特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙 「日本とユーラシア」
ロシア極東 ハバロフスク上空

今月の表紙
ロシア極東 ハバロフスク上空


行事予定

第56回 ロシア語能力検定試験

10月9日(土)9日(日) 横浜平和と労働会館5階

4級 9日 10:00~   2級 9日 13:00~
1級 10日 10:00~  3級 10日 13:30~
受験料: 4級 7,000円(会員6,500円)
1~3級 8,000円(会員7,500円)

お申し込み方法:郵送の場合は所定の申込用紙(協会事務所でも配布中)に検定受験料を添えて現金書留封筒に「検定受験」と朱書し、下記へお送りください。折り返し受験票を郵送いたします。また、事務所で直接お申し込みもできます。

●横浜会場受験者お申し込み先:
NPO法人 神奈川県日本ユーラシア協会
〒231-0062 神奈川県横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館5F

●東京会場受験者お申し込み先:
東京ロシア語学院
〒156-0052 東京都世田谷区経堂1-11-2
TEL.03-3425-4011 Fax.03-3425-4048


第12回大自然とハバロフスク市民交流の旅 事後交流会

第12回大自然とハバロフスク市民交流の旅

日時:2010年9月23日(木・祝)13:00~
場所:横浜平和と労働会館5階
内容:旅行ビデオ上映、懇談、会食、写真交換、感想文提出等(予定)
参加費(食事・飲み物代込み):1,500円
持ち寄りも歓迎!


クリミア半島の歴史と風景

クリミア半島

2010年9月26日(日)14:00~
場所:横浜平和と労働会館5階 協会事務所
参加費:会員200円、非会員学生500円、一般700円

ロシア語教室講師・小野ダリヤ先生が、出身地クリミア半島の歴史を生きた言葉で語り、地元の人しか知らない名所・旧跡をご紹介します。サモワールで点てたお茶を飲みながら、楽しい時間を過ごしましょう。
クリミア産赤ワイン「アルーシタ」も数本ですがボトルでお分けする予定です。


横浜国際フェスタ ボランティア募集

日程:2010年10月16日(土)、17日(日)
会場:「象の鼻パーク」および「波止場会館」
(みなとみらい線馬車道駅、日本大通り駅より徒歩5分)
内容:国際協力・国際交流・在住外国人支援に関わる団体の活動紹介、物品・食品販売

今年も協会でこの行事に参加することになりました。ボルシチ(ビーツと肉と野菜のスープ)とペリメニ(ロシア風水餃子)の販売を予定しています。
10月15日(金)、16日(土)、17日(日)の調理・準備・販売・片付けボランティアスタッフ募集中。全部でも一部でも歓迎します。この日はロシア語教室も休校になりますので、土曜日のクラスを受講されている方も是非ご参加下さい!
参加のお申し出やお問い合わせは事務局まで。


講演会「ありのままのロシア」

講師:アンドレイ・フェシュン
(在日ロシア連邦大使館一等書記官・文化担当兼ロシア連邦協力庁在日代表部部長)
日時:2010年11月14日(日)14:00~16:00
会場:横浜平和と労働会館3階
参加費:一般1,000円、会員500円


講演会「ロシア経済はどこへ向かっているか」

講師:スレイマン・ジャブライロフ
日時:2010年11月27日(土)14:00~16:00
会場:横浜平和と労働会館3階
参加費:1,000円、会員500円


お申し込み・お問い合わせ:協会事務局
TEL/FAX 045-201-3714  E-Mail eurask2@hotmail.co.jp

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活動報告


第12回 大自然とハバロフスク市民交流の旅

7/28(水)~8/2(月)
今月より、参加者の作文を順次ご紹介します。

ハバロフスク訪問記

 私が参加したのは「ハバロフスク」に特別な関心があった訳ではなく、一度も訪れたことのない国・街だったことと、お休みが取れそうな日程だったからです。

 ロシア語ができなくても挨拶くらいは・・・と思って、新潟までの新幹線で少しだけ教わりました。

 二日目の昼食は雰囲気の良いレストランで、ロシア料理は知りませんが食事は美味しく頂きました。午後、ホストファミリーとの対面のためハバロフスク対外交流協会に行きました。協会の部屋に着くとイケメンの青年が一人座っていました。協会の説明や活動の話を聞きながらその青年をチラリチラリと見て「協会のお手伝いでもしているのか な?」などと思っていました。そして、いよいよホストファミリーとのご対面です。何と!イケメンのお兄さんがお迎えの人でした。やったね!

 お家は、ハバロフスク駅のすぐ斜め向かいのアパート(年代物のマンション)でした。お母さんと16歳の息子さん、ダーチャで野菜を作っている元気なおばあさん(65歳だったっけ)、お母さんの妹とおしゃまな10歳の娘さんが、一緒に夕食時を過ごしました。お父さんは技術者で出張のため数日間帰って来ないそうで、お母さんは神経科のお医者さんでした。同行の伊藤さんが英語でいろいろ話してくれましたが、それでも言葉が分からなくなったりすると、息子さんのパソコンで翻訳ソフトを使ってお話をしました。

 何といってもこのボーイフレンドが、一番の収穫です。ふっふっふっ。

(紺野)

第12回大自然とハバロフスク市民交流の旅 第12回大自然とハバロフスク市民交流の旅 第12回大自然とハバロフスク市民交流の旅


終戦65年「8・15」特別企画 映画「不毛地帯」出演者挨拶・鑑賞会

映画「不毛地帯」出演者挨拶・鑑賞会

2010年8月29日(日)10:00~
横浜平和と労働会館3階 会議室

 暑い中日曜の午前中に13人が参加しました。

 最初に出演者である河崎保さんの講演がありました。山本薩夫監督(生誕100年、そして死去したのがちょうど8月29日とのこと)との関り、撮影の裏話、出演時のエピソードなどを語っていただきました。出演シーンはわずか数分で撮影も1日で済んだこと、シベリヤ抑留のシーンは北海道で撮影されたことなども初めて知りました。

 映画は休憩をはさみ、3時間の長丁場。しかし、参加者は熱心に鑑賞していました。この映画の封切り直後に当時の田中角栄首相がロッキード事件で逮捕され、まさに映画を地で行く状況だったことを思い出しました。

 上映会の後は、河崎さんを囲んでの交流会。野毛の「萬里」でグラス片手におしゃべりが弾みました。

(関戸)


根岸外国人墓地調査

2010年9月3日(金) 根岸外国人墓地 ロシア系と思われる人の墓碑が6基ありました。 詳細は次号でご報告します。


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教室案内

第113期ロシア語教室 10月開講!

第113期時間割

入門、初級、中級、上級、会話 毎週月曜日~土曜日、各コース全15回(一部全17回のクラスあり)。
各クラス等の詳細は教室ホームページへ。見学・入学をご希望の方は事前に事務局までお問い合わせ下さい。

お申し込み・お問い合わせ:
TEL/FAX 045-201-3714
メール yokohama-rosiago@hotmail.co.jp

教室ホームページ   教室ブログ


新任講師・ハバロフスク出身のオリガ先生 木曜夜・会話クラス担当

バソヴァ・オリガ先生

10月から新しいロシア人講師、バソヴァ・オリガ先生が会話クラスを担当されることになりました。オリガ先生はロシア・ハバロフスク国立教育大学東洋学部日本語科で日本語教師として、また旅行会社の日本語専属ガイド及び通訳として活躍後、大学を休職し、現在一橋大学大学院言語社会研究科修士課程に留学中の才媛です。 木曜夜の会話クラスは、ロシア語文法の基礎を一通り習得し、会話力はこれから伸ばしていきたい方にお勧めです。是非ご検討下さい!


会員無料!ロシア語公開講座 10月9日(土)

●14:30~15:30 ロシア語入門
全く初めてロシア語を学ぶ人のための講座。アルファベットや簡単な挨拶など、初歩のロシア語に触れてみませんか?入門クラスの受講を考えている方、お気軽にご参加下さい。

●15:45~16:45 やさしいロシア語会話
ロシア語の基礎を学んだ初級レベル程度の方のための、ロシア人講師によるやさしい会話のクラス。会話に慣れていなくても、間違えても大丈夫。簡単なやりとりに挑戦してみましょう。

講師:須藤アレキサンドラ
詳細は上記リンク先ページをごらん下さい。お申し込み・お問い合わせは事務局まで。


日本語教室 Курсы японского языка 生徒募集中!!

月曜~金曜、10:00~17:00の間、1コマ90分。
基本的には個人レッスン、同レベルで同時期に始める場合はグループレッスンも可。
入学金5,250円(会員は無料)、受講料1回3,000円。
お問合せ先:045-201-3714 (事務局)


ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室 中途入学も歓迎!

毎月2回、土曜日開講
後半期残りレッスン日:9月18日、10月2日、10月16日

Bクラス 14:00~14:45(バラライカ経験者)、Cクラス 15:00~15:45(ドムラ初心者)
来期11月より16:00~16:45のバラライカ初心者クラス設置も検討中です。受講ご希望の方はお問い合わせください。
お申し込み・お問い合わせ
balalaika_domra@yahoo.co.jp
Tel/Fax 045-201-3714


みなとみらいマトリョミン教室2010前期発表会

みなとみらいマトリョミン教室2010前期発表会

2010年8月29日(日)
横浜平和と労働会館2階・音楽ホールにて

 2010年度前期のレッスンを終え、今年で2回目となる発表会が行われました。8月も終わりというのにまだまだ暑さの厳しい中、10数名のお客様にお越しいただき、アットホームな雰囲気で始まりました。

 出演は、今期から始めたばかりのご姉妹とクラスに数少ない男性1名、アンサンブルメンバー6名の計9名。ソロ曲を1人1曲ずつ、デュエット曲、アンサンブル曲を披露しました。昨年は初めて人前で演奏するという方がほとんどで、手も足もガクガク震えるほど緊張なさっていたのが、とくにアンサンブルメンバーはヨールカ祭や他の行事などで出演の機会を重ねるごとに自信をつけ、今年は堂々とした演奏を見せてくれました。今回は初のアカペラの曲に挑戦し、「ブラボー!」のお声もいただきました。これからもますます自分たちのハーモニーを極めることに力を入れていきたいと思います。

 また、前回好評だった「クイズコーナー」では、ロシアと日本、マトリョーシカとテルミンにまつわる問題が出題され、正解者には素敵なプレゼントもありました。

マトリョミンファッションショー

 さらに、マンダリンエレクトロン社より発売されたマトリョミンが販売台数3,000体を超え、生徒さんの中でもいろいろなモデルとお持ちの方もいることから、「マトリョミンファッションショー」として紹介されました。販売モデルは現在10種類、その他オリジナルペイントを施したものや、マトリョミンサイズに合わせたドレスやコートなど、これからも目が離せません。*機関紙でも今月から写真とともにご紹介していきます。

 10月2日(土)からはいよいよ後期講座が始まります。見学・体験レッスンも行っていますので、ご興味をもたれた方はぜひお気軽にお問い合わせください。

(檜垣)

minatomirai_matoryomin@yahoo.co.jp
Tel/Fax 045-201-3714

Yokohama Collection 2010 summer

マトリョミンファッションショー

ハマ・コレ2010夏 マトリョミンファッションショー

●コスプレ純白シリーズ 「天使」

讃美歌を歌う時用の衣装。天使の羽や星のスティックにベレー帽などの小物で清らかな聖歌隊のイメージ。スティックを持つ為の手がついている所がポイントです。


語学・音楽教室宣伝ポスター貼りにご協力下さい!

ロシア語教室・日本語教室・バラライカ&ドムラ教室・マトリョミン教室の秋からの新学期に向けて、横浜市公共掲示板へのポスター貼りを予定しています。 9月21日(火)~25日(土)の間に一斉掲示しますので、ご協力いただける地区と必要な枚数を事前にご連絡下さい。
いつも通る駅のそばやご自宅の近くなどに数枚貼るだけでも構いません。是非ご協力をお願いします。

(事務局)


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組織・財政

組織状況

(2010年8月31日現在)
年初会員数:211名、入会者数:31名、退会者数:28名、8月31日現在会員数:214名。
前月比2名増、年初比3名増。前年同期比21名減。年度末目標数250名。


財政状況

現在の財政規模は予算対比98%の遂行率であり、達成までいま一歩です。

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2010/8/28
単位:円
摘 要収 入支 出
一般会計1,296,9403,693,949
教育事業4,310,5892,254,222
一般事業2,3118941,889,729
当期剰余金 81,523
合 計7,919,4237,919,423
前年同期(単位:円)2010/7/31
摘 要収 入支 出
一般会計1,203,4724,164,837
教育事業3,591,9321,975,119
一般事業1,491,7661,538,276
当期剰余金 -1,391,062
合 計6,287,1706,287,170

 概 況

 前年同期に比べ収入総額で26%増、内、一般会計8%増、教育事業20%増、一般事業55%増でほぼ順調な推移です。会員拡大が進んでいない為、一般会計の伸び率が低いのが問題です。当期剰余金は1,472,585円改善しなんとか黒字を守っています。今年度収入予算総額は13,955,600円、8月末では12分の8の9,303,732円、従って8月末の対予算遂行率は85%となります。

(柴田)

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ユーラシア文化

ユーラシア芸能

t.A.T.u.情報

みんな大好き♪ロシア発世界のスーパーアイドル「t.A.T.u.」関係の情報です。(^^)
●レーナ、ロサンゼルスの美容院でファンに襲撃される
●レーナ、9月にサンフランシスコでコンサート

ロシア・トップ10

8月第3週のMTV TOP10をお送りします。怒涛の新曲の津波、10曲中4曲が初チャートイン!

続きは協会ブログ「ロシア芸能」カテゴリーをご覧ください。

(MOPA)

The Story Series

メンタルホスピタルへの手紙(縮約版)

スレイマン・ジャブライロフ 作
ファンキージャネット 訳


3日目

 ここ数日、頻繁に地下鉄を利用している。たった30分で首都圏の反対側まで辿り着けるので非常に便利だ。ただしラッシュアワーの場合、お互い謝りながら、あるいは他人や自分の足を踏みつけないよう注意しながら密集した不親切な群衆を掻き分けドアまで辿り着かなくてはならない。これには声と体の相当な力が要求される。友人よ、これは容易くも喜ばしくもない。

 地下鉄で街に向かう途中、至るところから聞こえてくる乗客の会話、噂話に自然と注意が注がれた。彼らの主な話題は何だと思う?想像つかないでしょう。僕も知らなかった。それはなんと、テレビだ。ここでは皆テレビ番組について話し合い、アナウンサー、芸能人は皆からよく知られ、崇拝されているアイドルのような存在だ。子供、若者、更には年配の人々にとって殆どの会話があらゆるテレビ番組についてだ。しかも沢山の人々が移動中に携帯電話、あるいは子供の手に収まるサイズの複雑な小型装置を使ってまで番組に熱中している程。ここでは、誰かの外見や性格を説明するのに一番分かりやすい方法は、有名な芸能人、あるいは歌手に例えることだ。芸能人自身よりも、ファンの方がその芸能人についてあたかも一番御存じかのように思え、自分のアイドルについて良くも悪くも言及されると、普段の冷静沈着な態度が狂喜と憤慨へ豹変する。こうした僕達には今まで全く縁のなかったものに興味が湧き、近いうちにここの人々が夢中になっているテレビというものを身近に知ってみようと思った。

(つづく)


ユーラシア通信

嘘のようなホントのお話「ロシアの森林火災」

 ロシア人の楽しみは森に入って、シャシリクをすることですが、その火の後始末なんぞはまずしないし、タバコの吸殻の投げ捨ては当り前ですから、乾燥した森が毎年あちこちで燃えるのです。表層土は大抵泥炭ですから夏の酷暑で自然発火することも多数あります。

 それにしても今年は余りにも被害が大きいので、プーチン首相が森林火災で焼けだされた住民に新しい家を贈る事、見舞い金として?千ルーブルを支給することを現地視察の時に公約してしまいました。これが、火事が一層大規模に広がる原因になってしまいました。というのは、ご承知の通り、森の近くの家は作業用の物置かダーチャのような木造の古い家ばかりなので、燃えていない家の住民が、見舞金の獲得と家の建替えを狙って、放火をはじめたのです。

ダーチャ

 ダーチャなんてもともと、写真のように薪みたいなものですから、現金を貰ったほうが得ですし、新しい家が建ったらラッキーですよね。

 ちなみに、リャザン地区で8月8日新たに、5箇所から火があがったという報告があったそうですが、これだけ一生懸命に消火に当たっているのに、自然な発火とは思えないですよね。

 さて、プーチンさんの方針で鎮火したところから早速、家の再建が始まったのですが、再建現場では電柱に監視カメラを設定して“工事の進行状況”を監視することにしました。

 早速、捕まったのが、おばあちゃん…ロシアのバーブシカで、焼け残った家の側の草に火を付けるところを見つかってしまいました。

 駆けつけた、消防士に、玉葱を燃していたと説明したとのこと。ロシアでは玉葱に火をつけることがあるのですかね?実際は玉葱の茎の乾いた物かも知れません。

 でもインターネット監視カメラをいきなり各現場に設定するなんて、さすが、ゲーペーウー/カーゲーベーの輝かしい?伝統を誇るソビエト-ロシアですね。このバーブシカは、火を付けるのがちょっと遅かったですね。

 酷熱のロシアは今日もまだ山火事とスモッグ模様!

(持論家)


NHK大河ドラマ「坂の上の雲」について(9)

今でも取られている日露戦争の税金

 日露戦争は強敵ロシアと軍艦など輸入新鋭武器で戦ったため、その戦費は日清戦争の2億円に比べ10倍の20億円という膨大なものであった。戦場で戦った兵士のみならず、日本人全体が「総動員」された。

 戦争経済は増税,国債の発行といった形で国民に重荷を負わせた。地租,営業税,所得税,酒税は日露戦争中200%の増税,さらに毛織物消費税・石油消費税(ランプの石油にまで)、通行税(電車の乗車券に課税)なども新設された.

 民間事業であった煙草や塩の製造・販売も政府に取り上げられ、国家の専売事業となった。

 当初は、「平和克復」の1906年末に廃止される予定であったが、開戦前から財政難であった政府は1906年3月に廃止規定を削除、恒久税化を図った。国は増税により予定を上回る収入を得た。

 一方、庶民は調味料や、石油ランプの燃料などにまでも課税された為、苦しい生活を強いられた。

 これら諸税の負担は今日の我々にまで重くのし掛かっていることを忘れてはならない。所得税は25%増税、営業税は2.5倍になり、物価は上がり、賃金は下がり、その上、「忠君愛国」の美名の下に、「戦時公債を買え、献金せよ、賃金を工廠預けにせよ」などと強要され、庶民はさんざんな目にあわされた。

 私の亡母の話では、庶民の不満をそらす為、政府・マスコミは子供にまで「ニッポン勝った!ロシャ負けた!」と歌を歌わせ、「軍神」広瀬中佐、「軍神」橘中佐、乃木大将と「水師営の会見」、東郷平八郎と「日本海海戦」、横川省三・沖禎介二烈士などの忠勇美談の報道や、203高地攻略など「勝った、勝った」の報道攻めを行ったのである。このような状況は、日露戦争時も太平洋戦争時も同じだった。負けている時でさえ「全滅」は「玉砕」、「退却」は「転進」などと美化された。

 内村鑑三は「萬朝報(よろずちょうほう)」で「日露の衝突の真義は、両国の帝国主義者の衝突で、もっとも多く迷惑を感ずる者は、平和を追求してやまざる両国の良民である」、「平和は人類の勇気である。戦争をもって勇気と見なすは人を禽獣(鳥やけだもの)と見ての上である。人類を侮辱する者にして主権論者のごときはあるまい」と真実を述べた。

 余談になるが、文豪谷崎潤一郎は僅か八歳のとき日清戦争について「私が一番不思議に感じたのは、朝鮮の事件である東学党の叛乱に、どうして日本の軍隊が出動しなければならなかったのか。而も朝鮮へ出かけて行って支那の軍隊と交戦したのはどう云う訳かと云うことで、これは何としても頷けなかった。」と記している。

(柴田 順吉)


映画・演劇

樺太1945年 氷雪の門

(シアターN渋谷、横浜・シネマベティ)

 当時のソ連政府による抗議により、36年間もお蔵入りとなっていた作品が、デジタル処理を施されついに劇場公開となった。物語は1945年8月20日、かつての樺太(現ロシア領サハリン州)の真岡という町で電話交換手として働く9人の若い女性が、終戦を迎えてもなお攻撃をしてくるソ連軍に抗して残留し、毒物による集団自決をしたという実話がベースとなっている。タイトルの「氷雪の門」とは、彼女たちを記念し稚内に立てられた像の名称。敗戦国を攻撃する鬼畜のようなソ連軍の描かれ方を見ると、当時のソ連政府が公開を容認するはずはないと感じる。また、日本側にも「モスクワわが愛」という映画の公開を控えて、ソ連側の要求を呑まざるを得なかったという政治的な判断もあったそうだ。この映画を観て、ソ連の行動に怒りを感じる人は多いだろうが、悲劇の本質は、日本政府による「棄民」措置だ。電話交換手の乙女たちは、使命感や奥地からの家族を待つなどの個々の理由で本土への引揚げを拒否し自殺したが、非難の途中で十万人ともいわれる日本人が死亡。一方で、「日本人の悲劇ばかり取り上げられていて、同じく樺太で辛酸を嘗めた韓国・朝鮮人や中国人などについてはまったく触れられてない」という批判もある。樺太を描いた日本映画はほとんどないだけに、歴史背景を客観的に見ることが求められる作品であろう。

(滝沢)


フェアウェル さらば、哀しみのスパイ

(渋谷:シネマライズ)

 こちらもブレジネフ政権時代に実在したソ連のスパイを題材にした映画。そのスパイであるグレゴリエフのコードネームが「フェアウェル」。彼はソ連の軍事機密、ソ連が知りえているアメリカの機密など4000通に及ぶ極秘文書を、フランス人技師を通して西側へリークする。当時のスパイのやり方は、想像以上にアナログでたいへんな苦労が偲ばれるが、彼が西側へ送った機密によりソ連の破綻が知られ、「国の裏切り者」となることに。翻って現代。インターネットで顔まで公開するロシアの美人スパイが騒がれたが、東西冷戦時代の緊張感を考えるとスパイ稼業などたいしたものではないと思えてしまう。

(滝沢)


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催し物情報

●劇団黒テント ミュージカル・チェーホフ「歌うワーニャおじさん」

※当協会所蔵・帝政時代のサモワールも出演します!
期間:9月16日(木)~9月26日(日)
(16,17,21,24日は19時~のみ、19,20,23,26日は14時~のみ、18,22,25日は14時・19時2回公演)
会場:シアターイワト
料金:前売4,000円 学生2,500円 当日4,500円
※神奈川県日本ユーラシア協会会員割引3,500円
観劇ご希望の会員の方は、9月15日(水)までに協会事務所に希望日・時間・氏名・人数をご連絡の上、お申し込み下さい。
当日は受付で「神奈川県日本ユーラシア協会の○○」と名前をお伝え下さい。


●トルストイ没後100周年記念特別講演会「トルストイの問いかけるもの」

日時:9月25日(土)午後2時~4時
会場:日本記者クラブ(千代田区内幸町 日本プレスセンタービル) 10階ホール 03-3503-2721
内容:川端香男氏(日本トルストイ協会会長)講演
会費:一般2500円、NPO日ロ交流協会会員2000円、学生2000円
申し込み:住所・氏名・連絡先を明記の上、要申し込み。定員になり次第締め切り。
〒106-0041 港区麻布台3-4-14-401
03-5563-0626 03-5563-0752(ファクス)
メール nichiro-nichifo.org


●一日ロシアカフェ「スバボーダ」第2弾~ルーシのしらべ

日時:10月3日(日) 場所:阿佐ヶ谷ロフトA
12時開場、13時開演 入場料:1,000円(飲食代別)
出演:カテリーナ(バンドゥーラ演奏、唄)、杉インナ(ロシア民話の朗読/画家)、佐々木真理(チェルノブイリ子ども基金スタッフ)、ロシアのアイドルグループビデオ上映も
前売りチケット販売:阿佐ヶ谷ロフトA
http://www.loft-prj.co.jp/lofta/reservation/
ロシア雑貨店マリンカ(03-3565-3205)、ロシア雑貨店パルク(03-6479-3658)
主催:ロシア雑貨店マリンカ、ロシア雑貨店パルク、勝手にロシア通信


●テルミンティータイムコンサート 枯葉

日時:10月23日(土)開場14:30 開演15:00
料金:前売3,000円、当日3,500円(1ドリンク付)
出演:相田康一郎(テルミン)、鴇田望(ピアノ)、下田敦(ギター)
バルチカ(マトリョミンデュオ)、ニチェボー!(マトリョミンアンサンブル)
会場:KURIKURI 相互二番町ビル地下1階(有楽町線「麹町」駅徒歩3分、半蔵門線「半蔵門」駅)
ご予約・お問い合わせ:aida@my.daa.jp


●遊び心でチェーホフを!「かもめ」

10月27日~10月31日 14:00  日暮里 d-倉庫
当日:3000円、前売:2500円、学生:2300円
03-3466-4029 (劇団事務所 TAC三原塾)
http://members2.jcom.home.ne.jp/tacmihara/


●日経ミューズサロン『第382回 モスクワ少年合唱団~合唱大国ロシアが誇る天使の歌声~』

レオニード・バクルーシン(音楽監督・主任指揮者)
日時:11月10日(水) 18:30開演
会場:日経ホール
料金:全席指定 前売/3,500円
http://www.nikkei-hall.com/


●「チェブラーシカ」 同時上映 「くまのがっこう ジャッキーとケイティ」

12月18日(土)公開 渋谷:シネクイント
cheb-kuma.com


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ユーラシア関連記事・写真の投稿、ご意見、ご感想等 大歓迎!

字数は読み物なら400字程度(長ければ連載で)、案内なら1行~200字以内でお願いします。
また、この神奈川県版機関紙「日本とユーラシア」に関するご意見やご感想なども歓迎します。
締切は毎月第3または第4土曜日(月末土曜日に開かれる協会理事会の1週間前)です。
投稿は郵便・FAX・Eメールのいずれかで。宛先は下記の通り。

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 機関紙編集部
〒231-0062 横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館5階
Fax 045‐201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp

(機関紙編集部)


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お勧め商品

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●取扱商品の詳細は協会事務所、または協会主催オンラインショップ「うにべるま~ぐ」でごらん下さい。

●2009年4月~協会事務所販売商品 会員は全品消費税分OFF!


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中世ロシア興亡史講義

第53回 ユーリーの宿敵

協会サイト内 ロシア興亡史のページ をごらん下さい。

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