当事国における祈りと許しの情景となってほしいと思った。小道具や細部の所作にも意味があるのだろうが、今回は残念ながらそこまで読み込むことはできず、勉強不足を感じた。

 最小限の照明、音響のもと、俳優のほとんど素に近い演技を間近に見られることは、めったにないチャンス。字幕はいろいろ課題もあったが、全編ウクライナ語の詩がベースであるため、現段階であれ以上のものは望めないだろう。

 ちなみに、モローゾワさんが所属するグルーパ・テチーヤは、2006年来日時に別役実の「トイレはこちら」とテネシー・ウィリアムスの「I can’t imagine tomorrow」を上演している。

一人芝居「公爵の娘」 一人芝居「公爵の娘」 一人芝居「公爵の娘」

(文・滝沢/写真・桜井)

教室案内

横浜ロシア語教室 第122期 4月開講

 第122期は4月15日(水)に開講予定です。現在のクラスは申込2名以上で存続し、原則として同じ曜日・時間帯・講師で持ち上がりとなります。
 授業回数は3名以上なら17回、2名なら15回です。また、火曜夜と土曜昼に初めて学ぶ方のための「入門」クラスを新設します。
 詳しくは教室ホームページをごらんください。
 見学は3クラス・各30分以内は無料ですので、検討中の方は参考にぜひご利用ください。
 第2土曜日(13:00~14:30)、第4土曜日(15:00~16:30)には「寺子屋」補習も行っています。
 受講お申し込み・お問い合わせは教室事務局まで。


ロシア語入門体験講座 3月28日(土)開講!

タチヤーナ・シプコーワ先生  4月より開講するロシア語入門クラスを体験!
 122期は火曜夜にタチヤーナ・シプコーワ先生(現在土曜日中級II・初級I・初級III担当)、土曜昼に織田桂子先生(ロシア語通訳協会所属、当協会会員)が担当予定です。
 今回の入門体験講座では、外国人向けロシア語教授法を専攻した新進気鋭のシプコーワ先生が、全く初めて学ぶ方を対象に公開授業を行います。
 3月28日(土)13:00~14:00開講。(希望者多数の場合は15:00~16:00にも開講)。
 詳しくはロシア語入門体験講座のページをごらんください。

日本語教室

月曜~金曜、10:00~17:00の間で応相談。1コマ90分。
入学金5,400円、受講料(1回)3,200円(税込)。
個人レッスンのため、受講日時や学習内容は応相談。
お申し込み・お問い合わせは協会事務局まで。


ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

 毎月2回、土曜日に開講します。魅力的なロシアのメロディーを、ご自分の手で体感してみませんか?初めての方でも歓迎、楽器レンタルもご相談に応じます。

2014年度後期(後半)残り日程:3/14
2015年度前期(前半)予定:4/4, 4/18, 5/9, 5/23, 6/6, 6/20

生徒募集クラス
17:00~17:45 ドムラ初級
18:00~18:45 バラライカ初級

講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円


みなとみらいマトリョミン教室

 マトリョミンは他のどんな楽器とも違う、触らないで弾くという不思議な奏法がとても面白い楽器です。
 ワンフレーズ弾くぐらいなら触れたその日からでもOK。
 可愛さ、不思議さ、ロシアっぽさなどもさることながら、楽器としてのポテンシャルも非常に高く、弾く人の内面を如実に映し出します。
 会社や友人同士の集まりに持って行くと、話題性もパフォーマンス性も抜群で、注目の的です。
 一度、教室に遊びにいらっしゃいませんか。見学、体験も大歓迎です。

日程:毎月1回、土曜日開講

2014年度後期残り日程:3/14
2015年度前期予定:4/11, 5/16, 6/20, 7/18, 8/22, 9/19

※レッスン日に見学随時可能です。発表会、協会行事等で演奏の機会もあります。是非お気軽にご参加ください!

◆アンサンブルクラス(90分)  13:00~14:30 (満席)
◆グループレッスン
 Aクラス 14:45~15:45 (空席2)
 Bクラス 15:55~16:55 (空席3)

入学金:3,000円(継続の方、休学1年以内の方、当協会会員は免除)
受講料:アンサンブル3,600円×6回=21,600円、グループレッスン3,085円×6回=18,510円
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センター 音楽ホール
講師:平野 麻里(マトリョミン演奏家、指導者)

みなとみらいマトリョミン教室 発表会

マトリョーシカに手をかざすと…歌いだす!?
手を触れないで演奏するふしぎな楽器「マトリョミン」
実は、人形の中にロシアの電子楽器「テルミン」が入っているのです!
Jポップ・クラシック・スタンダードetc...
かわいいマトリョミンの音色に癒されてみませんか?
どうぞ、お気軽にお越しください。

日時:3月28日(土) 開場:14:15 開演:14:30
場所:横浜市イギリス館 045-623-7812(みなとみらい線「元町中華街」駅より徒歩5分)

ソロ&アンサンブルのほか、ハープ、ノコギリ、ヴィオリラといった珍しい楽器もお目見えします。

※入場無料ですが、収容人数の都合上、お越しの際は、事前に事務局または世話人までご連絡いただけると助かります。

組織・財政

組織状況

(2015年2月28日現在)

 今年度年初会員数219名、入会者累計5名、退会者累計8名、2月末会員数216名、年初比3名減となりましたが4月新学期の会員増に期待します。

(柴田)

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2015/2/28
単位:円
摘 要本年度収入前年同期収入対前年同期増減
一般会計247,014170,62976,385
教育事業1,112,922326,006786,916
一般事業678,008489,153188,855
合 計2,037,944985,7881,052,156
前年同期(単位:円)2014/2/28
摘 要本年度支出前年度支出対前年同期増減
一般会計1,397,6281,446,135-48,507
教育事業567,814476,24091,574
一般事業380,832356,47724,355
支出計2,346,2742,278,85267,422
当期剰余金-308,330-1,293,064984,734
合 計2,037,944985,7881,052,156

貸借対照表 (2015/2/28)
科 目本年2月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産5,369,8964,210,7991,159,097
固定資産9,604,7759,604,7750
資産合計14,974,67113,815,5741,159,097
流動負債5,0005,000-75,000
固定負債000
負債合計5,0005,000-75,000
純資産14,969,67113,810,5741,159,097

 堅実な財政運用が行われています。

(柴田)

会費納入のお願い

 今月は会費請求月に当たりますので、2015年6月までの請求書を該当の方に送付させていただきました。ご納入方法は請求書記載の通りです。郵便振替の場合は同封の振替用紙をご利用ください。納め忘れ防止に便利な自動振替のお申し込みも受付中です。事務局までお申し出ください。

 会員の種類が変更になった場合は、会費の額も変わるため、こちらのページの一覧表をご覧の上、新しく当てはまる会員の種類を事務局にお申し出ください。改めて金額をお知らせします。

 また、協会を退会される場合はその旨を事務局にご連絡の上、会費未納分がある方は速やかにご納入ください。

 会員がロシア語教室を退学する場合、協会も自動退会にはなりません。ご連絡のない場合は会員のみ継続の扱いになりますので、協会を退会される場合は必ずお申し出ください。

 会費のご納入や退会のお申し出と請求書送付が入れ違いになりました場合は何卒ご容赦ください。

 皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

お勧め商品

男性用ルバーシカ 12,960円

男性用ルバーシカ スタンダードな白地に、発色の良い赤のライン入り。
生地も厚手で縫製もしっかりとしていますので、色々な場面で活躍しそうです。
☆1点限り
サイズ:着丈 72cm、胸囲 115cm、袖丈 53.5cm、襟周 43cm、腰ひも170cm
素材:綿
ロシア製

グルジアワインあります

グルジアワイン 現在計4種類を協会事務所1階で販売中。
銘柄と価格は次の通りです。
● ツィナンダリ(白・辛口 1,400円)
● アラザニ(白・甘口 1,200円)
● アラヴェルジ(赤・やや辛口 1,200円)
● アラザニ(赤・甘口 1,200円)
※取り扱う銘柄は随時変更される場合があります。売り切れの際はご容赦ください。
※現在発送は承っておりません。当面は店頭販売のみとさせていただきます。

ユーラシア通信

ユーラシアスポーツ第4号刊行!

ユーラシアスポーツ第4号  ロシア・ユーラシア(旧ソ連)諸国のスポーツ選手を中心に美麗写真でレポートする「ユーラシアスポーツ」。
 第4号では、フィギュアスケート、体操、サンボの大会を特集。世代交代が進むロシアのフィギュアスケート界に大注目!
 1部324円(税込)、会員には1部無料で同封します。ぜひごらんください。ご感想もお待ちしています。

<掲載内容>
フィギュアスケート ロステレコム杯2014 (P2-3)
フィギュアスケート 2014NHK国際フィギュアスケート競技大会 (P4-7)
第68回全日本体操団体選手権 (P8)
世界サンボ選手権大会(P9) フィギュアスケート ロシア選手権2015 (P10-15)
Christmas on Ice 2014 (P16)

B5版、オールカラー、全16ページ。

投稿歓迎!

 ユーラシア関連記事、写真、本紙に関するご意見・ご感想など歓迎します。記事は1記事800字以内を目安にお願いします。紙面の都合により若干編集する場合、分割して掲載する場合がありますがご了承ください。ペンネームでの掲載・肩書をご希望の場合はお書き添えください。特に記載のない場合はフルネーム(WEB版では苗字のみ)で掲載させていただきます。締切は毎月末になります。投稿はEメール・郵便・FAXのいずれかで。宛先は下記の通りです。

(機関紙編集部)

文化・芸能

ユーラシア音楽芸能情報

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10  大注目のキラキラアーティストが次々誕生しているロシアから、2月第4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中2曲がいずれもコンスタンチン・メラーゼが手がけた新曲!リューべの曲が返り咲き!
 7位にメラーゼ名義新生ヴィアグラの3rdシングル«Кислород»(酸素)。3位に4人組ボーイズバンドMBANDの«Она вернется»(彼女は戻ってくる)がチャートイン。
 第1位に輝いたのは、ニューシャの«Цунами»。歌姫快挙、4ヶ月連続首位です!おめでとうございます!:-)

(チャート詳細と全文はこちらから)

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart 2015年2月16~22日/MOPA)

演 劇

劇団キンダースペース 第36回公演・創立30周年記念講演第1弾
「新・復活」~ネフリュードフとカチューシャ~

2月6日 於:シアターχ(カイ)(両国)

 今から101年前、文芸座が上演したトルストイの「復活」は、松井須磨子の歌う「カチューシャの唄」とともに大当たりとなった。キンダースペースの「新・復活」は、カチューシャとネフリュードフの物語に文芸座による「復活」上演前後の相克をからめ、大正初期の混迷する時代を今に対比させる野心作だ。 

「新・復活」  青年貴族ネフリュードフ公爵が陪審員としてある刑事裁判に出廷する。彼が被告席に見た女は、かつて自分の屋敷で女中として働き関係をもった娘のカチューシャ。彼女は、ネフリュードフの子どもを宿して屋敷を追われ、娼婦に身をやつしたあげく、殺人の容疑で逮捕されていた。無実であるにも関わらず、裁判所の手違いでシベリア送りの刑が下される。ネフリュードフは、彼女がこのような境遇におかれたのは自分のせいだと思い、その罪を償うため恩赦を求めて奔走する。その過程で彼は世の中の不正や不平等に憤慨、屋敷を売り払い、所有地も農民に分け与えようとするがうまくいかない。カチューシャに面会しても彼女は心を開こうとしない。ネフリュードフはシベリア送りのカチューシャに同行して結婚を申し込む。ついに恩赦の知らせが来たが、カチューシャはこれを拒否、シベリアへ一緒に送られていくシモンソンからの求婚を受け入れるのだった。清純な21歳のカチューシャと29歳の荒んだ受刑者カチューシャを二人の女優が演じ、ひたすら悩み苦悩するネフリュードフを圧倒するような存在感を持つ。また、革命組織に身を投じている知識人女性ヴェーラのクールな立ち振る舞いも魅力的。全体のセリフも洗練されていて心地よい。

 一方、幕間にちりばめられた文芸座のエピソードは、贖罪と魂の救済とはおよそ異なる俗な世界を描く。島村抱月は妻子を捨てて松井須磨子とともに出奔、文芸協会を脱退した。わがままな須磨子に翻弄されながら、困窮した文芸座の再起を「復活」にかける抱月。大成功を収めた「復活」だが抱月は病死し、須磨子も後を追うように自殺する。どん底まで堕ちたカチューシャが、ネフリュードフの魂を解放するのと対照的に、抱月と須磨子は互いに離れられず転がり落ちて行った。彼らの後を継いだのは小山内薫。大衆リアリズム演劇は、新劇運動という形で収斂されていく。

 一つの完成された舞台「復活」に対し、抱月と須磨子のエピソードは単なる回想という感も否めず、芸術座が「復活」の演出と表現にどういうスタンスを取っていたかが不明瞭。日本の演劇界に「復活」がどんな役割をもったのか、もっと抱月と須磨子に語ってもらいたかった。

(文・滝沢/写真・劇団提供)

催し物情報

チェルノブイリ29周年 救援キャンペーン 講演会&チャリティコンサート
チェルノブイリ・福島
保養 ― 子どもたちを被ばくから守るとりくみ

2015年4月24日(金)19:00開演(18:30開場)
文京シビックホール 小ホール
(最寄駅:東京メトロ丸の内線・南北線後楽園駅・都営地下鉄三田線春日駅)
入場料:2,000円 (全席自由)
*事前予約制 定員(340名)になり次第お申し込みを締め切ります。
***
■ 講演 鎌仲ひとみ
「保養-子どもたちを被ばくから守るとりくみ」
映像作家。核や被ばく、原発の問題を入口に、人の命や暮らしについて見つめるドキュメンタリー映画を世に送り出し続けている。

■ 印田千裕&印田陽介 姉弟デュオ コンサート
  ヴァイオリンとチェロの響き
・エルガー:愛の挨拶
・ダンクラ:『魔弾の射手』の主題による二重奏曲 ほか
***
主催:チェルノブイリ子ども基金/チェルノブイリ子ども基金・文京/未来の福島こども基金
予約受付・問合せ先:チェルノブイリ子ども基金
Tel/fax 03-6767-8808
E-mail  cherno1986@jcom.zaq.ne.jp
HP:http://homepage2.nifty.com/
chernobyl_children/index.html

歴史・社会

日露領土問題の歴史(22)

地図  1643年オランダのM. G. deフリースは日本の東岸を北航して、樺太 東岸の知床岬の北に到達した。この間、択捉島と得撫島を発見して、それぞれをスターテン・ラントとコンパニース・ラントと命名した。この航海はヨーロッパ人による日本北辺調査の最初にあたり、フリースは奥羽北岸からサハリン南東岸にかけての実測地図をのこした。この地図では蝦夷と樺太は接続している。国後は蝦夷と一体で,択捉島(ステートランド)、択捉水道(フリース海峡)、右方に大きなウルップ島(コンパニーズランド)が見える。太平洋はシナ洋となっている。

 17世紀の中葉にはハバロフなどによる極東への探検、植民地化が始まり、清国、韓国との間に紛争が絶えなかった。1689年、こうした紛争を終結させるためネルチンスク条約が締結され国境をアルグン川・ゴルビツァ川とスタノヴォイ山脈の線に定めた。ウダ川とスタノヴォイ山脈の間は未確定部分としアルグン川以南からロシア人は退去する、不法越境を禁止する、旅券をもつものは交易を許されるということになった。一応、対等の条約ではあったがロシア側は念願の不凍港を獲得できなかった。当時、軍事力で優勢であった清はロシアを朝貢国として見做していた。その後、1858年のアイグン条約で黒竜江が両国の境界線となり、1860年の北京条約でネルチンスク条約は廃棄された。

 江戸時代中期の元禄13年(1700年)になると、幕府の命令により松前藩は千島や勘察加(カムチャツカ)を含む蝦夷全図と松前島郷帳を作成し、正徳5年(1715年)には、幕府に対し、「十州島(北海道)、唐太(カラフト)、千島列島、勘察加」は松前藩領と報告した。

 一方、1726年ごろ コズイレフスキーはエトロフ島民シタナイの話に基づきマトマイ島とクナシリ島、エトロフ島とクナシリ島の間で交易が行われていること、択捉・ウルップ島民はどこの支配も受けていない事、クナシリにマトマイの支配が及んでいるか否かは不明と記述している。

 1762年にロシアはエカテリーナ2世の治世となり、1764年にはイルクーツクに日本航海学校を、1768年に日本語学校をそれぞれ設置し、日本近海への航海を盛んに行うようになった。18世紀にはロシアと日本は、従来の原住民を介する関係からほぼ隣国と言える関係となった。

 日本近海、特に蝦夷地周辺に『赤蝦夷』と呼ばれたロシア人が進出するに及んで江戸幕府はこれと競って北方領土の確保、拡張を図るようになった。

 1786年(天明6年)に最上徳内が択捉島を探検した際には、上陸時に3名のロシア人が居住し、アイヌの中には正教を信仰するものもあったことが確認されている。

プチャーチン提督  1853年、アメリカのペリー提督の浦賀来航に続くようにロシアのプチャーチン提督が3隻からなる艦隊を率いて長崎に来航。同年にはロシアの軍人ニコライ・ブッセがサハリン島を占領したが同年3月のクリミア戦争勃発を受けて撤退した。1854年8月には英、仏連合軍によるペトロパブロフスク・カムチャツキー包囲戦が行われロシア軍が勝利した。1855年2月にプチャーチンは、伊豆の下田で日露和親条約(Симодский трактат、下田条約)を締結した。
(右)プチャーチン提督

 以上が明治維新にいたるまでの千島、樺太の領有に関する歴史の概略である。これらの事実は北方の島々の領有が固定的なものではなく、歴史的に変遷してきたことを明白に示している。

~続く~

(柴田)