今月の表紙

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2014年12月号 No.638

行事予定

ロシア風新年会+クリスマス会「ヨールカ祭2015」

ヨールカ祭  毎年恒例の「ヨールカ祭」、来年は1月18日(日)に横浜市従会館で行います。
 子供向けプログラム、音楽や劇、ロシア料理などを楽しみながら、会員、教室受講生、ユーラシア諸国出身の皆さんが親睦を深める最大の機会です。お誘い合わせの上ぜひご参加ください!
 ボランティアスタッフも募集中です。
 詳細はチラシ画像をクリックしてPDFファイルでごらんください。

100年前の奇跡を今再び『戦場のアリア』DVD上映会

戦場のアリア  100年前のクリスマスの夜。何があったかご存知ですか?
 時は第一次世界大戦の最中。開戦当初は、敵味方ともに「戦争はすぐに終わる、クリスマスには国に帰れる」と思っていました。
 ところが、近代戦はそう簡単には終結しません。兵士たちは帰れると思っていたクリスマスを戦場で敵とにらみ合いながら迎えることになったのです。
 しかし、そのクリスマスの夜、敵味方ともに同じ聖歌を歌い、戦火の悲劇がこの日だけ回避されたのです。ヨーロッパ各地に今も語り継がれる戦場の奇跡を忠実に映画化した本作で是非ごらんください!

日時:2014年12月21日(日)14:00~
会場:横浜平和と労働会館5F
黒パン・お茶代:300円
お申し込み・お問い合わせ:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp

映画情報はこちら ※画像は映画公式サイトより(2005年公開)

ロシア料理教室+望年会
「再現!Столовая в МГУ(モスクワ大学食堂)」

モスクワ大学の食堂  1998~99年のモスクワ大学内学食(グラーヴノエ・ズダーニエと経済学部食堂)で実際に出されていたメニューを、舌の記憶を頼りに再現します。
 作った料理は望年会で試食!望年会で食べるだけの方、飲み物・食べ物の差し入れも大歓迎!!

【メニュー】
ロシア風コールスロー
(俗に)「マカロニのスープ」
スビョークラ(ビーツ)のカツレツ
ロシア風ミートボール「ハリネズミ」
ゆでじゃがいもの香草和え  黒パン
デザート(※省略の場合あり)

とき:12月23日(火・祝)料理教室開始13:00、望年会開始17:00
ところ:ふりーふらっと野毛山(横浜市青少年交流センター)料理教室=2階料理室、望年会=会議室203
参加費:料理教室+望年会=会員・教室受講生2,000円、新入会員1,500円
望年会のみ=会員・教室受講生2,500円、新入会員2,000円
料理教室のみ=会員(新入会員も含む)・教室受講生1500円
定員:料理教室20名、望年会28名

※料理教室参加の方は、エプロン、三角巾、ふきんをご持参ください。

※料理教室は満席、望年会も残席わずかとなっております。定員に達し次第お申し込みを締め切らせていただきます。準備の都合上、当日の飛び込み参加はできません。満席の場合はキャンセル待ちとなりますが、何卒ご容赦ください。

【お申し込み・お問い合わせ】神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

「ウクライナの夕べ」2015年2月22日開催!

「公爵の娘」  日頃知る機会の少ないロシアの隣国ウクライナの文化や言語に触れてみませんか?
 第一部はウクライナ出身の当協会講師オクサーナ・ピスクノーワさんと東京在住ウクライナ人オクサーナ・スヴィスタークさんによるウクライナ紹介、第二部はウクライナの女優ナターリヤ・モローゾワさんによる、詩人タラス・シェフチェンコの詩集から構想を得たウクライナ語一人芝居「公爵の娘」上演(写真左、日本語通訳付)、第三部はウクライナのお菓子付きの茶話会を行う予定です。
 詳細は次号にてお知らせします。

教室案内

横浜ロシア語教室 第121期生徒募集

 月曜~土曜、入門・初級・中級・上級・会話クラス開講中。3クラス・各30分まで見学無料。時間割・内容・料金(会員割引有)等の詳細はホームページをごらんください。受講お申し込み・お問い合わせ先は教室事務局まで。


補習サークル「ロシア語寺子屋」今期より土曜日に実施中

 第121期・2014年10月から寺子屋の補習授業は第2土曜日(13:00~14:30)、第4土曜日(15:00~16:30)に移りました。

 横浜ロシア語教室在籍中の生徒限定で、今期から無料になりました。個別補習(1人30分まで)の予約は3日前まで受け付けます。

 予約のない時間帯には、どなたでも簡単な質問・相談やロシア語会話が随時、自由にできます。

 年内の予定は12/13(土)です。皆様のご利用をお待ちしております。

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

 毎月2回、土曜日に開講します。来期の予定も決まりました。魅力的なロシアのメロディーを、ご自分の手で体感してみませんか?初めての方でも歓迎、楽器レンタルもご相談に応じます。

2014年度後期予定:10月4日、10月18日、11月8日、11月22日、12月6日、12月20日

生徒募集クラス
17:00~17:45 ドムラ初級
18:00~18:45 バラライカ初級

講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円


みなとみらいマトリョミン教室

 マトリョミンは他のどんな楽器とも違う、触らないで弾くという不思議な奏法がとても面白い楽器です。
 ワンフレーズ弾くぐらいなら触れたその日からでもOK。
 可愛さ、不思議さ、ロシアっぽさなどもさることながら、楽器としてのポテンシャルも非常に高く、弾く人の内面を如実に映し出します。
 会社や友人同士の集まりに持って行くと、話題性もパフォーマンス性も抜群で、注目の的です。
 一度、教室に遊びにいらっしゃいませんか。見学、体験も大歓迎です。

日程:毎月1回、土曜日開講

2014年度後期日程:10月4日、11月15日、12月13日、1月17日、2月21日、3月14日
※レッスン日に見学随時可能です。発表会、協会行事等で演奏の機会もあります。是非お気軽にご参加ください!

◆アンサンブルクラス(90分)  13:00~14:30 (満席)
◆グループレッスン
 Aクラス 14:45~15:45 (空席2)
 Bクラス 15:55~16:55 (空席1)

入学金:3,000円(継続の方、休学1年以内の方、当協会会員は免除)
受講料:アンサンブル3,600円×6回=21,600円、グループレッスン3,085円×6回=18,510円
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センター 音楽ホール
講師:平野 麻里(マトリョミン演奏家、指導者)

日本語教室

月曜~金曜、10:00~17:00の間で応相談。1コマ90分。
入学金5,400円、受講料(1回)3,200円(税込)。
個人レッスンのため、受講日時や学習内容は応相談。
お申し込み・お問い合わせは協会事務局まで。


組織・財政

組織状況

(2014年11月30日現在)

 今年度年初会員数243名、入会者累計53名、退会者累計70名、11月末会員数226名、年初比 ▼17 名。

(柴田)

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2014/11/30
単位:円
摘 要本年度収入前年同期収入対前年同期増減
一般会計1,924,7141,723,648201,066
教育事業8,893,3008,744,585148,715
一般事業2,545,0912,893,110-348,019
合 計13,363,10513,361,3431,762
前年同期(単位:円)2013/10/31
摘 要本年度支出前年度支出対前年同期増減
一般会計7,443,7906,061,1511,382,639
教育事業3,230,0353,570,700-340,665
一般事業1,915,8592,678,228-762,369
支出計12,589,68412,310,079279,605
当期剰余金773,4211,051,264-277,843
合 計13,363,10513,361,3431,762

貸借対照表 (2014/11/30)
科 目本年11月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産6,519,4435,408,8121,110,631
固定資産9,604,7759,604,7750
資産合計16,124,21815,013,5871,110,631
流動負債247,1590247,159
固定負債000
負債合計247,1590247,159
純資産15,877,05915,013,587863,472

 本年度収入は全体として前年度比微増に止まった。一般会計、教育事業は増加したが一般事業収入の減少が響いた。夏の旅行の不振が主因であり、これは会員数減少の一因ともなっている。
 支出面では一般会計が大幅に増えた。これは酒類免許と古物商免許の取得、教室改装、Yahoo Net-Shop開設などによるもので前向きな投資である。教育事業、一般事業では支出が大幅に節減された。結果として現時点では77万円の剰余金を確保し、黒字財政を維持することが出来ている。

(柴田)

会費納入のお願い

 今月は会費請求月に当たりますので、2015年1月から2015年3月までの請求書を該当の方に同封、または別途送付させていただきました。ご納入方法は請求書記載の通りです。郵便振替の場合は同封の振替用紙をご利用ください。

 会員の種類が変更になった場合は、会費の額も変わるため、こちらのページの一覧表をご覧の上、新しく当てはまる会員の種類を事務局にお申し出ください。改めて金額をお知らせします。

 また、協会を退会される場合はその旨を事務局にご連絡の上、会費未納分がある方は速やかにご納入ください。

 会員がロシア語教室を退学する場合、協会も自動退会にはなりません。協会を退会される場合は必ずお申し出ください。

 会費のご納入や退会のお申し出と請求書送付が入れ違いになりました場合は何卒ご容赦ください。

 皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

お勧め商品

ユーラシア通信

ロシア幼児教育の現場から (4) モスクワピオネール宮殿

ロシア幼児教育の現場から  ソ連時代、「子どもはソビエトの特権階級である」と言われており、子どもたちは豊かな自然や、人間的で健康な文化に囲まれて育ったといいます。当時は子ども用品専門の百貨店、子どものための劇場、スポーツ施設などを無償で使用することができました。ソ連時代のこうしたプラスの遺産は現在でも残っており、モスクワ市内では子どものための施設を至る所に発見することができました。

 ソ連時代には、ピオネールという制度がありました。チェブラーシカの第2話でチェブラーシカがピオネールに入ろうとする場面が有名だと思いますが、ピオネールとはボーイスカウトのような子どもの組織で、子どもたちはここでキャンプなどの様々な課外活動を行っていました。当時はピオネールたちの活動場所として宮殿が建てられましたが、ソ連が崩壊した今でもそうしたピオネール宮殿は残されています。

ロシア幼児教育の現場から  モスクワピオネール宮殿は、モスクワに存在する最も大きな施設の一つで、子どもたちが音楽、美術などの課外活動を行っています。施設の中を見学させてもらうと、その充実した内容に驚きます。美術室、音楽室などのほか、図書館、植物園まであります。4歳から15歳ぐらいの子どもが利用するとのことで、初めはお母さんと一緒に、6歳ぐらいからは一人で放課後に訪れるようです。図書館には、絵本から、調べ物用の専門書までそろっていました。専門家の先生が、子どもたちにアドバイスもしてくれるそうです。子どもを大事にする文化は、ソ連崩壊後の現在でもしっかりと残っているようです。

(髙橋)

81年前の悲劇に思いを寄せて ~ホロドモール*犠牲者追悼式典参加報告~

 11月23日(日祝)、東京タワーの目の前の聖オルバン教会でホロドモール犠牲者追悼式典が行われました。

 関戸は不勉強で、今回初めて「ホロドモール」について知りました。1932年~1933年に、「ヨーロッパの穀倉」と呼ばれるウクライナで起きた大飢饉のことです。当時のソビエト政権下、急激に推し進められた農業集団化政策が引き起こした悲劇でした。「食糧は武器だ」との認識から、国家的な強制的かつ組織的な集約農業は、まだ農奴制が残っていた当時の農民にとってはそぐわないものでした。それを国家の名のもと、土地を奪われ、糧を奪われたのです。土地を奪われては農業は成り立ちません。たちまちにして、餓死が相次ぎました。農業は食を生産する、生活に直結する基幹産業です。それを国家は武器にしようとしたのです。

 これを単なる一時代の狂気とするだけでは、認識不足です。81年前の悲劇は現代にもそのまま当てはまります。食の危機は、今の日本の食糧自給率30%というこの恐るべき数字を見れば、十分にわかるはずです。日本国内で生産する食糧では国民の三人に一人しか生きられないことになるではありませんか。そして、格差社会がひどくなれば、食うために軍隊=自衛隊に入るということにもなりかねません。ホロドモールは現代にも通用する教訓です。

 追悼式は夕方4時半から始まりました。ウクライナ大使も出席しての追悼の祈りは参加者の胸に響きました。周囲には日本人はほんの2~3人。英語・ウクライナ語しか聞こえない祈祷でした。「一粒の麦、地に落ちなば~」の賛美歌はまさにホロドモール犠牲者追悼式典にふさわしい合唱でした。そして、祈祷の後は庭で追悼のキャンドルを並べました。

 81年前の悲劇に思いを寄せての初めてのホロドモール犠牲者追悼式典参加です。

(関戸)

神奈川県版機関紙「日本とユーラシア」別冊
「ユーラシアスポーツ」第3号発行!

ユーラシアスポーツ第3号  ロシア・ユーラシア(旧ソ連)諸国のスポーツ選手を中心に美麗写真でレポートする「ユーラシアスポーツ」第3号の内容は次の通りです。
【フィギュアスケート】ジャパンオープン、ドリームオンアイス、フレンズオンアイス
【体操】全日本種目別、全日本ジュニア、世界選手権日本代表強化合宿
【新体操】イオンカップ
 写真・森美和。B5版オールカラー、全16ページ。会員には1冊無料で同封、追加は324円(税込、メール便利用の場合のみ送料無料)。

 当協会スポーツサイトEurasia-Sportsもごらんください。

投稿歓迎!

 ユーラシア関連記事、写真、本紙に関するご意見・ご感想など歓迎します。記事は1記事800字以内を目安にお願いします。紙面の都合により若干編集する場合、分割して掲載する場合がありますがご了承ください。ペンネームでの掲載・肩書をご希望の場合はお書き添えください。特に記載のない場合はフルネーム(WEB版では苗字のみ)で掲載させていただきます。締切は毎月末になります。投稿はEメール・郵便・FAXのいずれかで。宛先は下記の通りです。

(機関紙編集部)

文化・芸能

ユーラシア音楽芸能情報

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10  年末の準備で大忙しのロシアから、11月第4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中3曲が新曲!

 9位にクレンコフのЖенщина-воздухがチャートインしました。5月にДевочка-весна、9月にОбожаюを立て続けにリリース。8位にポタプ&ナスチャのУди Уди。ウクライナ出身のデュオでロシアでも非常に人気がありますが、このことでウクライナ極右派から嫌われており、8月開催の子供向けチャリティーコンサートが妨害されるかもしれない脅威を実際受けていると会見で明らかに。また、キエフで9月公開の3Dアニメ「7番目の小人」でそれぞれ声の出演もしています。

 第1位に輝いたのは、ニューシャのЦунами。初登場(135位)の次週から35位→11位→2位→1位と、信じられない程の速さで首位に躍り出ました。おめでとうございます!:-)

(チャート詳細と全文はこちらから)

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart、11月17~23日/MOPA)

宗重博之+演劇集団ア・ラ・プラス「バルカンのスパイ」

11月23日 於:ブレヒトの芝居小屋(東京・練馬区)

「バルカンのスパイ」  日本・セルビア演劇交流プロジェクトとして開催された本公演、原作はドゥシャン・コバチェビッチというセルビアの人気作家によるもの。冷戦まっただなかの1980年代初期、社会主義国がいろいろな意味で行き詰っているときに書かれた作品だ。

 ベオグラード郊外に住む主人公イリヤは、妻のダニツァ、就職浪人中の娘ソーニャと暮らしている。妻の発案でペータルという男を下宿させ、彼は仕立屋を開こうと奮闘していた。ある日イリヤは警察に呼ばれ、フランス帰りのペータルの素性について事情聴取を受ける。イリヤにはスターリン崇拝を公言したため、刑務所暮らしの過去があった。今でも西側諸国を敵とみなす思想に依拠する彼は、ペータルが西側の諜報人物ではないかと疑い、尾行・盗聴・監視行動を開始。はじめはいぶかしく思っていた妻も夫にやむなく同調する。多くの外国人との接触を目にして「ペータルはスパイ」と確信したイリヤに、血気盛んな弟ジューラが加勢して、追跡はどんどんエスカレートする。娘はそんな父に愛想をつかし、妻も精神のバランスを崩す。出国しようとするペータルを捕えたイリヤは、自分の握った証拠を突きつけ直接対決に挑む。

「バルカンのスパイ」  にぎやかで疾走感あるバルカン音楽とともに、虚構と事実が大転換していく構成は圧巻。関西弁を話すイリヤは迫力満点で、現実的な妻とのやりとりでは笑いを取る場面も多い。しかし、彼の行動が常軌を逸していく過程は滑稽を通り越して戦慄さえ感じる。「この世界では見かけとは逆のことが起きている」というセリフは、不条理な現実世界を告発する重い言葉だ。

(滝沢)

第15回東京フィルメックス

 毎年アジア諸国を中心に、才能ある作家を観客とともに発見するための映画祭「東京フィルメックス」が11月22日から30日にかけて開催された。今年はウクライナを放浪するジプシーの物語「ツィリ」(2014年、イスラエル・仏・伊・ロシア アモス・ギタイ監督作品)と「プレジデント」(2014年、グルジア・仏・英・独 モフセン・マフマルバフ監督作品)が旧ソ連圏に関する作品として上映され、「プレジデント」が観客賞を受賞した。

「プレジデント」  「プレジデント」(写真右)はグルジアで亡命生活を送るイラン人であるマフマルバフ監督がグルジア語を使用し、全編グルジアで撮影したもの。独裁者である「プレジデント」が君臨する架空の国でクーデターが勃発し、「プレジデント」は国外に脱出しそびれた孫と、国境の海をめざして逃亡の旅をすることになる。サバイバル能力に優れた彼は旅芸人に変装し、危機を何度も乗り越えて海にたどり着くが、過酷な独裁をしいてきた彼への民衆の恨みは大きかった。旅の結末は、これまで幾多の国で実際に展開されてきたクーデター劇を彷彿とさせるもの。逃亡者の目から見たストーリーだが、権力と革命の空しさを実感させる内容だ。なお、「プレジデント」は2015年日本公開が決まっている。

(滝沢)

催し物情報

アウローラ管弦楽団第12回定期演奏会

2015年1月10日(土)12:45開場 13:30開演
すみだトリフォニーホール(大ホール)
料金:1,000円(全席自由)
指揮:田部井 剛
曲目:G.V.スヴィリードフ 組曲「吹雪」~プーシキンによる音楽的イラストレーション/S.V.ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調
お問い合わせ:TEL:090-3596-4639(嵯峨根)
Mail: avrora@td-serv.net
HP: http://www.avrora.me/

♪チケットプレゼント♪

 当協会会員も出演する「アウローラ管弦楽団第12回定期演奏会」の招待券を、先着5名様にプレゼントします。
 鑑賞ご希望の方は事前にお申し込みの上、神奈川県日本ユーラシア協会事務所までチケットを受け取りに来てください。(郵送不可)
 お申し込みは下記まで。

【招待券お申し込み先】
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp

歴史・社会

日露領土問題の歴史(18)

日露領土問題の歴史  1808年,松田伝十郎と間宮林蔵はロシア帝国の動きを調査する為樺太に渡り、1809年には黒竜江下流を調査した記録が『東韃地方紀行』にまとめられた。彼らはシベリア小数民族、アムール河畔に暮す、ナナイ族のシカチ・アリャン村などを訪れている。(2004年、私も此処に行ったことが有る。)

 しかし、日露関係の悪化のため、1811年には千島列島を探検中に国後島に上陸したゴローニンが幕吏に捕らえられ、その報復で高田屋嘉兵衛が連れ去られる事件が起こった(ゴローニン事件)。

日露領土問題の歴史  ナポレオンの大陸封鎖令に違反してイギリスとロシアが貿易を再開すると、1812年ロシア戦役が起こった。其の為ゴローニン事件の解決は1821年まで長引き、日ロ関係が落ち着きを取り戻したのち蝦夷地は再び幕府直轄から松前藩に返還された。

 1828年、シーボルトから最上徳内と高橋景保とが千島、樺太、蝦夷地、日本の地図と引き換えにレザノフが後援していたクルーゼンシュテルンの『世界周航記』が与えられたことが、シーボルトからの手紙を間宮林蔵が上司に提出したことにより発覚し、シーボルト事件が起った。地図を贈った幕府天文方・書物奉行の高橋景保ほか十数名が処分され、景保は獄死し、その後死罪判決を受けた。シーボルトは文政12年(1829年)に国外追放の上、再渡航禁止の処分を受けた。この事件は幕府隠密間宮林蔵の密告によるものと信じられた。

日露領土問題の歴史  1805年にはイルクーツクの日本語学校が中学校に合併され、1816年にはその日本語学校も閉鎖された。1814年、日本最初の露日辞書、馬場佐十郎の俄羅斯語小成及び露語文法書の魯語文法規範(V.M.ゴロブニン海軍少佐との共著)が編纂された。その後、幾らかのロシア関係翻訳書も出版されたが、ロシア研究熱は長続きしなかった。

 1853年、アメリカのペリー提督の浦賀来航に続くようにロシアのプチャーチン提督が3隻からなる艦隊を率いて長崎に来航。1853年にはロシアの軍人ニコライ・ブッセがサハリン島を占領したが同年3月のクリミア戦争勃発を受けて撤退した。国交関係交渉中の1854年4月、プチャーチンは戦略拠点の韓国巨文島を訪れている。1854年8月には英、仏連合艦隊によるペトロパブロフスク・カムチャツキー包囲戦が行われロシア軍が勝利した。

 乗艦ディアナ号の難破などもあり、プチャーチンは、1855年2月伊豆の下田で困難な交渉の末、日露和親条約(Симодский трактат、下田条約)を締結した。

※画像3枚目はナナイ族の軍人デルス・ウザーラ。

~続く~

(柴田)