今月の表紙:ハバロフスクからの訪問団との交流

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2013年5月号 No.619

行事予定

第61回 ロシア語能力検定試験 5月開催

 今回は4級と3級のみの実施となります。過年度問題集も協会事務所で販売中です(在庫のないものは取り寄せも可能)。是非ご利用ください。
【試験日程】5月26日(日)4級10:00~、3級13:00~
【検定料】4級7,000円、3級8,000円(税込)
【横浜会場】横浜平和と労働会館3階(横浜市中区桜木町3-9 桜木町駅より徒歩5分)
【会場のお問い合わせ】NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会事務局 TEL/FAX 045-201-3714
【試験に関するお問い合わせ】東京ロシア語学院 〒156-0052 東京都世田谷区経堂1-11-2 TEL 03-3425-4011 FAX 03-3425-4048

第15回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅

大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅
【日程】8月6日(火)~8月11日(日)
【旅行地】ロシア・ハバロフスク市
【代金】188,000円(ホテル&ホームステイコース、ダーチャ生活体験コース)
【基本企画】
1.ホームステイまたはダーチャ生活体験
2.児童サマーキャンプ「オケアン」訪問
3.さよならパーティー
【第一次お申し込み締切】
2012年6月25日(火)

大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅
【お申し込み・お問い合わせ】
第15回「大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅」実行委員会(神奈川県日本ユーラシア協会内)
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp

★旅行説明会開催!
2013年6月2日(日)14:00~16:00 横浜平和と労働会館5階(予定)
※詳細は上のチラシ画像をクリックしてごらんください。PDFファイルが開きます。

活動報告

ロシア極東ハバロフスクから横浜へ

4月1日~5日、対外友好協会「すずらんの会」日本愛好家メンバー6名来訪

4月2日(火)

 旅行団2日目、体調を崩したゾーヤさんは急遽柴田さんと病院へ向かい、私と大塚さん、染谷さん、まいちゃん(慶応大の学生)、それに旅行団5人と市内観光しました。

 雨が降っていたので、桜木町から動く歩道~ランドマーク~クイーンズスクエアと屋内を歩いていったのですが、クイーンズクエアでハバロフスクの皆さんが「時間を無駄にしている、どこか他にいこう」と言い出して、そこから近いカップヌードルミュージアムを私が提案しましたが、カップヌードルミュージアムはその日開館しておらず、プランにあった朝鮮の船がある博物館?を大塚さんが提案したのですが、「船には興味ない」とのことで、真っ直ぐ赤レンガへ。さらにそこもあまり見ずに大桟橋へ。

 さすがに寒い雨の中ずっと歩き通していたので、何よりもまず暖かいところで休みたかったようで、大桟橋からタクシーでメルパルクへ行き、一息つきました。

 そして、「人形の家を見たい」とのことで、メルパルク隣りの人形の家へ。ここは、大好評で、下のお土産ショップでも長いこと買い物していました。

 そこから中華街へ向かったのですが、そこもあまり興味ないとのことで、中華街を突っ切ってみなとみらい線の元町・中華街駅に行き、そこから真っ直ぐ協会の方へ戻りました。

ハバロフスクからの訪問団

 日本に何度も来ていらっしゃる方もいたので、現代風の建物&ショッピングモールはあまり興味がなかったのだと思います。

 でも、協会での集いはとても楽しんでいらしたようですし、良かったのではないでしょうか。

 こういった交流を来年以降も続けていけたら、素晴らしいと思います。

ハバロフスクからの訪問団

 私も久しぶりにロシア人と肌が触れ合う近さで交流し、とても楽しく、また多くの愛を受け取ることができました。

 ただ、それには改善しなければならない点もあると思います。まず第一に、ホームステイ受け入れ家庭の負担が大きすぎました。

 私は今回、ハバロフスクから客人を受け入れて、初めて極東に興味を持つようになりました。

 それまでは、極東よりもやっぱりヨーロッパロシア(ペテルブルグやモスクワ)が好きで、家族もいつかそっちに連れて行きたいと思っていました。でも、今は、機会があるならば、極東への旅行も考えてみたいと思っています。

 このように、一度ホームステイを受け入れれば、今度は日本からハバロフスクへ旅行したいと多くの人は考えると思いますし、相互交流は、協会が毎年やっているハバロフスクツアーの活性化にもつながるはずです。

 そのためには、もっとステイ受け入れを容易にして、いろいろな家庭がその輪に入る必要があります。

 とにかく、場所と場所の交流ではなく、人と人の交流ですから、敷居を低くしてやっていったらいいんじゃないかと思います。それが継続するコツではないかな。

(文・大山/写真・桜井)

4月3日(水) 雨も風もなんのその

ハバロフスクからの訪問団

 4月3日は残念なことに、朝からの雨。おまけに風も強く、予定していたクルーズは早々に中止となりました。

 しかし、旅行団のメンバーは元気いっぱい。「雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ」、三溪園を目指しました。三溪園では本牧生まれの本牧育ち、地元の柴田さんが待っていてくれました。他にも、天候にかかわらず6人のスタッフが同行しました。

ハバロフスクからの訪問団

 三溪園では職員の川幡さんが案内を担当してくれました。普段は入れない、原三溪の旧宅まで見学できて、みなさん大満足。雨に足元をぬらしながらも園内を回りました。寒さのためか、熱い抹茶が参加者の体を温めてくれました。また、自ら体験することもできてご満悦の様子でした。昼食は味奈登寿司でのランチ。この店のご主人が美空ひばり後援会の役員だったので、柴田さん・ゾーヤさんは食事の後、そちらの方へ。他のメンバーはお待ちかねの百円ショップへ。伊勢佐木のダイソーは4フロアもあり、みなさん心行くまでの買い物を楽しみました。

 関戸は一日だけのおつきあいでしたが、皆さんのパワーに圧倒されました。

(文・関戸/写真・浅野)

4月4日(木)

ハバロフスクからの訪問団

 4月4日、ハバロフスク旅行団は2台の車に分乗して、また随行員は電車で鎌倉に向かい、鶴岡八幡宮の入り口で合流しました。

 例年なら、桜が満開の中を歩くはずでしたが、今年は残念ながら、ほとんど葉桜状態の中で歩くことになりました。

 八幡宮では、運良く、神式の結婚式を挙げた新郎新婦が、雅楽が流れる中、親族とともに境内を練り歩く行列を見ることが出来、旅行団メンバーは大変感激していました。

 この後、小町通に入って、蕎麦屋の「神明丁」で昼食を取る予定でしたが、他団体の予約が先に入っているために、先に高徳寺の大仏のほうに、江ノ電で向かいました。5分ほどで長谷駅に着きましたが、高徳寺までの道は人が多く、またメンバーが途中のお店によったり、アイスクリームを買ったりなどしたので、普段なら10分ほどで着くところが20分ほどかかって、高徳寺に到着しました。

 大仏の説明をした後、記念写真をとったり、大仏の中に入ったりなどし、30分ほどすごして、高徳寺を出ました。

 その後昼食のために、「神明丁」に向かおうとしましたが、メンバーが日本の伝統的な土産を買いたいとのことで、門前のみやげ物店で買うことになりました。

 その後江ノ電で鎌倉に戻り、混雑する小町通をわき目も振らずに歩いて、「神明丁」に着いた時にはもう2時半近くになっていました。

 その時間帯になると、さすがに店もすいていて、問題なく席につけて、おいしいそばを食べることが出来ました。2階の席で食べていたのですが、窓際に座っていたメンバーが、ふと下の通りに目をやったとき、知人のロシア人が歩いているのを見て、驚きの声をあげ、ちょっとした騒ぎになりました。このメンバーは、この日、他にも偶然、2人の日本人の知人と出合ったそうです。スケジュールが予定通り進んでいれば、起こらなかった出会いでした。この店には1時間ほどいました。

 その後、江の島に行く予定でしたが、旅行団の要望により、小町通をゆっくり歩いて、買い物などをすることになりました。

ハバロフスクからの訪問団 ハバロフスクからの訪問団

 4時半前に、旅行団メンバーは、車で協会事務所に向かい、次いでランドマークタワーにある、宿泊ホテルのロイヤルパークホテルに入りました。予約した60階の部屋はすばらしく、窓から見える夜景は、大変きれいでした。

 午後7時からは、同じくランドマークタワー5階にある、イタリア料理レストラン「MANJA MANJA」で歓送会を行いました。これには、日本人11人が加わって、17人で会食しました。ここは、片側広い窓から夜景が見え、落ち着いた雰囲気でありつつ、時々生演奏がある店でした。この日は、バイオリンとピアノの2重奏でした。

 最後にゾーヤさんと理事長がそれぞれ挨拶を行って、歓送会は予定通り9時に終わりました。

(文・田中/写真・浅野、桜井)

ゾーヤさんの感謝状

ハバロフスクからの訪問団

 今回6名で来日したハバロフスク対外友好協会「すずらんの会」会長のゾーヤ・ロイトマンさんから、帰国後に感謝状が届きました。ロシア語と対訳を併せて掲載しますのでご一読ください。

От имени всей нашей делегации позвольте мне выразить Вам большую признательность за тёплый приём.
私たちの代表団を代表して、あなた方の温かい歓迎に大いなる感謝の念を表明することをお許しください。

Вы подготовили для нас интересную и познавательную программу.
あなた方は私たちのために、興味深くそして有益なプログラムを用意してくださいました。

Дали возможность соприкоснуться с бытом японской семьи, почувствовать её радушное гостеприимство.
日本の家族の暮らしに触れ、その温かいおもてなしを感ずる機会を与えてくださいました。

Мы увидели из окон отеля Йокогаму практически с высоты птичьего полёта.
私たちはホテルの窓から実際に横浜の鳥瞰図を見る事が出来ました。

Очень жаль, что Фудзи-сан не захотела нам показаться.
Видно мы её чем-то обидели.
残念なことに、富士山はその姿を見せてくれようとはしませんでした。
私たちの心がけが悪かったのかもしれません。

Надеемся, что когда-нибудь она приоткроет свою завесу и покажет нам свою прекрасную вершину.
私たちは何時か富士山がカーテンを少しばかり開いて、その美しい頂上を見せてくれることを期待しています。

Желаем всем Вам и вашим близким крепкого здоровья, счастья и благополучия.
私はあなたがたとご近親の皆様方の力強いご健康、ご幸福、そしてご繁栄を祈ります。

С уважением,
Зоя Ройтман.

敬 具
ゾーヤ・ロイトマン

(翻訳・写真/柴田)

教室案内

横浜ロシア語教室 第118期 生徒募集中

 ロシア語教室が開講して1ヶ月。
 ロシア語を初めて学ぶ人のための「入門」クラスは火曜夜、土曜夕方に開講しています。両クラスともおかげさまで満席になりました。
 また、初級・中級・上級・応用・会話クラスも前期からの持ち上がりで続きます。見学も3クラス・各30分まで無料でできますので、受講をお考えの方はお気軽にお申し出ください。
 時間割・内容・料金(会員割引有)等の詳細は教室ホームページをごらんください。
 受講お申し込み・お問い合わせ先は次の通りです。


補習サークル創設!「ロシア語寺子屋」

 欠席した授業の課題や日頃の授業・宿題・独習でわからない点の補習が受けられます!
 当教室講師のサポートつきで、毎月1回、日曜日の13:30~15:30に開催。
 今月は5月19日(日)、来月は6月24日(日)の予定です。
 当教室生徒・神奈川県日本ユーラシア協会会員限定、定員8名、要事前予約。
 詳しくは教室ウェブサイトまたは先月号同封のチラシをご参照ください。

日本語教室 生徒募集中 Курсы японского языка

 レッスンは月曜~金曜、10:00~17:00の間で応相談。1コマ90分。同レベル・同時期開始の場合はグループレッスンも可。入学金5,250円(会員無料)、受講料1回3,000円。連絡先は下記の通り。

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

2013年度前期予定(変更の場合あり):
(前半)3/30, 4/20, 5/11, 5/18, 6/1, 6/15
(後半) 7/6, 7/20, 8/3, 8/17, 9/7, 9/21
時間・内容はお問い合わせ下さい。
講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円

みなとみらいマトリョミン教室

 マトリョミンは他のどんな楽器とも違う、触らないで弾くという不思議な奏法がとても面白い楽器です。
 ワンフレーズ弾くぐらいなら触れたその日からでもOK。
 可愛さ、不思議さ、ロシアっぽさなどもさることながら、楽器としてのポテンシャルも非常に高く、弾く人の内面を如実に映し出します。
 会社や友人同士の集まりに持って行くと、話題性もパフォーマンス性も抜群で、注目の的です。
 一度、教室に遊びにいらっしゃいませんか。見学、体験も大歓迎です。

日程:毎月1回、土曜日開講

2013年度前期予定:4/20, 5/18, 6/15, 7/13, 8/17, 9/21
◆アンサンブルクラス(90分) 13:00~14:30
◆グループレッスン 暫定Aクラス(90分)14:40~16:10、Bクラス 開講待ち
※Bクラスはあと2名のお申し込みで開講可能です。Bクラス開講待ちの方(2名まで)には、当面、暫定Aクラスの時間帯でレッスンを受けていただきます。空席についてはお問い合わせください。
※Bクラス開講決定後のレッスン時間は下記の通りになります。
Aクラス14:45~15:45 (満席)
Bクラス15:55~16:55 (空席4)
入学金:3,000円(継続の方、会員は免除)
受講料:アンサンブル3,500円×6回=21,000円、グループレッスン3,000円×6回=18,000円
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センター 音楽ホール
講師:平野 麻里(マトリョミン演奏家、指導者)

マトリョミン教室 MMMミニコンサート&体験レッスン

4月6日(土)
横浜平和と労働会館2階

 4月からの新学期開講を前に、マトリョミン教室体験レッスンが行われました。

 朝から嵐の予報が出ていた中、4名の方が参加してくださいました。

 まずはマトリョミンアンサンブルMMMの演奏とマトリョミンの構造、特徴を紹介。

 その後お一人ずつ実際にマトリョミンを手に持って演奏法の体験をしていただきました。何もない空間に音程をイメージしやすくするために、紙鍵盤を使い肩からマトリョミンに当てて音程を掴む練習をし、みなさん見事に今回の課題曲「カリンカ」のフレーズを演奏されていました。

(檜垣)

組織・財政

組織状況

(2013年4月30日現在)
 年初会員数:218名、年初来入会者28名、退会者数16名、実増12名、3月末会員数230名。
 ロシア語教室、音楽教室の新学期にみんなの努力で新入生を前期より多く迎える事が出来たので会員数が増えました。いつもすばらしい仲間を増やすことを忘れず、頼りがいのある、大きな協会を築きましょう。

(柴田)

財政状況

 前号で「四月のロシア語、音楽教室の生徒数の増減が本年度の大きな課題の一つになります。」と指摘しましたが、第118期は久しぶりに全市一斉ポスター貼りなどして奮闘したため、立派な成果を上げる事が出来ました。

 教育事業収入が大幅に増えたため、一般会計、事業会計収入の減少を補って全体的には増収を確保しました。

 今後は引き続き教育事業の前進に留意するとともに減少した一般会計、事業会計収入の回復に努めることが大切です。

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2013/4/30
単位:円
摘 要収 入支 出
一般会計722,1002,546,974
教育事業3,866,5001,283,070
一般事業1,239,245886,175
当期剰余金 1,111,626
合 計5,827,8455,827,845
前年同期(単位:円)2012/4/30
摘 要収 入支 出
一般会計753,4132,441,328
教育事業3,225,9191,189,890
一般事業1,423,626582,721
当期剰余金 1,189,210
合 計5,403,1495,403,149

貸借対照表 (2013/4/30)
科 目本年4月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産6,287,2965,742,458544,838
固定資産1,884,7751,884,7750
資産合計8,172,0717,627,233544,838
流動負債000
固定負債000
負債合計000
純資産8,172,0717,627,233544,838

(柴田)


お勧め商品

コーカサス風アジカ 500円(税込)

コーカサス風アジカ
トマトと唐辛子と香辛料のスパイシーなソース。
コーカサス地方の伝統的な「アジカ(Adjika)」をウクライナ風にアレンジ。
コーカサス風料理はもちろん、肉料理、炒め物、パスタ、カレー、チャーハンなど、様々な料理に幅広くお使いいただけます。
212g、ウクライナ製。

文化・芸能

ユーラシア音楽芸能情報

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10
 暖かくなったロシアから、4月第3週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中4曲が初登場。

 3位は2011年連邦芸術功労賞受賞者でハスキーな枯れ声が魅力、レプスの新譜になりました。今回の新譜は映画「メトロ」の主題歌です。

 2位は2010年に彗星のごとくデビューし、作詞作曲ダンスにプロデュースなどを手がけるマルチな歌姫ニューシャの新譜です。彼女の同世代を中心に特に人気。予告編PVもファンタジクで素敵です。これからも目が離せません!

 第1位に輝いたのは、またまたグラードゥスィ の"Я всегда помню о главном"でした。これで2ヶ月連続トップを飾りました。おめでとうございます!:-)

(全文はこちらから)

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart,4月15~21日/MOPA)


ユーラシア圏でのLGBT※アーティスト事情(5)

 これまで書いたとおり、カミングアウトしたロシアのLGBTアーティストは大衆に受け入れられないまま、苦心している。先人が受けたバッシングの洗礼を見て、性的嗜好をひた隠すアーティストも多いらしい。

 地方からモスクワへ歌手デビューを飾った若手アレクセイ・ゴーマンは、地元のラジオ局でこれまでのモスクワでの日々について笑いながらこう語った。
「もうね、芸能界はゲイだらけなんだよ。」

 今回挙げるのは、いずれも大御所レベルの人々3名だ。A氏、B氏、C氏と名づけよう。

(続きを読む)

(MOPA)


映画・演劇

「不思議惑星キン・ザ・ザ」、アニメ化!

アニメ映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」
 ゲオルギー・ダネリヤ、
 タチヤーナ・イリイナ監督
 2013年/ロシア映画

 86年に公開されカルト的人気を博したディストピアコメディー映画"Кин-дза-дза!"(邦題は不思議惑星キン・ザ・ザ)がアニメにリメイクされ"Ку! Кин-дза-дза"(クー!キン・ザ・ザ)という題で2月21日にプレミア上映、4月11日に一般公開となりました。(※編集部注:いずれもロシアで。日本では未公開)ファンの間で早速絶好調のようで、ロシアのSNSでも「Ку!ポーズコンテスト」を開いています。

(MOPA)

ユーラシア通信

キルギス大使は…大学の先輩だった!

キルギス大使
 4月20日、本部で行われたキルギス大使講演会に行ってきました。

 大使による講演の後、キルギス料理を囲んでの大使との懇談会がありましたが、びっくりしたことに、キルギス大使、リスベク・モロドガジエフ大使は私の大学の先輩だということがわかりました。

 大使は、1995年~1999年まで青山学院大学にて勉強されていて、私のゼミの担当教授である袴田茂樹先生にも習っていたそうです。

キルギス大使講演会にて
 ロシア関係の世界にいてしばしば言われることですが、やはり世間は狭いですね。

 大使とはそのことですっかり意気投合し、「次はぜひ神奈川で交流をしましょう」との話に盛り上がりました。

 大使からせっかくいただいたお言葉です。ぜひとも今年中に神奈川県でもキルギス大使との交流を実現させたいと思います。

(高橋)

イベント参加報告
チェルノブイリと福島の子どもたち
~子どもたちの未来のために今できること~

4月26日 於:文京シビックホール

 チェルノブイリ子ども基金が開催するチェルノブイリ事故のメモリアル行事。今年は主催団体に未来の福島こども基金も加わって、チェルノブイリと福島の子どもたちが置かれている現状が中心テーマだ。場内は立ち見がでるほどの盛況ぶり。

木村真三氏
 第一部は放射線衛生学の専門家の木村真三氏が、自身のフィールドワーク地のひとつナロージチ地区と福島県各地において、二つの原発事故の違い、内部被ばくの実態比較などについて講演した。どちらも食品の放射線量計測が徹底している間は内部被ばくもコントロールされているが、ひとたび気を緩め線量を計らない自家製野菜や山菜などを摂取すると体内の放射線量が増える。時間がたつと現れやすいこうした傾向に警鐘を鳴らした。さらに、日本政府への注文として、①非常事態での情報公開、②専門家は己の専門領域を越えないこと、③放射線をよく知ることが大事だということを強調。難解な内容をジョーク混じりの語り口で、わかりやすく聴くことができた。

Cs137汚染地図

広河隆一氏
 弦楽四重奏団の演奏、ウクライナのコーラステン市長の挨拶を経て、第二部は子ども基金の設立者で報道写真誌「DAYS JAPAN」の編集長・広河隆一氏の講演。チェルノブイリ原発事故では、IAEAによる安全宣言に現地の女性や医者たちが異議を申し立て、覆した実績がある一方、福島の原発事故では原子力推進派の科学者や行政がいまだに事実を押し隠し、権威を持ち続けたい医者たちが内部被ばくの実態を追うことを放棄している。そのため、疫学データの持ち出しは規制され、他県からの医療援助は拒絶されている。また、「不安をあおる」という理由から、福島県の子どもたちが学級や学校単位での保養ができないという。こうした状況を変えるために、いくつかの団体が共同して「沖縄・球美の里」という保養施設を立ち上げた。汚染地の子どもたちの肉体的精神的回復をサポートする活動がスタートし、これまで約400人が保養した。

チェルノブイリと福島の子どもたち
 日本はこれまでチェルノブイリの被災児童を支援してきたが、そこで得た教訓が日本ではほとんど生かされていないという事実を実感した。

(文・滝沢 三佐子/
写真・チェルノブイリ子ども基金提供)


ウクライナ便り ~チェルノブイリ原子力発電所施設潜入ツアーのご案内~

 当協会元事務局員で、現在ウクライナで旅行会社「トラベル=ウクライナ」を経営する小野寺茜さんから、4月末にお便りが届きました。6月に一時帰国される予定だそうです。お便りの内容を要約してお伝えします。

***

 こちらキエフも2週間前からやっと春が訪れ、今は日中は+20度となっています。今年の冬は100年ぶりの大雪と積雪で、5ヶ月間常に路上がつるつる滑り、リンク場を歩いているような感じでした。そのお陰で、すっかり右側の腰の筋肉がこわばり、足がよくつります。何とか毎晩、ヨガをして治していますが。

 最近、弊社トラベル=ウクライナではチェルノブイリ原発施設5箇所潜入ツアーが可能となりました。

 普通は入れないタービン室、管理室、コントロール室等、一般の現地の旅行会社でも許可が下りにくい所です。

 神奈川県日本ユーラシア協会の会員の方で、チェルノブイリ施設潜入ツアーにご興味のある方がいらっしゃいましたら、私が全て手配させていただこうと思います。日本人スタッフによる日本語ガイドも可能です。

 弊社ブログにチェルノブイリツアー等の写真を掲載しておりますので、お手すきの際にご覧いただきたく思います。

 ツアーのお申し込み・お問い合わせもこちらからお願い申し上げます。

事務局支援求む

 神奈川県日本ユーラシア協会事務局では、日常業務を支援してくださるスタッフを求めています。
 業務内容・条件等の詳細は追ってお知らせします。
 お時間に余裕があり当協会を支援できる方、是非ご検討ください。
 次のような方を歓迎します。
●時間的に融通が利く方
●基本的なパソコン操作ができる方
●ロシア・旧ソ連諸国に興味がある方(ロシア語ができれば尚可)
●会員、生徒、講師、来客とのコミュニケーションがお好きな方
●イベント等でのボランティア活動も可能な方

Eurasia Gallery


三溪園の桜

三溪園の桜(3月29日) 撮影:柴田 順吉

投稿歓迎!

 ユーラシア関連記事、写真、本紙に関するご意見・ご感想など歓迎します。記事は1記事800字以内を目安にお願いします。紙面の都合により若干編集する場合、分割して掲載する場合がありますがご了承ください。ペンネームでの掲載・肩書をご希望の場合はお書き添えください。特に記載のない場合はフルネーム(WEB版では苗字のみ)で掲載させていただきます。締切は毎月末になります。投稿はEメール・郵便・FAXのいずれかで。宛先は下記の通りです。

(機関紙編集部)

催し物情報

プーシキン美術館展 フランス絵画300年

2013年7月6日(土)~9月16日(月)
10:00~18:00(木曜休館)一般当日1,500円
横浜美術館(みなとみらい駅徒歩5分、桜木町駅~「動く歩道」経由徒歩10分)
展覧会お問い合わせ:03-5777-8600
詳細や最新情報は公式サイトで。
※協会事務所に展覧会チラシと割引券あります!

2013平和のための戦争展inよこはま

5月29日・横浜大空襲から68年

● 特別企画1 5月26日(日)13:30開場 14:00~16:30 2階ホール、資料代500円。講演と朗読劇:小山内美江子実行委員長、上山和雄氏(横浜開港資料館長)、横浜市立川和中学校演劇部

● 特別企画2 6月2日(日)13:30開場 14:00~16:30 2階ホール、資料代500円。講演・報告と映像 田中優子氏(法政大学教授・江戸学研究)、斎藤眞弘(横浜米軍機墜落事故資料センター) 他

● 展 示 横浜大空襲 他 約500点
※神奈川県日本ユーラシア協会も「シベリア抑留」パネル展示にて参加予定。 5月31日(金)~6月2日(日)10:00~19:00(最終日は18時まで)
1階展示場/入場無料

会場:かながわ県民センター(横浜駅西口より徒歩5分)
主催:平和のための戦争展inよこはま実行委員会
お問い合わせ:TEL 045-241-0005、FAX 045-241-4987

平和記念展示資料館 未公開資料展

 前期はシベリア抑留生活を支えた日用品や、ロシア語通訳教育隊が使っていた「露西亜語カード」など。前後期で未公開資料86点を公開。

とき:現在公開中~7月15日まで
ところ:平和記念展示資料館(新宿住友ビル48階)
問合せ:03-5323-8709

歴史・社会

日露領土問題の歴史(2)

集団間距離の近隣結合法による展開図
 オホーツク文化というのは、3~13世紀までオホーツク海沿岸を中心とする北海道の北海岸、樺太、南千島の沿海部に栄えた古代文化です。日本史では卑弥呼~鎌倉時代に相当します。

 右図(※クリックで拡大)からオホーツク文化人はアイヌよりもナナイ、ウリチなどのアムール川下流域の人々に近いことがわかります。余談ですがナナイの人たちには江戸時代に間宮林蔵が探検に訪れていますし、私たちも当協会のハバロフスク旅行の時に何度か彼らの部落を訪ねているので何となく親しみを覚えます。

 「オホーツク海」というのはロシア語で「狩猟の海」を意味します。因みに、「千島列島」のロシア語呼称「クリルスキー・オストロフ」の「クリル」は「アイヌ」を意味しています。このあたりに住む人々は海獣狩猟や漁労を中心とする生活を送っていました。彼らは春には鰊、夏はカサゴ・ソイ、秋にはホッケ、冬は鱈などの魚を網を用いて漁獲していました。冬は氷上でアザラシ、オットセイ、トド、アシカなどの海獣を捕獲しました。さまざまな遺物から船で捕鯨を行っていたことも明らかになりました。彼らは石器とともに金属器も使っていました。

 オホーツク人は『日本書紀』に現れる粛慎と考える見方が有力です。それは同時期の日本の北海道にあった続縄文文化や擦文文化とは異質の文化でした。

 日本書紀には、七世紀に阿倍比羅夫が遠征の航海の途上、大河(石狩川?)の河口で蝦夷(アイヌ)と粛慎の交戦を知り、幣賄弁島(奥尻島?)で粛慎と戦ったと記されています。

 このころからこの地方での領土、領海をめぐるかなり本格的な争いが始まったのです。

【図】集団間距離の近隣結合法による展開図
(「骨格形態にもとづくオホーツク文化人」 石田, 1996より抜粋)
1.頭蓋計測値22項目にもとづくマハラノビスの距離
2.頭蓋形態小変異
※図はクリックで拡大します。

(次号に続く/柴田 順吉)