特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙 「日本とユーラシア」
今月の表紙:フィギュアスケート・ペア ボロソジャル・トランコフ組(ロシア) Dreams on Ice にて

今月の表紙
フィギュアスケート・ペア
ボロソジャル・トランコフ組(ロシア)
Dreams on Ice にて
活動報告

戦争展で思ったこと

「平和のための戦争展」シベリア抑留パネル展示
6月5日(日) 県民サポートセンター

 今回の戦争展は最終日だけの参加でした。そのとき、非常に驚いたことは昨年まで毎年顔を合わせていた人がお亡くなりになっていたことでした。

 その方は、戦争を体験した方です。お年は90歳を超えていたのでしょう。戦争を体験した「語り部」がこの世からなくなってしまったら、誰が伝えていくのでしょうか。関戸は父がシベリヤ抑留体験者です。その父からいろいろな話を聞きました。その話の中で、戦争は絶対にしてはいけないという思いを持っていったのです。

 直接の語り部だけではなく、語り部から育てられた次の語り部をもっともっと増やしていかなければと感じた今年の戦争展でした。

(関戸)


「ロシアの大人の部屋」出版記念講演会「ロシアのアパート事情」

2011年6月19日(日)13:00~14:00
横浜平和と労働会館5階

講演会「ロシアのアパート事情」

 震災後、自粛の強要はもっての外だが消費を煽るのも何か違う、電力会社や政府やマスコミが垂れ流すウ素800も吸い飽きた…と思った頃に購入した「ロシアの大人の部屋」。近年豊かになったロシアの美しく工夫された部屋の数々にはどれも真似のできない味があり、防災や実用一辺倒ではないこうした雰囲気はやはり大切だ、私はこういう楽しいものが見たかったのだ、と感じたものです。

 さて、今回の講演会では著者の豊田菜穂子さんに、モスクワで取材されたロシアならではの住まい方をお話しいただきました。

 ソ連時代国から無料支給されたアパートがそのまま個人の財産となった今、家族構成の変化に合わせて他の家族と交換、売却または貸出(日本のような賃貸は少なく、旅行者や仮住まい向け)、フルシチョフ時代の安いアパートを購入してリフォーム、ネオスターリン様式の高級マンションを購入後自由設計(本に登場するアールヌーヴォーの豪邸は内装に2年かけたとか)など、様々な選択肢が広がっているそうです。

 また、台所や浴室は共用で数世帯が一つのフラットに暮らす共同住宅「コムナルカ」に1957年から住み続け、今は一人そこに残った95歳の妖精のようなおばあちゃんとそのノスタルジックな部屋のお話も印象的でした。

講演会「ロシアのアパート事情」

 狭い部屋を有効に使う工夫、大きなロシア人がなぜか小さな食卓を囲んでいること、外の出入口・恐怖のエレベーター・個人宅と三重に鍵がつく厳重なセキュリティ、三世代でお互いの部屋を自由に行き来する開放的な暮らし、「今時マトリョーシカが並ぶ家などない」と言われつつ実はかなりの家にあり、当たり前すぎて気づかれていないだけだったというエピソードなど、興味深い話が盛り沢山であっという間の1時間でした。

 お年寄りはもちろん若い人もイコンを飾り、超モダンなインテリアも見られる一方古いものを大切にするロシアの部屋。そのロシアならではの温かさはこれからも残っていってほしいという豊田さんの言葉に共感を覚えました。

(吉原)


ロシアのアパートは「物産展?」それとも「博物館?」

 豊田講師の話の中で非常に興味深く感じたこと、それは壁際のスチェンカとよばれる収納棚です。

 先祖からの美術品、民芸品を所せましと並べているのです。アパートそのものがミニ物産展にもなり、ミニ博物館にもなるということに驚きました。

(関戸)


ハバロフスク旅行中止

 今夏実施予定だった「第13回大自然とハバロフスク市民交流の旅」は、参加希望者が最少催行人数に達せず、残念ながら1999 年の開始以来初めて催行中止となりました。

 これも東日本大震災の影響でしょうか。楽しみにされていたお申し込みの方々、会員の皆様にお詫び申し上げます。


学び始めは学校で、その後は独習へ

第57回ロシア語能力検定試験アンケート結果

 5月29日(日)第57回ロシア語能力検定試験が行われました。横浜会場は4級が14名、3級が17名の計31名の方が受験されました。男女別では、4級は64%が女性ですが、3級になると70%が男性になります。

 今回も、試験の前にアンケートを実施し、30名の人が回答。項目は次のとおり。

1「ロシア語を何処で学習していますか」
2「検定試験があることを何で知りましたか」
3「横浜ロシア語教室を知っていますか」
4「ロシア語をどのように活かそうとおもいますか」

1の「学習場所」は、4級では、41%の人が「通学している学校」で、次いで「ラジオ・テレビ講座」(25%)です。3級になると、「学校」が16%に下がり、「独習」が44%でトップになります。ロシア語専門学校はどちらも10%台です。

2の「何で知ったか」は、4級では、「学校に勧められた」が58%で、学院のホームページを見たが33%。3級になると「学校」が27%に下がり、「学院ホームページ」が72%に上昇します。「会社から勧められた」は4級の1人だけでした。

3の「横浜教室を知っていたか」は、4級では、83%の人が「知らない」ですが、3級になると、66%が「知っていた」と答えています。

4の「どのように活かしたいか」は、4級・3級ともほぼ同じで、50%が「仕事に活かしたい」としており、次が「個人的な趣味」の33%となっています。「その他」の回答の中に「ボランテイア」と回答した人が1名(4級)いました。

 まとめると「ロシア語を学び始めるのは通学している学校で、その後ロシア語専門学校の存在は知っているが、独習やラジオ・テレビ講座で学習するようになり、検定試験も、当初は学校から勧められたが、自分で学院のホームページを見て決まるようになり、ロシア語を仕事に活かしたいと思っているが、現実はなかなかむずかしい」ということになります。

(木佐森)

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教室案内

第114期ロシア語教室 生徒募集中!中途入学も歓迎!

第114期時間割

入門~上級、月曜~土曜。各クラス全15回。個人レッスンのご相談にも応じます。各クラス等の詳細は教室ホームページをごらん下さい。曜日・時間・講師は変更される可能性もありますので、見学・入学をご希望の方は事前に事務局までお問い合わせ下さい。

お申し込み・お問い合わせ:
TEL/FAX 045-201-3714
メール yokohama-rosiago@hotmail.co.jp

教室ホームページ   教室ブログ


日本語教室 生徒募集中 Курсы японского языка 生徒募集中!!

月曜~金曜、10:00~17:00の間、1コマ90分。
基本的には個人レッスン、同レベル・同時期開始の場合はグループレッスンも可。
入学金5,250円(会員は無料)、受講料1回3,000円。
お問合せ先:045-201-3714 (事務局)



ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

毎月2回、土曜日開講
予定(2011年度前期)
前半:5月7日、5月21日、6月4日、6月11日、7月2日、7月16日
後半:8月6日、8月20日、9月10日、9月24日
時間帯:
Bクラス 14:00~14:45(バラライカ上級※)
Cクラス 15:00~15:45(ドムラ初級)
Dクラス 16:00~16:45(バラライカ初級※)
Eクラス 17:00~17:45(ドムラ初級※)
※募集中
講師:北川 翔(2008年・第7回国際ロシア民族楽器コンクール「ベロゴーリエ杯」バラライカ部門第1位)
会場:横浜平和と労働会館5階
受講料(値下げしました!):
3~5名クラス:会員16,000円(1回4,000円)
2名クラス:会員24,000円(1回6,000円)
1名クラス:会員40,000円(1回10,000円)
※8月~9月、1回45分×4回分。

お申し込み・お問い合わせ
balalaika_domra@yahoo.co.jp
Tel/Fax 045-201-3714


みなとみらいマトリョミン教室

日程:毎月1回、土曜日開講/4月16日、5月21日、6月18日、7月16日、8月20日
アンサンブルクラス(90分)13:00~14:30
グループレッスンクラス(120分)14:45~16:45
入学金:3,000円(継続の方、会員は免除)
受講料:
アンサンブル 3,500円×5回=17,500円
グループレッスン 3,000円×5回=15,000円
※初めての方も歓迎。楽器をお持ちでない方は授業時間内のみ借りられます。
会場:横浜平和と労働会館2階 音楽センター
講師:平野 麻里 (マトリョミン演奏家、指導者 マトリョミングレード1級)

お申し込み・お問い合わせ
minatomirai_matoryomin@yahoo.co.jp
Tel/Fax 045-201-3714


マトリョミン発表会

2011年8月28日(日)
横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センター

年々上達するみなとみらいマトリョミン教室生徒の腕前を、ぜひ聴きに来てください。
今年はバラライカ・ドムラ教室生徒有志も参加予定です!
ご興味のある方は上記教室メールアドレスまで。


夏休みのお知らせ

【ロシア語教室・日本語教室】
7月25日(月)~8月20日(土)
※7月最終週に授業を実施するクラスもあります。

【協会事務所】
7月25日(月)~8月5日(金)時短営業 原則として12:00~15:00
8月6日(土)~20日(土)完全休業
※8月6日・20日はバラライカ・ドムラ教室のみの実施となります。

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政治・経済

ロシア国営大企業「民営化」の裏に

 前号で私が最近の「『民営化』→ 国営企業への民間資本と経営ノウハウの導入→『国営企業強化』が実態です。」と解説したところ、会員のH氏から、「もう一つの側面がある。」とのご指摘がありました。

 それは、「民営化によって新たに多額の資金を調達し、トップクラス役員の高額退職金の原資に充てる」ことだそうです。

 所得格差という点で、ロシアとアメリカは良く似ています。

 アメリカでは、リーマンのファルド氏が退職金パッケージとして約2億9900万ドル相当、メリルのオニール前CEOには1億6100万ドル、シティのプリンス前CEOには4000万ドル以上でした。

 ロシアの官僚や企業のトップの退職金も、公表されてない場合が多いのですが、これに勝るとも劣らないそうです。

 経済情勢の分析をしている米「デロイト」社によれば、現在、モスクワには億万長者が79人住んでいるそうです。ちなみに第2位はニューヨークで、その数は58人とのことです。

(柴田)


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組織・財政

組織状況

(2011年6月30日現在)
 年初会員数:220名、入会者数:16名、退会者数:14名、6月末会員数:222名。
 前月比0名減、年初比2名増。 前年同期比3名増。
 会員拡大目標:250名(年度末)まであと28名、毎月4名強の純増で達成可能です。積極的に、いつでも、何処でも、誰にでも入会の呼びかけをしましょう。行事の時には忘れずに!
 会員は協会活動の主人公、原動力です。



財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2011/6/30
単位:円
摘 要収 入支 出
一般会計1,448,1772,986,672
教育事業4,249,4521,929,180
一般事業2,131,8061,441,844
当期剰余金 1,471,739
合 計7,829,4357,829,435
前年同期(単位:円)2010/6/30
摘 要収 入支 出
一般会計965,0272,851,769
教育事業3,836,0561,773,202
一般事業1,552,190725,748
当期剰余金 1,002,554
合 計6,353,2736,353,273

 会費収入が目標の79.6%にとどまっています。
 事務所1F移転に伴い、パソコン2台、エアコン1台その他を新調したため、事務諸費が前年対比約18万円の増となりました。その他の項目に関しては概ね前年同期および予算目標を上回って順調に推移しています。

貸借対照表 (2011)
科 目本年6月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産3,401,1903,203,148198,042
固定資産2,340,0001,845,000495,000
資産合計5,741,1905,048,148693,042
流動負債000
固定負債02,269,587-2,269,587
負債合計02,269,587-2,269,587
純資産5,741,1902,778,5612,962,629

註:固定資産に協会付属(有)カチューシャ名義の不動産(当会事務所・教室)を含まず

 前年同期比で資産は増え、負債は大幅に減少しました。協会創立50周年を目前に無借金経営が実現しました。協会関係者、会員、役員の皆様、事務所ローン完済までの長い間御尽力頂き、誠に有り難うございました。今後とも諸国民の平和と友好のために変わらぬご協力をお願いします。

(柴田)


 当協会のロシア物産オンラインショップ「うにべるま~ぐ」、6月の売上は167,775円でした。 そのうち5%分8,388円を東日本大震災義援金とさせていただきます。 4月1日~9月15日までの全売上の5%は、9月にまとめて日本赤十字社等を通じて被災地に寄付します。 皆様の温かいご支援を引き続きお願い申し上げます。

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文化&スポーツ

演 劇

「シベリアに桜咲くとき」日本公演ツアー記者会見


左から演出家アレクセイ・ペセゴフ、美術スベトラーナ・ペセゴワ、女優オリガ・スメホワの各氏

 舞台「シベリアに桜咲くとき」は元シベリア抑留者・山下静夫氏による画文集『シベリアの物語』に着想を得て、1996年ネリ・マトハーノワ女史により書き下ろされた戯曲。ロシア国内ではタブーとされたシベリア抑留と地元のロシア人との交流をテーマとしたこの作品は、2009年国立ミヌシンスクドラマ劇場が初めて取り上げ初演を成功させた。

 今回、日本人役をピープルシアターの日本人俳優が演じる日露コラボレーションという形で、日本公演が実現することになり、ミヌシンスク劇場の演出家・舞台美術・主演女優の3人が来日、日本側ピープルシアターの演出家・森井睦氏、主催代表の中本信幸・神奈川大学教授とともに記者会見を行った。

女優オリガ・スメホワ氏

 このコラボレーションはイルクーツク、モスクワをはじめ、何度も日露共同上演の話が持ち上がっていたが、いずれも資金難などにより頓挫。結局、抑留と関係の深いクラスノヤルスク文化省の支援を得て実施にこぎつけた。幾多の紆余曲折を経て日本公演を行うことについて、演出家のアレクセイ・ペセゴフ氏は「ロシアでもシベリア抑留の事実は忘れられようとしている。私の父は極東前線で戦死した。悲惨な戦争を二度とおこさないためにこの戯曲を演出するのは私の使命」とあいさつ。森井睦氏も、「ロシアでの公演では多くの観客が涙を流した。日本での観客の反応が興味深い」と話した。大震災による影響で一時延期が危惧されたが、予定通り8月から東京・松本・京都を巡演する。

(滝沢)


絵 画

異国の画家の目に映った富士の景色を描きたい

イーゴリ・オブホフ画伯

 4月21日に帰国したウラジオストクのイーゴリ・オブホフ画伯について、同市のミニコミ紙がインタビュー記事を掲載しました。その記事が、インターネットで日本ウラジオストク協会の田代さん経由で送られてきましたので、イーゴリ画伯を横浜、東京そして成田までアテンドした林誠さんに翻訳していただき、それを抜粋した6月号の続きです。

 ≪記事抜粋続き≫

Q:今度は、イーゴリさんご本人にお尋ねします。今回の横浜行の印象はどうでしたか?

A(イーゴリさん):今度の東日本大震災で、日本にいる外国人が、出来れば皆日本から脱出しようとしている時、私が日本にやって来たことに、日本の人達は感謝しているように思えました。大震災の脅威を前にした、日本人の道徳的な精神性、国民的な団結心は、私をたいへん驚かせました。仏教の影響なのでしょうか。どこにもパニックは起こりませんでした。それどころか、非常に多くの人々が、自発的に強制されることもなく、被災者のところへ出かけ、ガレキを片付け、身の回りの支援を、身分や肩書に関係なく無償で行っていたのです。

 私が初めて日本に来たのは10年前で、当時は、道路や公共施設で沢山の喫煙者に会いました。しかし、今回は、喫煙場所がなかなか見つからず、たいへん困りました。日本の人達は、真剣に健康問題に取り組んでいました。私は、日本の生活状況について語ることはできません。ただ、彼らは、他の国々の人達との交流に興味を持っていて、自分たちの国民的世界に孤立するようなことはないですね。

イーゴリ・オブホフ画伯

Q:今回の創作旅行には、満足されましたか?

A:はい、もちろん。横浜デザイン大学の学生に会えて満足でした。私の西洋絵画の授業は、生徒たちに本物の興味を呼び起こしたように思われました。それどころか、2011年9月にウラジオストク市で開催されるATP諸国若手画家のコンクールに参加することを決めたのです。これは、日ロ間の若手芸術家にとって実り多い協力の出発点になることでしょう。

イーゴリ・オブホフ画伯による富士山の画

 日本にいるときに、実現したいアイデアが生まれました。単にサミットAPECが行われた横浜の風景を描くというのではなく、日本で2番目に大きい大仏のある古都鎌倉を含めた富士山の周辺を描くというものです。19世紀の日本に葛飾北斎というイラストレーターであり、版画家でもある、傑出した浮世絵師がいました。彼は「富岳36景」を出版しています。私はこのテーマを発展させ、仮に36景でないにせよ、富士の景色を描き上げたらという興味を持ったのです。私は、日本で沢山のスケッチを描きました。今は、今年の秋に仕上げる予定の数々の絵の制作に取り組んでいます。もし、これらの絵を公開して、日本側から興味を示されるようでしたらロシアでの展示会と同様、日本でも展示会を計画したいと思います。

 今、私が考えていることが富士山の絵にうまく表現できれば、その風景画の展示会は、日本人にはおなじみの光景でも、異なる国の、文化も異なる画家の新鮮な視線にどのように写ったか、それは日本人自身にとっても、かなり興味を引くものになるだろうと思うのです。


The Story Series

Дорога на работу

(5月号掲載「通勤の道」ロシア語版後篇)

Сулейман Джабраилов

На небольшой возвышенности я поворачиваю и направляюсь вдоль склона. Бежавший доселе ручей впадает в реку, которая теперь широкой полосой внизу дублирует дорогу, по которой я иду.

По другую сторону частные дома разных размеров тянутся непрерывной и безмолвной вереницей. Пройдёт ещё немного времени, и их обитатели заполнят пространство шумом бытовой суеты, но пока, в утренней тишине, каменные и деревянные здания похожи на призраки. Над сонной рекой еле заметно висит тонкая пелена тумана. Свернувшись в белый комок на тонкой лапке в ней после долгого полёта отдыхает цапля. Опустив свой длинный клюв и закрыв глаза, она неподвижна, как река. Утята неподалёку, напротив, полны энергии, и, вытянув вперёд свои маленькие головы, они плотной гурьбой торопятся следовать за своей мамой, которая неторопливо и тихо ступает по ещё не прогревшейся воде. На прозрачном мелководье взору открывается сверкающее на солнце каменистое дно. Но за зарослями речной травы, там, где глубже, дна не видно – только круги, время от времени медленно расплывающиеся по тёмно-зелёной глади, намекают на таинственное присутствие в мутной глубине кого-то ещё. Склон над рекой окутан золотой паутиной молодого мискантуса. Егопушистые пучки на верхушках стеблей отчаянно берут всё, что могут взять от солнца, лучи которого заботливо ласкают каждый колосок. Маленькая пальма, приютившаяся рядом, также пронизывается солнечным светом, и её длинные, до этого тёмные листья сверкают прозрачным изумрудом.

Поднимаясь выше, солнце светит всё теплее. На маленьком мосту через реку показывается пожилая пара пенсионеров – невысокая женщина в возрасте, заметив меня, машет рукой в мою сторону и её спутник в тёплой шапке медленно кивает мне головой. Приблизившись, я приветствую их почтительным жестом. Так, не зная друг о друге ничего, без особых причин или поводов, мы всякий раз приветствуем друг-друга, иногда молча, иногда обмениваясь фразами о погоде.

Ещё несколько минут, и дорога выводит меня к шоссе. Рядом начинается город. Непроходящий шум машин звучит непривычно и навязчиво. На столбе через дорогу на ветру развевается баннер, возвещающий о распродаже в магазине напротив.

Мой путь близок к завершению – видно, как коллеги по этажу парами и поодиночке исчезают в проходе служебного входа. Я также захожу внутрь и растворяюсь в ритме буднего дня. Когда стемнеет, я направлюсь обратно по пройденному утром пути, думая о том, как следующим утром вновь встречу знакомых незнакомцев, и как, так же, как и они, почувствую небольшое успокоение от того, что всё идёт так же, как и прежде.

* * *

... И садясь в электричку, везущую меня домой, думаю о неравнодушном сердцу человеке.

Февраль 2011


ユーラシアスポーツ

フィギュアスケート エキシビション公演 Dreams on Ice 2011

6/24~26 新横浜・スケートセンター

Dreams on Ice 2011

 8年目を迎えた今年は東日本大震災のチャリティーイベントとして開催され、国内の若手選手を中心に新しいプログラムや趣向を凝らした演技を披露した。

 昨シーズンシニアデニューを果たし、好成績を残した弱冠16歳の羽生結弦は仙台のアイスリンクにて震災に遭い、未だホームリンクに戻れずアイスショー等に出演をしながら、練習を行っている。そんな彼の演じた『ロミオとジュリエット』は一回りも二回りも成長した姿が見られた。元々持ち合わせた柔軟性に力強さが加わり、感情豊かに演じたロミオは観客の心を掴み、会場を沸かせた。前途多難な状況ではあるが、来シーズンの羽生結弦には、もっとも期待したい。

 4年ぶりの世界女王に返り咲いた安藤美姫は『ブラックスワン』を披露した。指先や視線に至るまで一つ一つに命を吹き込んだような演技には凄みがあり、女王としての貫禄も自信も感じられる演技であった。

 またロシアからはペアを組んだ1年目のシーズンで、世界選手権2位となったタチアナ・ボロソジャル&マキシム・トランコフが来日した。彼らは東京で行われるはずであった世界選手権の為、新横浜におり震災に遭遇した。しかしながら今回ショーの為に再び来日をし、しっとりとしたラブソングにのせ3月に見せる事の出来なかった難しいリフトやダイナミックなスロージャンプなどを披露し、観客を魅了した。

(記事・宗和 美幸/写真・森 美和)


ユーラシア音楽芸能情報

ロシアと近隣諸国の音楽を中心とした芸能情報を紹介するコーナー「ユーラシア音楽芸能情報」を発信中!(^_^)v
※筆者の都合上、7月15日頃にブログをご覧下さい。

■ロシア TOP10

 6月第3週のMTVTOP10をお送りします。10曲中たった3曲が初登場!

 10位にマクシムの5ヶ月ぶりのニューシングル「Как летать?」。9位はDJメグの新譜。今回はB.K.をフィーチャーしました。B.K.はサウンドプロデュースやプロデュースを手がける、DJメグとチマチーと所属を同じとするブラックスターインクの一員。ロシアのHIPHOPワールドを共に支えています。ブラックスターインクの代表アーティスト・チマチーが、米国の有名女性ラッパーであり女優のEveとコラボレーションした「Money in the bank」が7位に。

 今月第1位に輝いたのは、グラードスィの「ГОЛАЯ」。3ヶ月連続首位キープです!

(MOPA)

詳細は協会ブログ「ロシア芸能」カテゴリーで。


催し物情報

ロシア国立ミヌシンスクドラマ劇場&ピープルシアター
「シベリアに桜咲くとき シベリアにおける日本人抑留者の生活劇」

● 東京公演 8月3日(水)~7日(日)
東京・両国 シアターX(カイ)
主催:日露SAKURAプロジェクト(シベリアに桜咲くとき)
一般前売4,000円 学生・シニア3,500円 一般当日4,500円
チケット予約・お問い合わせ
ピープルシアター 042-371-4992
シアターカイ 03-5624-1181


新生ロシア連邦20周年写真展 RUSSIA NOW

明るいロシアの今を伝える「今日のロシア」
2011年8月8日(月)~13日(土)
11:00~18:00(初日は13:00~/最終日は16:00まで)
東京交通会館 B1F ゴールドサロン(JR有楽町駅1分)
お問い合わせ:ロシア文化フェスティバル日本組織委員会事務局
Tel 03-5919-1051 Fax 03-3355-8901


2011国立ボリショイサーカス

公演プログラム ●ジギト●猫のサーカス●犬のサーカス●熊のサーカス●空中ブランコ●フープ・アクト●ジャグラー●空中アクロバット●シーソー・アクロバット●ピエロ
横浜文化体育館 7月27日(水)~8月7日(日)
S指定5,500円 A指定4,500円 B自由(当日券のみ)3,500円
招待券あります!(7月29日(金)10:30~)
枚数に限りがありますのでお早めに!


フィルム傑作選 ソクーロフ

とき:7月23日(土)~8月5日(金)
場所:ユーロスペース(渋谷)
ソクーロフ監督の16作品を上映。7月26日(火)には亀山郁夫氏によるトークショーを開催。
詳細はこちら


舞台「太陽に灼かれて」

ミハルコフ監督の同名映画を舞台化。
脚色・ピーター・フラナリー、演出・栗山民也。
とき:7月24日(日)~8月9日(火)
場所:天王洲 銀河劇場
出演:成宮寛貴、鹿賀丈史、水野美紀、美山加恋ほか
チケット:全席指定 9000円
問い合わせ:同劇場


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ユーラシア通信

リペツク便り  (5)夏が来ました!

新郎新婦の車

 6月のリペツクは、もう本格的「夏」モード。大きなロシア全土の地図の中では、西側ロシア各都市は近接しているように見えますが、実際には各都市はかなり離れていて気候にも差があります。リペツクはモスクワより約400キロ南にあるので、モスクワより少し温かい日が多いようです。長期予報によると今年は昨年のような猛暑にはならないそうですが、それでもすでに最高気温が30℃を超える日が時々あります。「寒い国」というイメージの強いロシアですが、リペツクの夏は日本と変わらない暑さです。湿度が低いので、外はいつも埃っぽくてとても喉が渇きます。一方、ロシアの住宅は断熱性が高いので、家の中はちょうど過ごしやすく快適です。

 夏はロシアの結婚式シーズンでもあります。ロシアの結婚式では新郎新婦が街の名所を廻って記念写真をたくさん撮るので、夏の天気の良い休日(特に土曜日)には結婚式の車列や幸せそうにポーズをとる新郎新婦をよく見かけます。新郎新婦の乗る車は写真のようにリボンや花や風船でおめかししているので一目瞭然。大きなリムジンを見かけることもあります。

苺を売るおばあちゃん

 4月中旬にやっと雪が無くなった郊外のダーチャでは、6月にはもう作物の収穫が始まりました。年金暮らしのおばあちゃん達が、ダーチャで育てた自慢の花や野菜や果物を、人通りの多い街中に売りにやってきます。交差点やバス停の近くに何人かのおばあちゃん達が並んで腰掛け、段ポール箱の上にプラスチックのコップに入れた苺やベリーやさくらんぼ、えんどう豆やハーブやネギなど採れ立ての菜園の作物を並べ、一日中静かに座ってお客を待っています。日によって人の数も売っているものもいろいろ。ここでは、スーパーや市場では買えない旬の作物に出会える楽しさがあります。でも、実はこのダーチャの作物は、厳しい年金暮らしを補う大切な収入源なのだそうです。

(堀江 美恵)


バラライカ奏者 北川翔 デビュー5周年記念 ロストフ音楽の旅

当協会「バラライカ」「ドムラ」教室の講師、北川翔先生が下記のツアーを企画されました。先生とご一緒でなければ滅多に体験できない素晴らしい内容のツアーです。是非ご参加下さい。

2011年11月30日(水)~12月7日(水)8日間
298,000円 成田空港発着 添乗員同行
最少催行人員:20名(限定35名)
第一次申込締め切り:8月19日(金)

内容:北川翔さんバラライカ開花の地ロストフ・ナ・ダヌーでご自身の演奏を鑑賞/市内観光、ロストフ国立音楽院の練習見学を予定/オプショナルの周辺都市観光も充実/帰路イスタンブール半日観光も可

主催:ユーラスツアーズ、日本ユーラシア協会本部
協力・お申し込み先:神奈川県日本ユーラシア協会
TEL/FAX: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp



横浜平和と労働会館1階・当協会新事務所の商品陳列棚

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中世ロシア興亡史講義

第63回 キエフの陥落

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