今月の表紙

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2014年9月号 No.635

行事予定

よこはま国際フェスタ2014

 世界の料理、民芸品、踊りや音楽、ボランティア活動が楽しめるお祭り「よこはま国際フェスタ」が今年も行われます。当協会もロシア料理やグルジアワインなどの屋台を出店。10月18日には電子楽器「マトリョミン」のデモ演奏も予定しています。ボランティアスタッフも募集中。奮ってご参加ください!

【会場】象の鼻パーク(みなとみらい線日本大通り駅より徒歩5分、JR関内駅より徒歩15分)
【日時】2014年10月18日(土)・19日(日)10:30~16:00
【内容】国際協力・多文化共生、東日本大震災復興支援に関わる団体の活動紹介、物品・食品販売、参加団体ブース、食販ブース、だがしや楽校、エコステーション、キャンペーン、特別企画、同時開催イベントとの連携企画など
【来場者数】100団体参加、30,000人来場見込み
【主催】よこはま国際協力・国際交流プラットフォーム運営委員会、よこはま国際フェスタ2014プロジェクト

ボランティアスタッフ募集中!

 前日・当日のボランティアスタッフも募集中です。参加できる日時や内容を当協会事務局までお申し出ください。皆様のご協力をお待ちしています。

【日程・内容】 ◆10月17日(金):食材買い出し・ロシア料理(ピロシキ、ボルシチ、モルス)の調理、運搬、翌日準備
〇調理の場所・時間:ふりーふらっと野毛山2階料理室(JR・市営地下鉄 桜木町駅下車 徒歩約15分、京浜急行日ノ出町駅下車 徒歩約10分、TEL:045-241-0673) 12:30~18:30

◆10月18日(土)、10月19日(日):会場準備・調理・運搬・販売・撤収
〇調理の場所・時間:本牧地区センター料理室(横浜市中区本牧原16-1 、バス停「本牧原」=根岸駅・桜木町駅・横浜駅発、徒歩3分/横浜市営バス 8・58・99・101・105・106・148系統 TEL:045-622-4501)9:00~15:00

※フェスタ当日は、調理&運搬グループと現地食販ブースでの販売グループの二手に分かれていただきます。
※いずれか1日のみ、都合のつく時間のみの参加でも可。終日参加なら尚可。
※車で運搬できる方歓迎!

第16回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅 事後交流会

ウラジオストクで、同市在住の当協会ロシア語教室元講師・マリーナさんと 【日時】9月23日(火・祝)14:00~17:00
【会場】横浜平和と労働会館5階教室

 例年のハバロフスクだけでなく、ウラジオストクも訪問した今回の旅行はなかなか好評でした。今回参加されなかった方も遠慮なく交流会にご参加ください。旅行の土産話を聞いたり、スタッフが現地で撮影してきたDVDを見たりしてご一緒に楽しみましょう。お問い合わせ・お申し込みは協会事務局まで。

スポーツを通じて、戦争と平和を考える
『英霊たちの応援歌 最後の早慶戦』DVD上映会

 1943年10月16日、学徒出陣を間近に控え、最後の早慶戦が行われました。

 この時の慶応ナインは、戦後プロ野球で活躍し、監督も務めた別当薫を含めて全員が生還しました。ところが、対戦した早稲田ナインは戦死2名、特攻出撃2名、戦病死2名。何と6名が戦死したのです。この早稲田ナインの他にも、多くの学徒が命を失いました。

 当時、英語は敵性語として扱われ勉強することすらできない状況でした。また、多くのスポーツもその呼称を日本語に切り替えることを強制されました。野球は敵国アメリカから入ってきたスポーツだとして、白眼視されたのです。そのような中でも白球を追いかけた若者たち。その若者たちがどのような運命をたどったのか、映画で見てみましょう。そして、皆で楽しくスポーツができるのも社会が平和であるからです。そのことも考えてみましょう。

(関戸)

【日時】2014年10月26日(日)14:00~
【会場】横浜平和と労働会館5階教室
【料金】黒パン・お茶代として300円

【映画情報】1979年日本映画/124分/カラー/シネマスコープ/配給:東宝/監督:岡本喜八/出演:永島敏行、勝野洋 他

第64回ロシア語能力検定試験 10月開催

 東京ロシア語学院主催の2014年度(第64回)ロシア語能力検定試験が10月11日(土)、12日(日)に行われます。 試験の詳細・お申し込み方法については東京ロシア語学院のページにて。

活動報告

熱い2日間 ―第3回全国青年交流集会―

 7月5日(土)~6日(日)にかけて、池尻大橋にて全国青年交流集会が行われました。神奈川県からは、桜井さん、杉山さん、髙橋の3人が参加し、全国の青年の方々と、協会の今後のあり方、青年としてすべきことを真剣に話し合いました。

 1日目は、NPO法人かものはしプロジェクトの山元氏をゲストとして招き、NPOの組織運営についてお話をいただきました。神奈川県連もNPO法人として活動していることもあり、勉強になるところは多かったと思います。例えば、協会を運営していくのに「カネ」だけでなく、「ヒト」が必要で、それを「仲間づくり」と呼んでいること、イベントを企画する時にターゲットを明確化するためにペルソナを設定していることなどは、私達が参考にできるお話だと感じました。

 2日目は、講演を受けて、ユーラシア協会の青年としての活動についてグループディスカッションを行いました。多くの意見が出ましたが、北海道、大阪などで大学との繋がりにより留学生交流会や学術交流を行っていることは、私達も見習っていきたい活動だと思いました。今回熱く語り合った青年の方々とは、今後も互いに情報共有しながら協会活動を盛り上げていきたいと思います。

(髙橋)

ドイツも日本も同じ ―戦争の悲惨さの極み― 「炎628」DVD上映会報告

 8月24日(日)、恒例となった戦争と平和を考える「8・15」の集いとして、映画「炎628」DVD上映会を開催しました。当日は7人の参加となりました。

 映画の内容については、未見の方のために詳述は避けますが、独ソ戦当時の白ロシア(現ベラルーシ共和国)の実話です。

 主人公フリョーラ少年は、母親が制止するのも聞かず、ドイツ軍と戦うためにパルチザンに参加します。その結果、フリョーラの村はドイツ軍に襲われ、家族は殺されます。傷心のままパルチザンと行動を共にするフリョーラは、ドイツ軍に捕らわれ、九死に一生を得て、脱出しました。しかし、フリョーラ以外の村人は建物の中に押し込まれ、火をつけられ皆殺しにされたのです。家族を失い、自らも悲惨の極みの状況を経験したフリョーラは少年の身でありながら、その顔は老人のように深いしわが刻みこまれていたのでした。

 上映の後、参加者同士での座談会となりました。日中友好協会で事務局に勤務している滝沢さんは「日本軍も中国ではドイツ軍と同じように、穴に落とし込んで焼き殺したのです(平頂山事件 1932年)」と語ってくれました。柴田会長の次女は沖縄に嫁いでいます。その婚家のお父様は沖縄戦のことは決して語ろうとはしないそうです。ひょっとしたら、この映画のフリョーラ少年のような悲惨な思いをしたのかもしれません。戦争には勝利などはありません。勝った国にも必ず犠牲者がいて、その悲しみや辛さは消えることはないのです。

 映画の中で強い印象を残した部分があります。ドイツ軍の将校が「未来は子供から始まる。子供は皆殺しにしろ」と言うのです。一つの国を消滅させるには子供を殺すことが一番なのです。今、教壇に立っている私の教え子は中学生で15歳です。私よりも30歳以上も年下です。つまり、それだけ生きる権利を主張できるはずです。その子供たちを最初に殺すのです。これほどひどいことがあるでしょうか。

 いろいろなことを語り、改めて平和について思いを強くしました。

(関戸)

第16回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅 参加者の声

 2014年8月12日(火)~17日(日)、表題の旅行が無事行われました。参加者のFacebookへの投稿から、レポートをいくつかご紹介します。
***

ウラジオストクで  8月12日ウラジオストク、マリーナさんのクヴァルチーラ(お宅)を訪問しました。この地方特有のクマエビ(メドベードフ)、珍しいロシア料理、シューバを着たニシン(サラダ)などを御馳走になりました。マリーナさんの料理はどれも驚くほどおいしいのでした。

 8月15日昼からから8月16日朝までハバロフスクのダーチャを訪問しましました。もぎたて野菜たっぷりの食事、ダーチャ村とアムール川の散策、カラオケを楽しみ、大いに語らいました。バーニャ(ロシア式蒸し風呂)の後はダーチャの寝室でぐっすり眠りました。まるでメルヘンのよう!ダーチャの部屋は本当にくつろげました。本当に、天国のようでした。これを手作業で作って行くのですから喜びもひとしおでしょう。3人でサウナに入った後、高草さんと時間の経つのも忘れて語らいました。その後ぐっすり眠ることが出来ました。

 8月16日は250人のロシアの子どもたちと、日本の大人たちが交流しました。日本の子どもたちにも是非来て欲しい。若いころ、子どもと一緒に参加するつもりでいましたが、ソ連の崩壊にともない中止になりました。その代替えに子どもたちはアルプス子供会のキャンプ(長野県)に参加しました。日本の子供会サマーキャンプとオケアンキャンプと交流すると素晴らしいと思います。

(藤井)

***

ハバロフスク  8/15本場のダーチャをこの目で見てみたい!…この思いを実現させることができました。

 実際に見たロシアのダーチャは自由奔放で楽しい場所でした~!

 この(今回泊まった)ダーチャはかなりリキ入っていましたね。でも全部のダーチャがこんなわけでもありませんでした。ダーチャの住人の力の入れようで、さびれて荒れた感じのところもあればにぎやかなところもあり、また畑中心のところもあれば花がいっぱいのところもある・・・そんな感じです。

ハバロフスク  8/16ロシアのハバロフスク近郊にあるソ連時代からの歴史あるキャンプ場。各地から集まった子供たちが共同生活体験をしながら色んなことを学ぶ場になっています。

 私たちは日本人のゲストとして迎えられ、折り紙のつくりかたを教えるなどして交流してきました。

 ここでの体験は僕の中に大きな変化をもたらしてくれました。

 ロシアに来て外国の人達との触れ合いの大切さを感じてはいましたが、特にこのキャンプでの触れ合いは僕の心に直接的でしかも強烈なインパクトを与えてくれました。

 こうした直接的な心の触れ合いをもっともっと広げていければ戦争なんて絶対になくせる!…そう確信しました。だって、こんな風に触れ合える人たちと戦争するなんて考えられない!

ハバロフスク ハバロフスク
ハバロフスク ハバロフスク
ハバロフスク ハバロフスク

(文・写真/高草)

教室案内

横浜ロシア語教室から皆様へのサプライズ?!!! 第2弾
徳永晴美先生を囲むミニシンポジウム
~ロシア語を上手に教えるコツはあるのか?!!!~

 すでに教えている方、いつか教える方、関心のある方、どなたでも参加できる気楽な交流懇談会です。
 元NHK・TVロシア語講座講師・上智大学教授の徳永先生が「問題提起と処方箋のヴァリエーション」の提起・提示を行います。
 ロシアの大学で正規のロシア語教育実習をネイティヴ学生と共に行い、卒業後もモスクワ大学で教授法国際セミナーを数回受講・終業した経験を持つ徳永先生による小報告を聴き、自分の経験や疑問を自由に出し合い、話し合ってみませんか?
 「目からうろこ」的な気づきがあることでしょう。

◆ 2014年10月4日(土)14:00~16:00
◆ 場所:横浜平和と労働会館3階会議室
◆ 定員:20名(要予約)
◆ 参加費:一般1,500円、会員1,000円

会員無料!ロシア語入門体験

オクサーナ・ピスクノーワ先生
 神奈川県日本ユーラシア協会横浜ロシア語教室は2014年10月に第121期を迎えます。
 ロシア語を初めて学ぶ方のための「入門」クラスは、 火曜日と土曜日の午前中に新規開講予定です。
 新学期の開講に先立ち、当教室講師による会員無料の公開講座を行います。ぜひ、お気軽にご参加ください!

◆ 日時:2014年9月27日(土)
 11:00~12:00(満席)、13:00~14:00(募集中)
◆ 会場:横浜平和と労働会館5階教室
◆ 講師:オクサーナ・ピスクノーワ
◆ 定員:8名(先着順、要予約)
◆ 受講料:会員無料、非会員生徒500円、 一般 1,000円(見学も同料金)
◆ お申し込み締め切り:9月25日(木)

横浜ロシア語教室 第121期生徒募集

 月曜~土曜、入門・初級・中級・上級・会話クラス開講予定。3クラス・各30分まで見学無料。時間割(継続クラスは前期と同じ曜日・時間で持ち上がり)・内容・料金(会員割引有)等の詳細はホームページをごらんください。


補習サークル「ロシア語寺子屋」

 授業を欠席した分や日頃の授業でわかりにくい箇所の補習の場としてご参加ください。皆さんの独習のお手伝いをします。土曜中級クラス他担当の野口福美先生がサポートに当たります。

 参加費は1回500円、参加資格は横浜ロシア語教室在籍中の生徒限定とさせていただきます。

 補習希望者は5日前までに氏名、クラス名、使用テキスト、補習希望内容をお知らせください。

● 今後の予定
9月28日(日)13:30~15:30

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

 毎月2回、土曜日に開講します。来期の予定も決まりました。魅力的なロシアのメロディーを、ご自分の手で体感してみませんか?初めての方でも歓迎、楽器レンタルもご相談に応じます。

2014年度後期予定:10月4日、10月18日、11月8日、11月22日、12月6日、12月20日

生徒募集クラス
17:00~17:45 ドムラ初級
18:00~18:45 バラライカ初級

講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円


みなとみらいマトリョミン教室

 マトリョミンは他のどんな楽器とも違う、触らないで弾くという不思議な奏法がとても面白い楽器です。
 ワンフレーズ弾くぐらいなら触れたその日からでもOK。
 可愛さ、不思議さ、ロシアっぽさなどもさることながら、楽器としてのポテンシャルも非常に高く、弾く人の内面を如実に映し出します。
 会社や友人同士の集まりに持って行くと、話題性もパフォーマンス性も抜群で、注目の的です。
 一度、教室に遊びにいらっしゃいませんか。見学、体験も大歓迎です。

日程:毎月1回、土曜日開講

2014年度後期日程:10月4日、11月15日、12月13日、1月17日、2月21日、3月14日
※レッスン日に見学随時可能です。発表会、協会行事等で演奏の機会もあります。是非お気軽にご参加ください!

◆アンサンブルクラス(90分)  13:00~14:30 (満席)
◆グループレッスン
 Aクラス 14:45~15:45 (空席1)
 Bクラス 15:55~16:55 (空席2)

入学金:3,000円(継続の方、休学1年以内の方、当協会会員は免除)
受講料:アンサンブル3,600円×6回=21,600円、グループレッスン3,085円×6回=18,510円
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センター 音楽ホール
講師:平野 麻里(マトリョミン演奏家、指導者)

日本語教室

月曜~金曜、10:00~17:00の間で応相談。1コマ90分。
入学金5,400円、受講料(1回)3,200円(税込)。
個人レッスンのため、受講日時や学習内容は応相談。
お申し込み・お問い合わせは協会事務局まで。


民謡もロマンスも素敵な歌でした
~第2回 ロシア民謡とロマンスを歌う会報告~

ロシア民謡とロマンスを歌う会  8月3日(日)に第2回ロシア民謡とロマンスを歌う会が平労会館5階教室で行われました。

 参加者は川北ナターリア先生を加えて17名で、ロシアの歌が好きな方たちで教室は一杯になりました。第一回に参加された方たちも多くいらっしゃいました。

 今回取り上げられた民謡の「行商人」は、フォークダンス曲「コロブチカ」として日本でもよく知られている曲で、またロマンスの「暁に彼女を起こさないで」は素敵なメロディーの曲でした。

 先生がそれぞれの歌の歴史的背景や歌詞の内容について説明されましたので、参加者は歌の世界を理解しながら覚えることができました。

 そして授業の最後に覚えたばかりのロマンスをロシア語で披露された方たちの発音と歌唱の上手さに何度も拍手が起きていました。

(野口)

組織・財政

組織状況

(2014年8月31日現在)

 今年度年初会員数243名、入会者累計32名、退会者累計42名、6月末会員数233名、年初比▼10名。秋には新入会員歓迎会などして協会との血の通った絆を強めるとか、新入会員に催し物優遇(無料とか、割引とか)をするとか組織の強化策を講じようではありませんか。入会者より退会者が多い現状を厳しく直視しましょう。9月以降の会員拡大に力を注ぎ新規入会年間70名(あと38名)の目標を達成しましょう。

(柴田)

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2014/8/31
単位:円
摘 要本年度収入前年同期収入対前年同期増減
一般会計1,302,6931,196,235106,458
教育事業4,947,2775,395,700-448,423
一般事業1,788,0432,322,495-534,452
合 計8,038,0138,914,430-876,417
前年同期(単位:円)2013/8/31
摘 要本年度支出前年度支出対前年同期増減
一般会計5,859,9754,559,5111,300,464
教育事業2,418,7572,752,290-333,533
一般事業1,303,5612,262,350-958,789
支出計9,582,2939,574,1518,142
当期剰余金-1,544,280-659,721-884,559
合 計8,038,0138,914,430-876,417

貸借対照表 (2014/8/31)
科 目本年8月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産4,013,7423,697,827315,915
固定資産9,604,7759,604,7750
資産合計13,618,51713,302,602315,915
流動負債59,159059,159
固定負債000
負債合計59,159059,159
純資産13,559,35813,302,602256,756

 一般会計収入は僅か乍ら増加したがほぼ前年度並み。教育事業収入は減少したが支出の減少がこれを上回ったため収益はほぼ前年度並み。事業収入は対前年度比約45万円減少したが、理由は7月号記載の通り、旅行収入の処理方法変更の為である。支出は0.8万円の減少となった。

 一般会計支出が130万円と大幅に増加したが、これは新しいWEB SHOPの開業、酒類通信販売免許、古物商許可証の取得、5F教室の改装等、今後の増収、増益の基礎を築く為だ。税法上の開業費である。開業費は繰延資産に計上することが出来る。この場合開業のときから5年以内に定額法により償却(月割償却)しなければならない。当期剰余金は154万円の大幅赤字となったが繰り延べ処理によって大幅に圧縮できる。9月以降の努力で18年連続黒字を達成しよう。

(柴田)

会費納入のお願い

 今月は会費請求月に当たりますので、2013年10月から2013年12月まで(ロシア語教室生徒は2014年3月まで)の請求書を該当の方に同封させていただきました。

 ご納入方法は請求書記載の通りです。郵便振替の場合は同封の振替用紙をご利用ください。

 会員の種類が変更になった場合は、会費の額も変わるため、こちらの会費一覧表をご覧の上、新しく当てはまる会員の種類を事務局にお申し出ください。改めて金額をお知らせします。

 また、協会を退会される場合はその旨を事務局にご連絡の上、会費未納分がある方は速やかにご納入ください。

 ロシア語教室を退学される場合、協会も自動退会にはなりません。協会も同時に退会される場合はお申し出ください。

 会費のご納入や退会のお申し出と請求書送付が入れ違いになりました場合は何卒ご容赦ください。

 皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

ユーラシア通信

ロシア幼児教育の現場から (1) 遊びを用いた学習

ロシア幼児教育の現場から  私は3年ほど前から子ども向けロシア語教室「ラシンカ」でお手伝いのボランティアをしていますが、子ども向けのロシア語教育に触れる中で、日本とロシアの教育の共通点、相違点などの様々な気づきがありました。今回は、ラシンカでの経験、モスクワにて幼児教育に携わっている方のお話を通じて発見したロシアでの幼児教育事情を、数回に分けて紹介したいと思います。

 ラシンカのクラスでは、4歳から小学校4年生の子どもがロシア語を勉強しています。授業では、最初に挨拶や月、曜日などを覚え、続いて読み書きを勉強します。最後に必ず行うのが、カードを用いたゲームです。ゲームをする中で、ロシア語の使い方、数の数え方などを勉強するのです。

ロシア幼児教育の現場から  では、ロシアでは子どもの教育のためのゲーム、遊びにはどのようなものがあるのでしょうか?日本では、あいうえおの表、文字が書いてある積木など様々なおもちゃがありますが、ロシアでも同様に子ども向けの様々なおもちゃが存在します。写真は、モスクワ近郊で幼稚園の先生をしているターニャさんに見せていただいた教育のための玩具です。カードを用いて、物や動物の名前、大きい、小さいなどの形容詞や色などを教えます。

ロシア幼児教育の現場から  ロシアならではのおもちゃはあるのでしょうか?ロシアで有名なおもちゃ屋さんдетский мирにて探したところ、写真のおもちゃを見つけました。その名も「ダーチャ」です。絵が描かれたカードを使って、自分のダーチャを作る遊びのようです。ロシアらしい遊びといえそうです。

 これらの玩具、ゲームについて、ターニャさんはこう語っていました。「子どもはゲームによって、数の数え方、単語、色などを覚えます。反射神経を養うものもあります。」ラシンカでもゲームは子どもがいつも楽しみにしている時間です。楽しくゲームする中で、自然と覚えることができるのです。また規則、順番を守ることで、社会性や協調性を養うこともできるでしょう。ゲームや遊びは、子どもにとって楽しく学習するための秘密の道具といえるかもしれません。

(髙橋)

ここまで前進!第2回ダーチャサポート会議

第2回ダーチャサポート会議  さる8月22日、山梨・五風十雨農場で第2回ダーチャサポート会議が開催された。

 参加者は東京都、千葉県、神奈川県、山梨県、大阪府、広島県などから総勢13名。

 12:00開会、自己紹介と各地域での取り組み、今後の展望などを語り合う。

 千葉では高田造園設計さんが中心となってダーチャサポートの基礎組織としてダーチャ村のNPOを立ち上げる計画が報告された。用地などは既に確保し、具体的構想を練っているとの事。千葉での取り組みが成功すれば、その他の地域にも良い参考になる。

 つくばでは不動産業者に高田さんが関わりながらダーチャ村に近いものを実現する動きもある。ダーチャサポート本部と千葉ダーチャNPOが相互に緊密に情報交換することでお互いに助け合う事が出来る。

第2回ダーチャサポート会議  山梨では五風十雨農場にモデル・ダーチャを、参加者がそれぞれの専門を生かして協力し、設計、建設し、一杉次郎さん、エルヴィラさんご夫妻がダーチャ村の管理人を兼ねて移住することで基本的に合意した。建設予算は500万円ほど。ダーチャ建設に必要な木材など建設資材は千葉の高田さんが寄贈する。あとは諸条件の詳細を含め、具体的なプランを煮詰めていく段階に移行する。建築設計が専門の杉本龍彦さんに一杉さんの住居の設計を引き受けて頂いた。このプロジェクトの主導的役割は高田さんにお引き受け頂いた。

 関西では高草理事長が複数の候補地に当たるも、確定までには至っていない。高草理事長のレストラン「らぽーむ」は農場を開設予定で、農場とダーチャ村の併設をイメージしている。

 全体としては…

 参加者の杉本さんより、ダーチャ・サポートの目指す方向性を視覚的に詳細なスケッチで表現した資料の提出を受けた。

 ダーチャ村のルールづくり(コードづくり)が必要ではないかとのご意見を山梨のオブザーバーの方から頂戴した。NPO法人ダーチャ・サポート設立の具体的な手続きに関しては、今回初参加の方もおられた上に時間も限られており、ほとんど討議出来なかったが、参加理事の方々には当日が設立総会ということで設立登記手続きを進めていく旨を報告、了承して頂いた。

 内容としては以上のようなことであったが、今回は柴田、向山両理事の関係でオブザーバーとして初参加して頂いた専門家の方も3名あり、様々なテーマで活発な討議が行われ、一層の知識の共有が図られた。休憩時間にはウラジオストク、ハバロフスク訪問から戻ったばかりの高草、柴田両理事の写真を拝見し、ダーチャのお話も聞くことが出来た。また、一杉夫人エルヴィラさんと令娘カリーナさんのお二人が昼食にウズベキスタン料理を用意してくださり、参加者一同舌鼓を打つことができた。

(9/2、当協会にダーチャの初引き合いが入りました。)

(柴田)

●次回会議日程は10月9日(木)12:00~。
ダーチャに興味のある方の参加を歓迎します。(高草)

投稿歓迎!

 ユーラシア関連記事、写真、本紙に関するご意見・ご感想など歓迎します。記事は1記事800字以内を目安にお願いします。紙面の都合により若干編集する場合、分割して掲載する場合がありますがご了承ください。ペンネームでの掲載・肩書をご希望の場合はお書き添えください。特に記載のない場合はフルネーム(WEB版では苗字のみ)で掲載させていただきます。締切は毎月末になります。投稿はEメール・郵便・FAXのいずれかで。宛先は下記の通りです。

(機関紙編集部)

文化・芸能

ユーラシア音楽芸能情報

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10  欧米の制裁続きにとうとう報復制裁を課したロシアから、8月第4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中6曲が新曲、1曲が返り咲きで大変動!

 10位にウクライナ発欧州で大人気歌姫ローラクのМедленноが入りました。9位に熟年アーティスト・クレンコフのОбожаюがランクイン。8位はテキーラのПривет, как дела?。露芸能界イチ男の色気があるアーティスト、メラーゼのСвободный полетが7位に。6位はマーシャ&マウグリのRockなナンバーРавнодушная любовь。5位にレプスのЕсли хочешь, уходиがランクイン。2位にバンデロスのДай пятьが急進。Дай пятьとは英語でHigh Five、つまりハイタッチするという意味。「5を頂戴」じゃないんですね~。

 第1位に輝いたのは、ヴィンタージュのКогда рядом ты。ヨールカと首位奪取合戦を展開中ですが、当月はこちらに軍配が上がりました。おめでとうございます!:-)

(チャート詳細と全文はこちらから)

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart、8月18~24日/MOPA)

ウクライナ国内戦争 芸術芸能方面に影響

ユーラシア音楽芸能情報  ウクライナの内戦は、悪化の一途を辿っている。

 5月2日。ウクライナ南部オデッサ市の庁舎で愛国主義者と極右団体vs親露派団体の激しい衝突があり、非武装の市民が惨殺された。

 その3ヵ月後の8月3日。同市ナイトクラブでウクライナの若き歌姫アニー・ローラクのコンサートが開催されたが、極右政治団体スボボダや右派セクターの妨害に遭い、公演中断を余儀なくされた。既に首謀者は拘束されたが、妨害の動機はローラクがユーロマイダンを支持せず露の番組に出演し続けているからだ、とウクライナ内務省当局が語った。極右団体による暴挙は今回が初めてではなく、国民的歌手タイシア・ポヴァリーやHIPHOPで人気のポタプ&ナスチャも対象とされ、彼女らのポスターにトマトを投げつけるなどやりたい放題だという。

ユーラシア音楽芸能情報  3月11日に露文化省は「ウクライナとクリミアに関する露大統領の立場支持」を著名人に募り、500人も名を連ねた。この中で周知なのはヴァレリア(本名アッラ・ペルフィモヴァ)、政治活動にも精力的な国民的芸術家である歌手ヨシフ・コブゾン、オレグ・ガズマノフ、サングラスをかけた盲目の女性歌手ディアナ・グルツカヤ、2012年ユーロヴィジョンで準優勝したお婆ちゃんユニットのブラーノフスキエ・バーブシュキなどだろう。

 この署名が、近々ウクライナ政府で「ブラックリスト」として取り扱われようとしている。ウクライナ内務省は現在、この500名の著名人の入国を禁止する措置を取る準備をしているらしい。

(MOPA)

映画・演劇・エンターテインメント

「スラバのスノーショー」

8月9日 於:シアター1010(東京・北千住)

スラバのスノーショー  ノヴォシリ出身のピエロ(ロシア語ではклоунと表現)、スラバ・ポルニンが制作・演出するパントマイムショー。1993年の初演以来、30か国以上で500万人を動員したといわれる。日本での公演は会場の制約により上演不可能と言われていたが、今回よしもと興行のマネージメントにより、公演が東京と大阪で実現した。(写真左・よしもとクリエイティブ・エージェンシー提供)

 登場するのは、赤い鼻を持ちだぶだぶの衣装をまとった「黄色いピエロ」と「緑のピエロ」。緑のピエロは、つばの長い帽子、異常に甲の長いブーツ、顔を髪で隠し、ピエロというよりお化け的な容貌。黄色いピエロが首つり自殺に失敗するなど、何かにつけ物事がうまくいかない。緑のピエロは大小さまざま、たくさんいて元気よく、黄色のピエロに悪戯をふっかけて困らせる。ヴィンセント・C・フィオリノの「ブルーカナリア」に合わせて踊り、ベッドを船に見立てて海にいる場面を表現したり、散らかったステージを掃除するなどのいくつかのエピソードを経て、最後はクモの巣のようなネットが客席に襲いかかる。

スラバのスノーショー  休憩中、緑のピエロは退場せず、ステージから次々に観客席に飛び降りる。あるピエロは女性客に抱き着いたり、バッグを強奪して走り去ったり、客をステージに拉致するなど「観客いじり」。悪気はないのだが、何をされるかわからないので休憩中といえず気が抜けない。

 緑のピエロが去った後、そのまま第2部に突入。開始直後からいきなり雪のシーンとなり、突然客席にも紙の猛吹雪が吹きはじめ場内は大歓声。黄色いピエロが巨大な雪玉をステージ上に転がすと、舞台後方から緑の小さなピエロが入ったゴム球が登場し、ステージ裾からも色とりどりの巨大なゴム球がステージから客席に落ちてくる。ここから写真撮影が解禁となり、落ちてくる球を触ったり、ピエロたちと写真を撮ったりして、観客は大忙しだ。ピエロたちはそんな観客を眺めながら悠然としている。ひととおりゴム球が場内を巡って、公演は流れ解散の様相となって終了した。

スラバのスノーショー  シルク・ド・ソレイユの「アレグリア」を一部担当したスラバ・ポルニンの遊び心いっぱいのパントマイムショー、モスクワでは主にヴァフタンゴフ劇場で上演されていたが、いつもチケットは売り切れ。今回の日本公演でようやく積年のリベンジを果たした。

(滝沢=文、写真中・下)

アニメーション「モグラと海」(監督:アンナ・カディコヴァ 2012)

於:ブリリア・ショートショート・シアター

 すべての上映時間が1時間というユニークな映画館が、夏休み用の「どっきり」と「心温まる」作品を5本まとめた夏祭りプログラムを提供してくれた。久しぶりにロシアの作品が取り上げられたので鑑賞した。5作品のうち、「モグラと海」はわずか5分の作品。

 雑誌で見た海に行きたいと思ったモグラが、大地を掘り進んでようやく海に到達。ところが、そこは人(のような動物たち)がビーチを埋め尽くしていた。日が暮れてようやく海水浴客が去り、モグラは月明かりで海をみつめる。キャラクターの不思議なかわいさと、ビーチでの鋭い観察が光る小品。YouTubeでも見ることができ、台詞がないので内容把握には困らない。

(滝沢)

催し物情報

第36回ぴあフィルムフェスティバル「SF・怪奇映画特集」

ハリウッドのSF映画にも多大な影響を与えたソ連SF名作集。
とき:9月20日(土)~24日(水)
ところ:東京国立美術館フィルムセンター(東京メトロ京橋駅、都営宝町駅、JR東京駅)
チケット:一般 1回券1200円(当日)、大学生以下 800円(当日) 全席指定
上映作品:「アリエータ」「宇宙飛行」「惑星ソラリス」「火を噴く惑星」「妖婆、死棺の呪い」「不思議惑星キン・ザ・ザ」「エバンス博士の沈黙」「死者からの手紙」「ストーカー」
上映スケジュール詳細

和光大学連続市民講座「発見。新しいアジア」第3回 カザフスタンの文化

とき:10月30日(木)18:30~20:30
ところ:和光大学ポプリホール鶴川(鶴川駅北口徒歩5分)
料金:500円
申込:和光大学企画広報係大学開放センター 044-988-1433、044-988-1594(Fax)。講座の1週間前必着で申し込み必要。定員60人につき抽選あり。

メトロポリタンオペラ MET Live Viewing 2014-2015

上映館:東劇(東京)、109シネマズ川崎、109シネマズMM横浜、横浜ブルク13ほか
料金:一般3600円、学生2500円、回数券あり
●ヴェルディ《マクベス》 2014年11月1日(土)〜11月7日(金) アンナ・ネトレプコ出演
●モーツァルト《フィガロの結婚》 2014年11月15日(土)〜11月21日(金)イルダール・アブドラザコフ主演
●ビゼー《カルメン》 2014年12月13日(土)〜12月19日(金) アニータ・ラチヴェリシュヴィリ主演
●チャイコフスキー《イオランタ》2015年3月28日(土)〜4月3日(金)アンナ・ネトレプコ主演
●バルトーク《青ひげ公の城》 2015年3月28日(土)〜4月3日(金)ミハイル・ペトレンコ主演
その他 上演時間など詳細

歴史・社会

日露領土問題の歴史(16)北洋資料館とアトイヤ標柱

日露領土問題の歴史  外来人として原住民アイヌ人を征服し択捉島を最初に支配したのはロシア人ある。

 彼らはロシア領の標識として十字架を建てていた。

 日本人として最初に来島した最上徳内は、当時、択捉島に住んでいたロシア人イゾヨゾフ等に、択捉島やその北方の様子を聞き取り千島が列島であることを知った。

 その後、最上の案内で択捉に来島した近藤重蔵は、ロシアの領土標識である十字架を倒して、「大日本恵登呂府」の標識を立てた。ところが、日本では今でも「世界で初めて日本が領土であることを宣言した」などと虚偽の歴史がまかり通っている。

 Wikipediaには次のような記述がある。

 「1786年(天明6年)に最上徳内が同島を探検した際、上陸時に3名のロシア人が居住し、アイヌの中には正教を信仰するものもあったことが確認されている(ロシアでは、国家に帰属し納税意識をもたせるため、進出した地で正教の布教がなされていた)。1798年(寛政10年)、同島を影響下に置く意図をもつロシアに対抗するため、近藤重蔵がアイヌのエカシ(首長)の了承のもと、「大日本恵土呂府」の木柱を立て日本領を主張した。」。

 この記述からもロシアが日本より先に択捉島を支配していた事が判る。

 近藤が立てた標識は、その後腐朽したので、新たに「大日本地名アトイヤ」の標識が立てられた、これは明治9年に持ち帰られ、このときのものが、函館の北洋資料館に展示されている(左上の写真)。北洋資料館の解説では、「十字架跡に…」と書かれており、ロシア人が先に到達していたことが分かる。        

 北方領土問題では、日本政府の主張を正当化するため、歴史教科書などでも、近藤が十字架を倒したことには触れない。北洋資料館の解説にも「十字架跡」と書いてある。

日露領土問題の歴史  右の写真は北洋資料館内の一般解説パネル→

 ところが、北洋資料館の希望者限定配布パンフレットには、アトイヤ標柱について次のように記されている。  

 「寛政12年(1800)幕府から、開島(日本の領土として住む)の命令を受けた近藤重蔵らは択捉島に渡り、島のロシア人が建てた標柱を倒して「大日本恵登呂府」の標柱を建てました。安政6年(1859)この島の警備についた仙台藩士(仙台藩の武士)が、標柱があまりにも、いたんでいたので、『大日本アトイヤ』と書き改めて、建て直しました。」

~続く~

(柴田)